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ゴブリンバトラーTAKERU

 ここはよくある剣と魔法の世界!

 勇者や魔王がドンパチを繰り広げているさなか!

 子どもたちの間である遊びが流行っていた!




「いっけー! 俺のホットフレイムゴブリン!」


「ギヒヒィー!」


「迎えうて! 僕のブルーオーシャンゴブリン!」


「ヒギギィー!」


「ふたりとも、がんばってぇー!」




 そう! それはゴブリンバトル!!!!

 捕まえたゴブリンを育て闘わせる、大熱狂間違いなしの遊びだ!





 人々は彼らを、ゴブリンバトラーと呼ぶ!!!!!
















 ~~~ゴブリンバトラーTAKERU~~~














「……いまだ! 必殺! ファイアー・ホルン・ギャラクティカーッ!」


「ウ、ウワアーッ!!?」


「ひぎぎぎぃー!」



 ゴオオオオ!!

 タケル君の必殺技が決まった!

 ファイアー・ホルン・ギャラクティカをくらった相手のゴブリンは、ひとたまりも、ない!!



「アアーッ! ブルーオーシャンゴブリンーッ!!」


「ヒゲゲゲェーッ!!」」


「またタケルくんの勝利ね! 流石だワ!!」


「へへっ! 俺とホットフレイムゴブリンは最強だぜ!」


「ギヒヒヒィー!」




 タケル君は生粋のゴブリンバトラー!

 三度の飯よりもゴブリンバトルが大好き!

 今日もミツル君、カナコちゃんと一緒に楽しくゴブバト中だ!




「もう一回やりましょうよタケル君! 次こそは僕が勝ちますよ!」


「へへっ。何度だってやってやるぜミツル!」


「もうっ! 次は私なんだからね!」




 タケル君のホットフレイムゴブリンは地元じゃ最強!

 何体ものゴブリンを戦闘不能にした、とても強いゴブリンだ!





「さあ、いくわよ! ピンクキャットゴブリン!」


「へへっ! かかってきな!」





 次はカナコちゃんとの連戦!

 連戦なんて、ものともしねえ! 連戦大好きだぜ!

 かかってこい、連戦!!



 そう息巻いていた、その時であった!!!!!!






「ふんっ。まるでお遊びだぜ……」


「ん? なんだお前? 見ない顔だな?」




 突如現れたのは、謎の少年!

 そして傍らには、そう……!

 ゴブリン!!!!!!!





「アッ! お前もゴブリンバトラーか!? 一緒にゴブバト、しようぜ!」


「ふっ。さっきのを見ていたが、なんてつまんねぇゴブバトだ……。雑魚ゴブもいいところだぜ」


「ナ、ナニーッ!」



 冷たい言葉を投げかける少年!

 もちろん怒るタケル君たち!

 命より大事なゴブリンをけなされて、黙ってる訳が、ない!!!




「それなら私と勝負よ! 目にもの見せてやるワ!」


「ああ、いいぜ……。いけ、ダークシェイドゴブリン……!」


「ヒギギィ……ッ!」


「目にもの見せてやるワ! くらわせなさい! 必殺! キャット・ウォーク・ハンマーッ!!」


「ヒギー!」


「ふんっ。遅いぜ……」


「ア、アアーッ!?」



 ビュンっ!!

 ダークシェイドゴブリンが華麗に攻撃を回避!

 そのままカナコちゃんのゴブリンの後頭部を強打だ!

 強い!!!!

 強すぎるッ!!!!



「た、大変! 私のゴブリンが!」


「な、なんてこった! アレじゃもうピンクキャットゴブリンは・・・・・・戦闘不能だァーッ!!」


「なんて強さなんでしょう!!」


「ふんっ。やっぱり雑魚だぜ……。が、しかし……てめぇ、コラッ!」


「ヒギィー!?」


「!!?」




 少年が、自分の相棒であるダークシェイドゴブリンを蹴り始めた!

 勝ったというのに何故!? タケル君たちも困惑だ!




「てめぇ! ちょっと手加減しやがったな!? 確実に相手を殺すつもりでやれっつっただろ!!」


「ヒギィ……ギギィーッ!」


「や、やめろーッ! 自分の相棒を蹴るなんて、なんてことをするんだ!!?」


「ふんっ。自分のゴブリンをどうしようと、俺の勝手だぜ。おらっ、おらっ!」


「や……やめろーッ!!」


「ふんっ。やめないぜ。おらっおらっ!」


「な、なんてことをするんだ、や……やめろーッ!!」


「うるせえ! 俺が自分のゴブリンをどうしたって、俺の勝手だぜ。おらっ、おらっ!」


「ひどすぎる! や……やめろーッ!!」


「やめないぜ。俺が自分の所有物をどうしたって、自由だぜ。おら、おらっ!」


「なんて奴だ! や……やめろーッ!!」


「ふんっ。やめさせたいなら、やめさせてみたらどうだ! おら、おらっ!」


「ゆるせねぇ! や……やめろーッ!!」


「ぐわぁッ!?」




 ごツンッ!!!!

 タケル君、怒りの鉄拳が炸裂だーッ!




「いいかげんにしろ! ゴブリンはお前の道具じゃないぞ!」


「グ、グウーッ!」


「いいかげんにしろ! ゴブリンはみんなの仲間だ!」


「グ、グウーッ!」


「いいかげんにしろ! ゴブリンはを傷つけるんじゃない!」


「グ、グウーッ!」


「いいかげんにしろ! ゴブリンはお前の道具じゃねェーッ!!」


「グ、グウーッ!」




 ゴツン! ゴツン!

 何度も謎の少年を殴るタケル君!

 当たり前だ! ゴブリンは皆友達!

 友達を傷つけるやつは、誰だろうと許せねえーッ!




 その時であった!!!!





「ウ、ウグーッ!」


「ああ、タケル君!?」




 タケル君を、少年のダークシェイドゴブリンが、ブン殴った!

 助けてもらったというのに、何故!?

 まるで恩知らずだ!! 許せねェーッ!!




「へへっ……。見たか、俺のゴブリンは忠義心に厚いんだ……!」


「クソーっ! 助けてやったのになんてゴブリンだ……!」


「まるで完璧にしつけられた猟犬のようですね!」


「こんなゴブリンのしつけ方、間違ってる! 絶対に許せない!!」


「許せねぇのはこっちも同じだぜ……何度も殴りやがったな……!殺す、殺してやる……!」


「な、なんて殺意……! まるで、完璧にしつけられた猟犬のようだワ!」


「へっ。こうなりゃゴブリンバトルで決着をつけるしかないようだな!」


「ああ……いくぞ!」









 「「ゴブリンバトル、開始ッ!!!!!」」








「いけっ、ホットフレイムゴブリン! ファイアー・ホルン・ギャラクティカーッ!」


「ヒギギィー!」


「殺してやれ、ダークシェイドゴブリン……! ダークネス・イリュージョン……!」


「ヒギギィ……!」




 バチバチという凄い音が、世間に鳴り響く!!

 ホットフレイムゴブリンのファイアー・ホルン・ギャラクティカと、ダークシェイドゴブリンのダークネス・イリュージョンが、ぶつかりあう!!!!

 これはすごいゴブリンバトルだ! 目が離せねぇーッ!!!




「な、なんていうことです! タケル君のゴブリンのファイアー・ホルン・ギャラクティカと同等の強さだなんて!」


「謎の少年のゴブリンのダークネス・イリュージョン、すごい威力だワ!」


「ふんっ、まだまだ……。やれ、ダークシャドウゴブリン…!」


「ヒギギギィ……!」


「ム、ムムーッ!?」




 突如ダークシェイドゴブリンのダークネス・イリュージョンの力が増していく!!

 さっきまで拮抗していたホットフレイムゴブリンのファイアー・ホルン・ギャラクティカが段々と押されていく!

 タケルくんもタジタジだァーッ! 一体何故ッ!!?




「ち、チクショー!? 何故押されているんだ!? がんばれ、ホットフレイムゴブリン!」


「ヒギー!」


「まるで分かってねえな! ステータスを確認してみな……!」


「ステータス……? ア、アァアーッ!!」








【ホットフレイムゴブリン】

攻撃力:9000

防御力::7000

素早さ:8000

ファイアー・ホルン・ギャラクティカの持続力:1800




【ダークシェイドゴブリン】

攻撃力:9000

防御力:6000

素早さ:7000

ダークネス・イリュージョンの持続力:6000




 バアアァァァアーッン!!!!









「分かったか!? 俺のダークシャドウゴブリンとお前のホットフレイムゴブリンの攻撃力が同等なのに対し……ダークネス・イリュージョンの持続力は6000!!」


「な、なんだって!? 強すぎる!!」




 必殺技の持続力が高いということは、技が長く続くということ!!

 つまり、持久戦になれば……持久戦になるほど、強いということ!!




 ダークシェイドゴブリンの、圧倒的持続力!!

 ホットフレイムゴブリン渾身のファイアー・ホルン・ギャラクティカの持続力は1800程度!

 五倍もの力量差では太刀打ちできない!!




「く、くそーっ! がんばれ、ホットフレイムゴブリンーッ!」


「ヒギギギィー!」


「ははははは! 無駄だ無駄だ! そのまま戦闘不能にしてやるぜ!」




 もう駄目だ!

 このままでは、タケル君が負けてしまう!!




「ち、ちっくしょー」! このままじゃ、やられちまうーッ!!」


「ははははは! そのまま戦闘不能にしてやるぜ!」


「タケルくーんッ!」


「がんばって、タケルくーんッ!」


「くっそーっ! このままじゃ、やられてしまう……! なんとかしねえとーッ!!」


「そのまま戦闘不能にしてやるぜ!」


「がんばって、タケルくーんッ!!」


「タケルくーんッ!」







 しかし!!!

 その時!!!!








「思い出せ……思い出すんだホットファイヤーゴブリンッ! 今までの、俺達の絆をーッ!」


「ムムッ!?」




 タケル君の言葉と共に!!!!

 ホットフレイムゴブリンの体が……

 赤く!!!! 光り出した!!!!!!





「グムウ!? な、なんだこのパワーは!?」


「ギヒヒヒィイー!?」


「馬鹿な! 俺のダークネスゴブリンが押されているだと!?」


「うおおおおおーっ!!」


「馬鹿な! 何故おされているんだ!? 俺のゴブリンが!?」


「ヒギギィー!?」


「おされているだなんて、こいつは、おかしいぜ! ステータスは確かに…… ア、アァーアッ!!?」








【ホットフレイムゴブリン】

攻撃力:4343333333

防御力::70064545

素早さ:5647475675

ファイアー・ホルン・ギャラクティカの持続力:1020949484


 ドオオオオオオオオオン!!








「馬鹿な! 奴のゴブリンのステータスが、上昇しているーッ!?」


「ああ! タケル君のゴブリンのステータスが異常な数値に上昇していますよー!?」


「何故タケル君のゴブリンのステータスがこんなこにも上昇しているというの!? 分からないワ!」


「ゴブリンの強さは、数字だけで図れるもんじゃねえんだ……! それは……絆の力!!」


「き、絆の力だと!?」


「そうだ、絆の力! 今まで育んできた俺達の友情と、努力の証!! 俺とホットファイアーゴブリンと俺の……絆だァーッ!!!!!」


「ギヒヒヒィー!!!!!」


「ウ、ウワアアァアァアアアアアアアア!!?」













「レッド・ギャラクティカ・バーニングゥー!!!!!!!」
















「グ、グワアアアァアアアアアアアアアアーッ!!!!!」


「ヒ、ヒギギイィイィーッ!!」






 ダークネスゴブリンに、赤い炎が炸裂!!!!!

 大爆発!!





 少年のゴブリンは…………。








 戦闘不能だあぁーッッ!!!!!!!!!!!!








「グ、グワアアアァアアアアアアアアアアーッ!!!!!」







「やったぜ!!」


「す、すごいですよタケル君!!」


「すごいわタケル君!」


「へへっ! どんなもんだい!!」


「ぐうううー……畜生……こんな奴に負けるだなんて……!」


「す、すごいですよタケル君!!」


「すごいわタケル君!」


「わかったか! 絆のパワーを……! お前はゴブリンとの絆が築けなかった! それが敗因なんだ!!」


「ウウ、ウウウーッ……!」





 うなだれる少年。

 彼は泣いていた。

 己の不甲斐なさを、嘆いていた……!





 が、しかし!






「ギギギーッ!」


「え!? お、お前……!」



 うなだれる少年の手を握るのは、そう……。

 ダークネスゴブリン!!




「へへっ。お前のゴブリンは、お前を許してやるって言ってるみたいだな!」


「こ、こんな俺を許してくれるっていうのか……!?」


「ヒギギィー!」


「人間、誰しもが過ちを犯す……! でも、何度だって立ち上がれる、それが人間なんだぜ!!!」


「そのとおりですねタケル君!」


「そのとおりだワタケル君!!」


「うう、ううーっ……!」



 全員が少年の手を握った!

 それは暖かく、素敵な光景であった!




「自己紹介がまだだったな! 俺はタケル! ゴブリンマスターを目指してるぜ!」


「俺は、ショウ……! 俺も、ゴブリンマスターを目指してる……」


「じゃあ俺達はライバルってことだな!!」


「ああ、そうだな……! よろしくな」


「へへっ!」





 ゴブリンマスター!

 ゴブリンバトラー誰もが目指す、頂きの称号!

 これを目指して、誰もが切磋琢磨をしている!






 この称号を目標にする、ライバル同士!

 こうして、新たな絆が生まれたのだった……!





「おっといけね! もうそろそろ登校時間だぜ! 早く学校にいかねえと!」


「おっと危ない! 転校初日に遅刻だなんて、みんなに笑われちまうぜ!」


「ええ! ショウ君、僕らの学校の転校生なんですか!?」


「やれやれだワ!」


「へへっ! 賑やかになりそうだぜ!」




 こうしてタケル君達の日常は続いていく!

 ゴブリンマスターになる、その日まで……!







 これを読んでるみんなもやろうぜ!

 ゴブリンバトル!!!




 目指そうぜ!

 ゴブリンマスター!!!!














~ゴブリンバトラーTAKERU~



~☆★☆★おしまい☆★☆★~





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