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第70話 おっさん、次元召喚を実行する

 俺の元に虎時(とらとき)達が脱獄したというニュースが飛び込んできた。

 また、俺の所に襲撃に来るのかな。

 手口は大体わかっている。

 来ても余裕で返り討ちだ。


 親父とは顔を合わすのも嫌なので、今は弁護士を通じてやり取りしている。

 弁護士から遺言書を書き換えたと話があった。

 遺産受取人は俺の兄貴の光時(みつとき)で、兄貴が死んだら姪の秋穂(あきほ)が受け継ぐとの事。

 初めからこうしておけば良かったんだ。

 そうすれば、揉めなかったものを。


 青汁会社は順調だ。

 だが、3000億のお金には遠く及ばない。

 焦ってもしょうがない。

 俺は癒しを求めて異世界へ飛んだ。


  ◆◆◆


「ただいま」

「おかえりなさい」

「おかえり」

「帰還歓喜」


 ハグしてもらい柔らかい癒しを充分堪能した。

 ふと、思った。

 ベンケイを異世界で召喚できるのではと。


 早速、召喚魔法のスキルを手に入れて使ってみる。


召喚(サモン)ベンケイ」


 少し待ってみたが、一向に現れない。

 駄目か。

 そうだよな、駄目だよな。

 そうだ、合成魔石を作る時にスキルを同時に使った。

 次元移動と組み合わせたらどうか。


次元召喚(ディメンションサモン)ベンケイ」

「わん」


 うわ、できちゃったよ。


「かわいいやん」

「これなんのモンスター」

「知識欠落」


「これは柴犬だ」

「名前はなんやの」

「ベンケイと名付けた」


「ベンケイちゃん」

「わん」


 ベンケイは三人にもふられている。

 そうか、ベンケイが召喚できたということは逆も出来るだろう。

 異世界のモンスターを召喚獣に出来る。

 だがな、ドラゴンなんか連れ歩いた日には目立って仕方ない。

 異世界の存在も秘密にしておきたい。

 ということで、目立たない最強の召喚獣は。


「頼むアルマ、エリナ、モニカ。俺の召喚獣になってくれ」

「うちはええよ」

「副作用はないんでしょうね。お風呂の時に召喚されたら嫌よ」

「たぶんだが、俺が異世界に旅立った時の状態で召喚される」

「納得。承諾」


 三人の嫁と契約した。

 さて今度は地球の準備だ。


 さてここからが勝負だ。


次元召喚(ディメンションサモン)来いアルマ」

「ここがご主人様の世界なのね」


 やった賭けに勝った。

 これで最強パーティ結成だ。


「どうだ、体におかしな事はあるか」

「知らへん言葉がわかります。それとご主人様の強さが伝わってきます」

「よし、スキルを調べるぞ。使ってみろ」


(ソード)


 鉄板が剣の形に変形する。

 これで勝てたな。


「ちょっといいか」


 アルマの腕輪を手に取ってみたところ、なんと光になって散った。

 召喚を通じて輸入は出来ないみたいだ。


次元召喚(ディメンションサモン)エリナ。次元召喚(ディメンションサモン)モニカ」

「やった、ここが異世界なのね。都庁から都心を眺めたいな」

「異世界驚愕」


「よし、観光するか。今日は時間がないから、近くの水族館だ」


 車で移動中に三人が光になって消える。

 ありゃ、魔力切れか。


「ステータス」


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV143

魔力:0/14300


スキル:

収納箱

魔力通販

次元移動

魔力壁

召喚魔法

――――――――――――――


 やっぱりだ。

 15分ほどで消えたから、ええと。

 スマホで計算する。

 一秒につき5魔力だな。


 とにかく15分限定だ。

 一人だと45分。

 うーん、微妙だな。

 切り札にしか使えない。


 少し休んで魔力が回復したところでベンケイを召喚してみる。

 同じ世界だと1魔力で100秒は召喚できた。

 次元召喚は無茶だとは分かっているのでこんな物だろうと思う。

 動物でパーティを作るべきなのだろうな。


  ◆◆◆


 翌日、水族館でアルマ達を召喚した。


「ちゃちゃっと回るぞ。おすすめはジンベエザメとペンギンだ」


 ジンベエザメの水槽で三人はポカンと口を開けて見入っていた。


「凄い。海の中ってこないなっとるんや」

「DVDで学習したもんね」

「本物、驚嘆」


「時間がない。ペンギンに行くぞ」


 ペンギンの水槽は人気で幾人もの人たちが足を止めていた。


「飛んでいるみたいや」

「一匹つれて帰れないかしら」

「可愛い」


 三人が光になって消える。

 俺は思わず辺りを見回した。

 良かった気が付いたのは三歳ぐらいの幼児だけだ。

 もっとレベルアップしないと観光は難しいな。


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