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第52話 おっさん、遂に願いを叶える

 とうとう、ドラゴン・ダンジョンも100階層だ。

 これで、終わりでなかったら、すっぱり諦める。

 覚悟を決めて望んだ。


 100階層のドラゴンは神々しい輝きを放つドラゴンだった。

 俺はゴッドドラゴンと名付けた。


「まずは、必殺ドライアイス攻撃。収納箱(アイテムボックス)吹雪(ブリザード)!」


 駄目だ効いてない。俺はメイスで力の限り叩いたが跳ね返された。


「硬ぇ。何で出来ているんだ」

「うちがやります。(ランス)!」


 金属の槍の魔法がやはり跳ね返される。


 まずい尻尾が来る。

 俺は尻尾のなぎ払いから三人を庇おうと前に出る。

 尻尾を受け止め損なって弾きとばされた。

 二人は盾の魔法を使っている。

 モニカは電撃を尻尾に叩きつけたが弾き返されていた。


 強いなこのドラゴン。

 しょうがない、毒を使うか。

 何回かメイスで交戦し隙を窺う。


 口を開いた。今だ。毒の入った二リットルペットボトルの容器を口に投げ入れた。

 異変を感じたのかゴッドドラゴンが吠える。


 毒は回りゴッドドラゴンは遂に痙攣した。

 この毒は農薬を濃くした物だ。

 農薬は原液だと物凄い毒なのに更に濃くすればどうなるか。

 作っている最中に俺自身が死なないか冷や冷やした。

 素手で農薬の原液を扱って死亡した人もいるそうだ。

 他人事ではない。

 手袋をはめて隙間はテープを貼って安全性に努めた。

 ついでにガスマスクもした。


 濃くする作業は魔法が使える。

 水魔法で水分を抜いたから煮詰めるより安全だ。


 俺は追撃で更に農薬の原液をゴッドドラゴンに飲ませる。

 ピクピクしているが死なない。


 更に追撃だ。

 磯部餅を100個食わせても、まだしぶとく生きていた。

 追加で魔力通販を使って餅を食わすか。

 いいや、良いものを思いついた。

 洗濯槽クリーナーと洗濯のりを混ぜて洗濯のりスライムを作る。

 洗濯のりスライムは手軽に作れてラメとかビーズとかを中に入れるとキラキラ光って楽しい。

 よく作って姪や甥と遊んだ記憶がある。


 その、洗濯のりスライムをたんまり、ゴッドドラゴンの口を開けて流し込む。

 まだか、追加するぞ。

 魔石の魔力を使い材料を買って、四人で洗濯のりスライムを作り口に入れる。

 しばらくスライム攻めにしてそれが効いたのか、毒の効果かは分からない。

 とにかく、ゴッドドラゴンは討伐された。


「よし、ボス部屋から出るぞ。もしも、駄目なら、俺は三人と結婚してこの地に骨を埋める。三人共結婚してくれるか?」


「はい、喜んで」


 アルマが目に涙を浮かべて答えた。


「しょうがないわね。帰れなかったら、慰めてあげる」


 とエリナが言った。


「承諾」


 と一言モニカが言う。


 俺達はボス部屋を出ると、一際巨大なダンジョンコアとポータルがある。

 そして、なぜかぽつんと宝箱があった。


 俺は一応、罠探知を使ってから、どうかこの身一つで良いから地球と行き来できる物をくれと願いながら箱を開ける。


 箱の中にはスキルオーブがあった。

 俺は期待に胸を膨らませスキルオーブを使う。


「ステータス」


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV519

魔力:51864/51900


スキル:

収納箱

魔力通販

魔力壁

混合

変形

罠探知

方向察知

氷魔法

次元移動

――――――――――――――


 次元移動、もしかしなくても帰れるに違いない。

 ダンジョンは討伐しないで外に出よう。

 これまでの計算だとこのダンジョンを討伐するとレベルが1500を超える事になる。

 とてもじゃないが、1500年は生きたくない。


「みんな、ありがとう。帰れると思う。もし良ければ一旦元の世界に帰って、その後必ずこの世界に帰ってきて三人と結婚する」


「首を長うして、待ってます」

「私達が年を取らないうちに帰ってきてね」

「約束」


「分かった約束だ。その前にこの世界でやり残した事がある」


 ◆◆◆


 俺はある宿屋の密室で男と面会した。


「そうですか。やはり彼らは虚偽の報告を」

「報告が遅くなって済まない」

「いいんですよ。色々な角度から裏づけをとらないと。処刑してから間違いだったなんて分かったら、こちらが処分されます」

「じゃあ、そろそろ行くかい」

「ええ、手はず通りに」


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