第50話 おっさん、ゴーレム・ダンジョンの攻略完了
次はオリハルコンゴーレムだった。
今までゴーレムは2.5メートルぐらいだったが、こいつは4メートル近くある。
しかも一体しか出てこない。
こいつは難敵の予感がする。
なんとこのゴーレム、オリハルコンを変形させて、コアを覆い隠してしまった。
そんな機能ありなのか。
覆いを破壊しないと話にならん。
パチンコ転ばし攻撃は使うとして、地道にいくしかないか。
「よし、モニカが火魔法で覆いを熱くしてから、エリナが水魔法で冷やす。そして、アルマが金属魔法で打撃を加える。いくぞ、収納箱!」
パチンコ玉を大量に出し、更に追い討ちで油を撒いた。
皆、それぞれの役割に従って転がったゴーレムに攻撃を加える。
「邪神の視線よ鋭き槍となり貫け槍。燃料切れ」
モニカが詠唱しカセットガスバーナーの炎が槍となって飛びコアのある所を加熱する。
俺は燃料切れの言葉を聞いてアイテムボックスから代わりのバーナーを取り出し渡した。
モニカは何度も炎の槍を額に叩きつける。
ゴーレムは立ち上がろうと手をつく動作になった。
チャンスだ。
「そろそろ、いくわよ。竜巻!」
エリナの水魔法がゴーレムに叩きつけられる。
ゴーレムは立ち上がり再び転んだ。
「次はうちが。槌!」
アルマの金属魔法がゴーレムの額を打つ。
駄目だ罅が一つも入らない。
「もう一度だ」
俺の言葉に皆頷く。
もう一度同じ工程が繰り返され、今度は罅が入った。
「効いているぞ。何回でもやるぞ」
俺の言葉に励まされたのか、皆はやる気を出して声を出す。
「「「はい!」」」
十回ほど繰り返され、とうとうゴーレムコアは剥き出しになり罅が入った。
ゴーレムは転び、こいつら学習能力が無いのかと思う。
まあ、ロボットみたいな生命体なんだろう。
「断罪の剣よ罪悪を切り裂け剣」
モニカの持ったスタンガンから出た電撃が剣の形になってゴーレムコアに突き刺さる。
ゴーレムは動きが完全に止まった。
「「槍!」」
アルマの金属魔法とエリナの水魔法が同時に飛ぶ。
遂にゴーレムコアは砕け散り、ゴーレムは魔石になった。
三人も強くなったな。
「よし、ダンジョン制覇でなくとも今日は終わりだ」
扉を出るとダンジョンコアがあった。
今回の買い物は決まっている。
ドラゴン・ダンジョン攻略の為の物資を大量に買う。
そして、ご褒美タイムだ。
「そういえば三人は服を褒美にねだったことがないな」
「ご主人様がしにやったら。消えるんやろ。ちょっと」
「そうそう。一緒に死ぬのはいいけど。裸で死ぬのはちょっと」
「下着はどうなんだ。恥ずかしくないのか」
「下着省略。貴族」
「貴族は下着を着けてないのもいるのか」
「うちはそう聞きました」
「まあいいや。褒美は何が良い」
「うちは健康器具やな」
「私はゲーム機」
「按摩機」
アルマにはボート扱ぎマシンとエアロバイク。
エリナには携帯ゲーム機とソフト。
モニカにはマッサージチェアを買ってやった。
大体一人10万に収まっていた。
こいつら貧乏性だな。
もっと高い物を頼んでも良いのに。
さてと、ステータスの確認だ。
「ステータス」
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名前:山田 無二 LV517
魔力:41836/51700
スキル:
収納箱
魔力通販
魔力壁
混合
変形
罠探知
方向察知
氷魔法
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レベルが500超えた。
ドラゴン・ダンジョンはどうかな、挑戦してみて厳しくなったら考えよう。
大器晩成が花開いた気がする。
ああっ、思い出した俺の願い。
俺って大器晩成なんだけど、花開くと良いなとか願った。
これが経験値頭打ちの理由か。
しょうもない事を言ってしまったな。
誰よりも楽したいとか願ったら、もの凄く楽だったのに。
まあいいや。
今回は長かったな一ヶ月ぐらい費やした。
街に帰り、自室でベットに寝転んでくつろいでいると、ノックの音がした。
「どうぞ」
モニカが部屋に入って来た。
「体力満タン」
「俺も体力は有り余っている。今回のダンジョンでは殆んど何もしなかったからな。さあエンジン全開だ」
そのまあ、なんだ。そりゃあれだな。
ドラゴン・ダンジョンには一度、三人を連れて行ってみよう。
よし、ラストにするぞ。
ドラゴン・ダンジョンを制覇して何もなかったら、もうダンジョンには必要がなければもぐらない。




