表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/284

第40話 おっさん、インビジブル・ダンジョンの攻略完了

 ボスは透明ゴブリンキングだった。

 透明ゴブリンキングは武器を持った透明ゴブリンを大量召喚する。


 俺はジャンプで一っ飛び、透明ゴブリンキングを掴むと棍棒代わりに振り回した。

 透明ゴブリンの攻撃など物の数ではない。

 瞬く間に透明ゴブリンを駆逐して最後に透明ゴブリンキングを地面に叩きつけた。

 魔石になって行く透明ゴブリンキング。


「ちょっと、透明ゴブリン達がかわいそうになったわ」


 エリナがドン引きした様子で言う。


「強いのはええことや」


 アルマが俺を称賛の眼差しで見る。


「馬鹿力」


「モニカの批評は辛口だな。武術なんて習った事のない俺はレベルによるゴリ押しで良いんだ」


 6階層もやはり透明ゴブリン系と透明ウルフ系だった。

 新しいモンスターとして透明ウルフに乗った透明ゴブリンライダーが出てきたが、レベル200オーバーの俊敏性とパワーの前には無力だ。

 6階層のボス敵は透明カイザーウルフで透明ウルフを大量召喚してきた。

 一塊になって突撃してくる姿は迫力があった。

 鉄アレイを詰め込んだリュックを背負う。

 このリュックは強風を使ってくるモンスターに備えて用意していた物だ。

 見よう見まねの相撲の立ち合いから、腕でゴーグルを庇いぶちかます。

 そして、群れを粉砕。


 群れを切り裂いた俺は最後尾の透明カイザーウルフをメイスで一撃。

 透明カイザーウルフは魔石になり、召喚された透明ウルフは消えていった。


「みんな大丈夫か?」

「大丈夫よ。みんな盾の魔法を使ったから」


 エリナが見回し言う。


「圧倒的パワー、これはええもんやで。惚れ惚れするわ」


 アルマは褒めすぎだ。所詮レベルによるゴリ押し。慢心しないでいこう。


「絶倫力」


 今日のモニカは酷い。まあ、そうなんだけどせめて階梯力と言って欲しい。


 7階層は魔法を使う透明ゴブリンが出てきた。

 たが、魔力壁を打ち破れず、メイスの餌食になった。

 赤外線ゴーグルを破壊されるトラブルはあったが、アルマの指示で切り抜けた。

 予備の赤外線ゴーグルを出して装備する。

 頭を狙ってくる魔法は今度から気をつけよう。


 いよいよ、7階のボスだ。

 ボスは透明ゴブリンエンペラーだった。


 ボスは前衛、遊撃、後衛のセットで透明ゴブリンを大量召喚してくる。


「みんな、下がって魔法の盾を出せ。最終奥義、小麦粉爆発拳をやる」


 俺は大急ぎで小麦粉を大量にばら撒く。

 そして、身代わり人形を握り締め、魔力壁を最大出力にして突っ込む。


「小麦粉爆発拳!!」


 爆発が起き、透明ゴブリンが全て消えた。

 まだ息があった透明ゴブリンエンペラーをアルマの指示を頼りに全力で殴る。

 一撃で殺せた。

 赤外線ゴーグルを装備し直し服を着替える。

 ボス部屋を出るドアをくぐるとダンジョンコアがあった。


 お待ちかねの魔力吸い取りタイムだ。

 魔力を吸い取り、買い物を繰り返した。


「ご褒美は何が良い」

「うちはカップラーメンを一年分や」

「確かに美味いけど毎食食うと病気になるぞ」

「問題あらへん間食にするさかい」

「それはそれで問題ありそうだが」

「体重は減る一方や。少しぐらい大丈夫やろ」

「そういう事にしておくか」


「私はカレールゥ一年分」

「こっちはまだ健全だな。毎日カレーを食っている人間もいるけど、健康被害は聞いてない」


「牛丼一年分」


 揃いも揃ってチョイスがサラリーマンのおっさんみたいだな。

 それというのも俺がそんなのしか食わせなかったからか。

 和牛の良いのとか寿司とか色々と食わせたが、結局はジャンクフードになるのか。

 レパートリーが狭いのは仕方ない。

 なにせ普通のサラリーマンだったからな。

 高級な物は一年に一回くえれば、ましだったからな。


「分かった。この場の宴会はカニにしよう。カニ美味いぞ」


 四人で無言になってカニを食う。


「美味いだろ」

「うちはカップラーメンのほうが」


 すっかり貧乏舌になっちまったな。

 まあいいや。


 合計で7千万ほど買い物をした。

 今までの商材に加え、今回はアクリル板をかなり大量に買った。

 この世界にない素材なら使い方しだいで売れるだろう。


 さて、ステータスだ。


「ステータス」


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV334

魔力:264/33400


スキル:

収納箱

魔力通販

魔力壁

混合

変形

罠探知

方向察知

――――――――――――――


 レベル300を超えたぞ。伝説にあった仙人並だ。

 でも魔力危なかったな。

 今度、小麦粉爆発拳をやるときは魔石が吹き飛んでも良いのを覚悟してやろう。


 よし、帰ろう。


 皆でバイクを飛ばし、家に帰る。

 久しぶりの家だ。

 ベッドでくつろいでいると、ノックの音がする。


「開放感」


 意味深なモニカの言葉だ。


「よし、おっさんは羽目をはずすぞ」


 そのまあ、なんだ。いつものなんだ察してくれ。


  ◆◆◆


 深夜、ふとトイレに起きた時に悪戯心で赤外線ゴーグルを装着した。

 裸を赤外線ゴーグルで見たかった訳ではないったらない。

 窓の外を見ると人が映った。

 やばい泥棒か、殺し屋だ。

 どこの手の者かは捕まえてから、考えよう。

 トイレのすっぽんを取り出しみんなを起こさないように外にそっと出た。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 隣で女の子が裸で寝てるわけか・・・
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ