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第209話 おっさん、魔力の正体を掴む

 やはりザコは問題なく対処できた。

 問題のボス部屋の前。

 さてどんな攻撃かな。

 ボスが召喚されてくる。

 先手必勝とばかりに俺はメイスを叩きこんだ。

 空気に受け止められた。

 次の瞬間、俺は壁に叩きつけられていた。


 何をされたのかは分かる衝撃波だ。

 衝撃波を叩きつけられた。


 風対策の鉄アレイが詰まった背負い袋を装着する。

 これで吹き飛ばされないはずだ。


 これでもかと衝撃波が俺の体に叩きつけられる。

 生身じゃなくて良かったよ。

 生身なら内出血を起こしているところだ。


 近づくと何やらキラキラと光る霧を吹きつけられた。

 むっ、毒か。

 この体は毒無効だと思う。

 金属支配を使ったら霧の正体が分かった。

 水銀だ。

 人間には水銀の霧は猛毒だろうよ。

 だがな俺には効かん。


 メイスで頭蓋骨を立ち割ってコアを砕いた。


「大丈夫なの。大分やられてたみたいだけど」

『平気だ。今、体の毒を洗い流すから少し離れていてくれ』


 水とブラシで水銀を落とす。

 鉄製の骨だと水銀が分かりにくい。

 ああ、金属支配すれば良いんだ。


 金属支配した水銀がぽたぽたと落ちる。

 水銀の霧なんて随分とえげつないな。

 情報がないのも頷ける。


 俺には要らない能力だ。

 そう言えばこいつはどうやって衝撃波を出していたんだ。

 推測するに魔力だろうな。

 衝撃波魔法ってところだろう。

 ちょっとほしいと思った。


 コピーできないだろうか。

 金属とは関係ないから無理か。

 そこはかとなく悔しい。


 さっさと次に行こう。

 次の階層には衝撃波を出すスケルトンがいた。

 衝撃波を金属支配できたりして。


 俺は衝撃波に金属支配を掛けてみた。

 おや、掛かったぞ。

 衝撃波を跳ね返す。

 衝撃波は金属の粉で出来ているのだろうか。

 それにしては目に見えない。


「どうしたの。ザコに苦戦して」

『考察をしていた』


 ホワイトボードが衝撃波で飛ばされる。


「駄目よ、考え事して戦っちゃあ」


 よっこらせと。

 メイスで衝撃波スケルトンを退治した。


 ふん、衝撃波を構成している粉が落ちてないかな。

 ないな。

 そう言えば跳ね返した衝撃波はどこに行った。

 おお、空気中に漂っている。


 見えないな。

 全然見えない。

 見えないほど細かい粒子なんだろうか。


 空気中の支配した衝撃波を集める。

 まだ見えない。

 圧縮してみるか。

 おっ、なにやら虹色の粒になったぞ。


『これって何』

「知らないわよ。思い当たる事と言ったら、聖杭ミスランターね」


 そうだ、あの杭の色に似ている。

 衝撃波は魔力。

 もしかして、これは魔力なのか。

 じゃあ、魔力って金属なのか。

 魔力の正体って金属粒子。

 ならミスリルは銀と魔力の合金か。

 おお、素晴らしい事実だな。

 分かった所で何も意味はないが。

 空気中の魔力とか集められないかな。


 金属支配してみるが、反応はない。

 うむ、体に取り込まれた魔力でないと反応しないらしい。

 なんだ。

 つまらないな。

 でも衝撃波は出せそう。


 俺は自分の中にある魔力を塊りにして放った。

 壁に当たってぼすんと音を立てた。


 今の俺は魔力が少ないからちんけな衝撃波しか出せない。

 魔石の魔力を使えば出来るかもしれないが、もったいない気がする。

 奥の手の一つとして覚えておこう。


 次の階のボスは炎と衝撃波と水銀の霧を使うやつだった。

 当然のことながら瞬殺した。

 そろそろ次辺りでラスボスなんだよな。


『ラスボスって何か知っている?』

「当然、未攻略なんだから知らないわ」


 そうだよな。

 この世界は属性魔導を作り出すためにダンジョンコアは不可欠だ。

 ラスボスを倒して見逃したなんて事はないだろう。

 まあ、推測は出来る。

 十中八九、骨のドラゴンだろう。

 骨だと飛べないから、空中戦の心配はない。

 ブレスも吐けないのに違いない。

 吐けるとしても水銀か炎だろう。

 どっちも俺には効かない。

 何だ、楽勝だな。


 他に考えられるのは堅いのだろうな。

 溶かすのが無理だとすると、ダイヤモンドカッターをちまちま当てていくしかないのか。

 長期戦になる恐れがあるな。

 ここまで来たらチャレンジあるのみだ。


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