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第204話 おっさん、ダンジョン攻略中

 翌日。

 俺達は再びダンジョンに戻ってきて、スケルトンをメイスで叩いて回っていた。


 メイスは土から鉄を金属支配して作ったのだ。

 俺は金属を操る能力を金属支配と名付けた。


 この金属支配の能力がどこまで出来るかは分からないが、やれるところまでやってみようと思う。


「凄いよ。私が稼ぐよりも、いっぱい稼いでいる。本当に魔石ぜんぶ貰っちゃってもいいの」

『ああ、現状では俺には使い道がない』


 この世界のアンデッドの弱点はなんだろう。

 でもそれは俺の弱点にもなり得る。

 相手を殺すつもりが自分が死んでいたとなる可能性もある。

 金属支配の新しい使い方が分かればなぁ。

 そうすればもっと強くなれるのに。

 金属を液体みたいに操るのは無理だ。

 今の所くっつけるだけだ。

 それも意識を離すとバラバラになる。

 物づくりができないのは残念だ。


 だが、宙を飛んでくっつくという事は自由に動かせるという事。

 体も自由に動かしているしな。

 それを利用した金属支配の攻撃方法はいくつか思いついてはいる。


『1階層は粗方回ったな。ボス戦と行くか』

「大丈夫なの」

『楽勝だよ』

「信じたからね」


 ボス部屋の扉を開ける。

 ボスの間は石のタイルが敷き詰められた部屋だった。

 好都合だ。

 ボスが出現する。


 剣を持ったあのシルエットはファイタースケルトンだ。

 こいつとは前にやって勝っているから楽勝だ。


『戦闘に巻き込まれない様に壁際に退避しとけ』

「二刀流で挑まなくていいの」

『任せろ。秘策がある』


 この地形に適した戦術は。


「カタカタ(魔力通販(メールオーダー))。カタカタカタ(パチンコ玉100発)」


 パチンコ玉100発を出してばらまいた。

 金属支配でパチンコ玉を操る。

 相手の足元に邪魔する様に配置。

 さあ転がれ。

 スコーンと転がるファイタースケルトン。

 転がった所をメイスで強打。


 起き上がったらパチンコ玉を動かして、また転ばす。

 三度もやると起き上がらなくなっていた。

 座ったままで剣を振るうファイタースケルトン。

 俺は頭を叩いては離れるというヒットアンドウェイで攻撃した。


 攻撃は上手く行き、ファイタースケルトンは魔石になった。

 遠距離攻撃があれば、もっと簡単に始末できたな。

 要改善だ。


『どうだ。上手くいったろう』

「この玉、文字が書いてあるのね。お金みたい」

『よく分かったな。ある場所ではこれを品物に交換してくれる。お金みたいな物だ』

「へぇ、球体のお金かあ。色々な物があるのね。流石、書記スケルトン。知識の量は抜群ね」


 2階層も土の洞窟で、ファイタースケルトンと普通のスケルトンが徘徊していた。

 階段を降りきると襲い掛かってくる為、階段の途中で観察する。


 土の洞窟ならあの戦法だな。


 歩いているファイタースケルトンの足元から砂鉄の槍を突き出す。

 だが、ダメージはない。

 ダメージが目的ではないんだな。

 後ろを振り向けなくするのが目的だ。


 俺は後ろに回ると、メイスで後頭部を叩いてやっつけた。

 うん、楽勝だ。

 しかし、この金属支配の力は回数制限とかないのかな。

 突然使えなくなる危険性も考慮しとかないと。


『属性魔導のスキルオーブを手に入れられないか』

「無理ね。貧民にも配給しているけど、その場で使うように指示されるはず」


 そうか、なら包帯をぐるぐる巻きにして怪我人を装うか。

 怪我で声も出ない事にしておけば大丈夫だ。


 よし、この2階層のボスを倒したらスキルオーブをゲットしよう。

 2階層のボスはナイトスケルトンだった。

 床は石のタイルだ。


 黒光りする鎧と兜を身にまとっている。

 そして骨の馬に乗っていた。

 武器は馬上槍だ。


 まあ、パチンコ玉が100発あるので楽勝なんだけどな。

 馬ごとすってんころりと転び、大きな隙をさらした。

 俺はまず馬の頭蓋骨を壊しコアを破壊。

 ナイトスケルトンの兜が邪魔だな。

 首を狙うのが上策なんだろうと思う。

 兜の上からいくら叩いても脳震盪は起こさないからな。


 こんなこともあろうかと砂鉄を持ち込んである。

 砂鉄でロープを作りナイトスケルトンの首に引っ掛けた。

 なにしろロープは自由自在に動くから、カウボーイでなくとも首に掛けられる。


『ロープを一緒に引っ張ってくれ』

「引っ張ればいいのね」


 ロープを力任せに引っ張る。

 首がスコンと抜けた。

 首を拾い顎の下から頭蓋骨内のコアを潰す。


「こんなに楽なら、これからもダンジョン攻略したいわね。でも無理は禁物よ。危険だと思ったら、止めるから」

『ああ、それでいい。俺が焦っているようだったら、止めてくれ』


 2階層のボスは少し手こずった。

 3階層はきつそうだ。

 今日はもうやめだ。

 属性魔導を手に入れてから攻略を再開しよう。


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