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第163話 おっさん、知識を伝える3

 知識伝授3回目だ。

 3番目の元素はリチウムになる。


「よし、知識伝授3回目はリチウムだ」

「これも聞いた事のない物質ね」

「難しい事は嫌」


「じゃ簡単に言うぞ。貴重だ。惑星上に少ない」

「ワクセイって何」

「この大地は丸い。それでもって太陽の周りを回っている」

「えっ、そうなの」

「難しい」


「悪い悪い。話を戻すとこの大地にリチウムは少ない。鉱石があるんだがな。どこで採れるか辞典にも載ってない」

「それじゃ、この属性の魔導士は可哀そうね」

「ああ、モンスター討伐用の触媒が用意できなかった。それとこれは単体では危険だ。ふれると肌を溶かす」


「どんな用途に使われるの」

「電池しか知らん。なになに、冷却材に使われると書いてあるな。魔力通販(メールオーダー)。駄目だ、冷却用のリチウムは売ってない」


 そんな商品をチェックした覚えはないからな。

 パソコンの冷却材でワンチャンスあるかもと思ったが、駄目だった。

 辞典を詳しく読む。

 えっと、冷却材って原子炉かよ。

 そんな事だと思ったぜ。


「売ってないんじゃ買いようがないわね」

「まあな。手に入らないって事だ。試験用が電池から確保出来ただけでも、良しとするしかないんだろうな。アニータ、起きろ。終わったぞ。ダンジョン討伐に出かけよう。オートバイで風を切ると気持ちいいぞ」

「何か知らないけど、行く」

「私も行って良い」

「おう、三人乗りはきついな。無理じゃないけど」


 ビッグスクーターに三人乗りする事になった。


「むぎゅう」

「アニータ、真ん中で我慢してくれ」

「これ、破廉恥な乗り物ね。男女が肌を密着させるなんて」

「服を着ているだろ。そんなに密着しなくても良いんだ。落ちない様にするだけで良い」

「怖いのよ」

「馬だって、二人乗りする時は密着するだろ。あれと同じだ」

「男女で相乗りなんてしないわ」

「まあ良い。出発するぞ」


 スクーターが走り出す。


「きゃー」

「むぎゅう」

「アニータが窒息しかかってるぞ」

「ごめんなさい」


 しばらく走るうちにジャスミンも慣れたらしい。

 ダンジョンには2時間ほどで着いた。

 さてと、ザコモンスターは問題ないと思う。

 階層ボスもなんとかなるだろう。

 問題はラスボスだ。

 ブレス対策が必要だ。

 一応考えたがこれで行けるかどうか。


 クロロホルム作戦でザコを討伐。

 いよいよラスボスだ。

 退治するその方法とは。


属性魔導アトリビュートマジック、塩よ塩素とナトリウムに分かれろ」


 チタンワイヤーで拘束。

 これでもかとドラゴンの口に詰め込んだ塩を分解する。

 ドラゴンの唾液に反応してナトリウムが発火する。

 そして口から火を噴き体が爆発。

 こいつ飲み込みやがった。

 馬鹿だな。

 口の中でブレスが爆発するのを狙ったんだけど、思いの他上手く行った。

 ブレスは可燃の胃液によるものだったらしい。


「なんか、あっけないわね」

「搦め手で殺すのが早いんだよ。塩素ガスは有毒だから気をつけろ。空気タンクは解除するなよ」

「なんか、美しくない殺し方ね」

「そんなの犬にでも食わせておけ」


「レベルがまた上がったよ」

「アニータ、頑張って100まで上げような」

「戦士にでもするつもり」

「何かあった時に、属性魔導だけじゃ心許ないだろう。さて、8階層にもなるとダンジョンコアには魔力が沢山詰まっているだろうな」


 ダンジョンコアから魔力を吸い取った結果。


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV134

魔力:131258372/13400


スキル:

収納箱

魔力通販

次元移動

属性魔導

――――――――――――――


 魔力が一億超えたぞ。


「魔力を吸い取ったダンジョンコアは売値が下がるのだけど」

「文句言うなよ。俺に魔力は必要なんだ。サファイヤとルビーをかなり渡しただろ。あれを作るのに必要なんだ」

「仕方ないわね。宝石魔導士会の全ての触媒を用意してもらってるのだから、文句が言えないわ」

「そうそう、ばちが当たる」


 これで改革を推し進める為の魔力は十分だ。

 後は戦略だな。


 勧誘の方法と革命の起こし方を考えないと。

 触媒を用意できる物はして、スラムの人間の属性を明らかにする。

 だが、これだけでは足りない。

 2級市民をなんとかして取り込まないとな。

 気のいいやつらが多そうだけど、1級市民の庇護のもとに生きているからな。

 意識改革は難しい。

 追々、考えよう。


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