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第130話 おっさん、凝固剤無双をする

 ナメクジとローパーとスライムをどう退治しよう。

 やっぱりオーソドックスに塩だな。

 1階層でモンスターを生贄に塩を買ってそれから攻略を開始すればいいな。

 それと凝固剤だな。

 トイレ用のが幾つもあるから試してみよう。

 今回もダンジョン討伐にパティがついてきた。


「手伝ってくれると助かる」

「簡単な仕事なんでしょ」

「計算では粉を掛けるだけなんだが」



 俺は1階層で網にモンスターを捕らえ生贄にする。

 搾り取った魔力で凝固剤を買って見た。

 キロ1500円のやつなんだがどんなものかな。

 ナントカポリマーって名前で水を掛けると何百倍にも膨れ上がるらしい。

 日本は地震とか多い。

 だもんで、通販サイトの災害用品を探して色々と物色した事がある。

 今買えるのはその時のおかげだ。


「振りかけたわよ」


 凝固剤は水を吸って瞬く間に膨れ上がり、そのぶんナメクジのモンスターは縮んだ。


「おー、どんどん縮む」


 一割ほど縮むとナメクジのモンスターは魔石になった。

 少し小さくなると死ぬんだな。


「これ強力ね。あなたのスキルで作り出したのだと思うけど、万能なのね」

「いや、たまたまだ」

「謙遜しなくて良いわよ」


 凝固剤は使える事が分かったが、粉を掛けるのに接近してたらめんどくさい。

 俺はプラスチックの5センチほどのカプセルを買って、凝固剤を詰めた。

 これなら投げるだけで討伐できる。


 何百匹とモンスターを生贄に捧げ凝固剤は十分な量が手に入った。

 塩も試してみたが、塩は効き目が悪い。

 魔法として運用しないと難しいって事だな。


 翌日。

 いよいよ本格的にダンジョン討伐スタートだ。

 パティが投げる役で俺はカプセルを渡す役をする事になった。

 投てきの腕がパティの方が良かったからだ。

 それにアイテムボックスを使えるのは俺しかいない。



 部屋は無視してボス部屋を探して通路を歩く。

 出会いがしらの襲撃などなくて、無難に撃退できた。

 それというのもパティが大抵の場合モンスターにすぐ気づくからだ。

 意外な才能だ。

 商人やるにも危機察知能力が必要なのかね。


 1階層のボスはでかいローパーだった。

 鞭のように使ってくる触手の隙間からパティが凝固剤をぶつける。


「上手いな。投げナイフの芸人が出来るんじゃないか」

「出来るかもね。誰でも取柄の一つぐらいあるわ」


 ボスは程なくして水分をとられて魔石になった。


 2階層になるとモンスターが毒液を吐いてくるようになった。

 だが、俺達は華麗にさけて攻撃に転じた。

 楽勝だな。

 2階層のボスは大きなナメクジだった。

 毒を吐くのと体表に毒液がにじみ出る攻撃方法だったので、凝固剤で難なく方をつけられた。


 3階層は打撃耐性を持っている奴だった。

 当然、凝固剤には敵わなくて、楽勝で進めた。


 4階層は魔法を放ってくるモンスターだった。

 俺は何回も被弾したが、パティは一回も食らわない。

 まあ、魔力壁でダメージはゼロなんだが。

 ちくしょう負けた気分だ。


 4階層のボス部屋の前に立った。

 この部屋の扉は豪奢でたぶんラスボスだろう。


「ここで終わりだ。気を引き締めていくぞ」

「分かっているわ。今日は来て良かったわ。レベルがガンガン上がって強くなれたわ」

「商人も大変だな。強くないと盗賊に太刀打ちできない」

「ええ、そうね」

「よし、開けるぞ」


 召喚されてきたのは、でかいスライムだった。

 スライムは炎の竜巻を放った。


「パティ、よけろ」


 俺は竜巻を横っ飛びして回避したが、かすってしまって服に火がついた。

 こなくそ。

 消火器を出して自分に掛ける。

 パティは涼しい顔でかわして、凝固剤をスライムに投げている。


 くそっ、俺が足を引っ張るのか。

 待てよ前に火を吐くモンスターとやった時、爆発したよな。

 このスライム可燃物で出来ているのか。


 俺は発煙筒に火を点けた。


「これを投げろ」


 パティが投げた発煙筒は凝固剤に燃え移り、スライムは爆発した。

 わお、こうなるのね。

 可燃物を吸い取った凝固剤が燃えやすくなったのが勝因だな。


 ダンジョンコアの部屋に行き、調味料を中心に2千万円相当の買い物をする。

 全部吸い取ってコアは討伐しない。

 シケの日の漁師が困るといけないからだ。

 半分なら、さほどモンスターも弱体化しないだろう。


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