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第114話 おっさん、手掛かりを掴む

 俺はその足で冒険者ギルドに行った。

 酒場でだべっている冒険者に話し掛ける。


「遊びたいのだが、一見の冒険者も入れてくれる賭場はあるかい」


 俺は銀貨一枚を握らせた。


「おう、それなら、遺跡街の14番遺跡の805だ」

「ありがとよ」


 遺跡街のビルには1番から順に番号が振られている。

 立札や地図もあるので、14番遺跡はすぐに見つかった。


 その遺跡の8階の5番目の部屋へ行きノックをした。

 すると大柄な用心棒と思われる人間がドアを開けた。


「少し遊びたい」

「武器は預からせてもらう」


 俺は腰にぶら下げているメイスを渡して中に入った。

 中はたばこの煙が立ち込めていて、かなり煙たい。

 バーのカウンターで酒を注文してグラスを受け取った。


 ギャンブルのルールが分からん。

 分からんが賭けなきゃ始まらん。


「さあ、張って」

「ロー」

「ハイ」

「俺もハイ」

「ドローに」


 見ていると次の札が下か上かを当てるギャンブルらしい。

 これなら適当に賭けても怪しまれないだろう。

 俺は賭場で適当に賭けいくらか散財したところで、冒険者と思われる男に話し掛けた。


「一攫千金できるような仕事ってないのかね」

「あったら、誰にも教えないで、俺がやっているよ」

「この街を出る前提ではどうだ」

「駄目だね。遺跡も情報がないと何にもできん」

「ところでこいつらを見た事は」


 俺は人相書きを差し出した。


「こいつらか。そう言えば何日か前にギルドで喧嘩していた奴がこんな顔だったかな」

「本当か。もっと詳しく」

「約束が違うって太った男がわめいていたな」

「それでどうなった」

「それからは知らん」


 おー、手掛かりを遂に見つけたぞ。

 やつらギルドに顔を出したのだな。

 たぶん偽名で利用しているな。

 前の名前を使っていれば、俺の尋ね人依頼に引っかかるはずだ。


 賭場を後にして宿に帰り、俺は喜び勇んでパティの部屋の扉をノックした。


「手がかりが見つかったぞ」

「本当?」

「やつらこの街のギルドに立ち寄っている。ただし今の居場所は分からん」

「一歩前進ね」

「どうやら偽名を使っているみたいだ」

「私の方でも人相書きを配ってみるから、ちょうだい」


 人相書きを20枚ほど渡した。


「この紙凄いわね。これもスキルで作ったの?」

「まあな」

「人相書きの複製を作りたいわ。白紙もちょうだい」

「まあいいだろ。持ってけよ」


 白紙のコピー用紙を1000枚ほど渡した。


「ありがと」

「どこに人相書き配るんだ」

「冒険者に決まっているじゃない」

「駄目だな。手配されていると分かったら逃げ出すに俺は賭ける」

「それもそうね。酒場のマスターに配る事にするわ」

「なら白紙1000枚は要らないだろ」

「これは酒場のマスターを買収する資金に充てさせてもらうわ」

「世知辛いな」

「お金は節約しないと。後どれだけ時間が掛かるか分からないから」


 パティは貧乏なのか。

 宿も下級だし、食事も俺が見ている限り質素だ。

 冒険者に投資するようなお金持ちには見えない。

 まあいいか。

 今のところ俺の邪魔はしていない。


「なら電卓とペンライトを持っていけ。売って金に換えるといい。それと缶ビールだ。酒場でマスターと話すきっかけが居るだろう」

「この金属の塊がお酒?」

「まあ、その。発掘品だ。冷やすと美味いぞ」

「詳しくは聞かないわ」

「俺の晩酌用の奴を放出するんだから、成果を頼むぞ」

「期待しないで待ってて」


 酒場の情報収集はパティに任せよう。

 俺はギルドで張り込みしたい。

 したいが、俺がやると奴らに感づかれる恐れがある。

 依頼を出す手だな。

 理由は金を貸したから取り戻したいので所在の確認がしたいでどうだ。

 一日銀貨3枚ぐらい出せば駆け出しの新人あたりが受けるだろう。

 ギルドはこれでいいな。


 俺は何をしよう。

 子供の情報網は活用するとして、それは一日一時間ぐらいかけりゃいい。

 俺は武器屋をあたるとしようか。

 モンスターと戦えば武器のメンテナンスは必要だ。

 何か口実を見つけて武器屋を回ろう。


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