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プロローグ
~プロローグ~
深い闇夜、何かこの世ではない者が出てきそうな丑三つ時に私は立ち尽くしていた。そう、コピー機の前で。
このコピーさえ、終わってしまえば私は解放されて家に帰れる。ぶっちゃけた話、会社で寝た方が通勤時間は取られないが、少しでも家にいたい。タクシーで帰れば金がかかるし、その金は出してくれないブラック企業だから、深夜に歩いて帰社。家は多少近くもあるが、それでも若い女の子一人を深夜に歩かせるとはとんでもない会社である。
彼氏いない歴=年齢、学生時代は目立つことを嫌い端っこで永遠と絵を描いていた。そして今は死にかけながら会社に通っている。
学生時代は密かにイラストレーターを夢見ていたのにどうしてこんな情けない今を生きているのだろう。こんな日常もうやめてしまいたい。それでもやめられない理由がある。少しでも世界が変わってくれればいいのに。