詩集
詩集を読んでいた
その詩集を読むのは二度目で
面白かった覚えがあったが
内容は覚えていなかった
二度目である今回は
詩たちがわたしに語り掛けてくれているようだった
詩たちがわたしの身体に染み込んでいくようだった
わたしは詩とあそんでいる気持ちだった
詩集を読んでいる途中あなたが
面白いですか?
と
聞いてきたので
わたしは素直に
うん
と答えた
するとあなたは
邪魔しないでほしいですよね
と
すぐに立ち去った
それでわたしはまた詩集を開いたけれど
さっきまで語りかけてきてくれた言葉たちは
そっぽを向いてしまった
どんな素敵な言葉よりも
あなたが話しかけてくれたことが
わたしにとって一番すてきなことだった
それを詩集は見逃さず
そっぽを向かれてしまった
読んでいただき、ありがとうございます。