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エピローグ

太陽は沈み、また昇る。

それを、幾度繰り返しただろうか。




シャルロットはヴァンパイア達と共に陽岬を離れ、フランスの片田舎で過ごすこととなった。

シャルロットだけでなく、生存が発覚したクロードも、親友のヴィクトルを支えるべく他のヴァンパイア達と共に海を渡った。エッセイストの仕事をフランスでも続け、いくつか本を出したのだという。……とはいえ、シャルロットもロベールも、彼の仕事が文筆業だと知った時には意外そうに目を丸くしていた。


数年後、留学した美和が旅行中の奈緒を伴って新たな拠点に押しかけたり、奈緒がロベールの手を引いて日本へ帰ったりもするのだが……それはまた、別の恋物語。




大上家は八重が双子の姉妹を産み、大神の「加護」を得た。

「かさね」「つなぎ」と名付けられた姉妹は、表向きには「亡き太郎右近の子」ということになってはいるが、真実は定かではない。

分家との確執(かくしつ)や特殊な家系ゆえの課題は山積みだったが、結論から言えば、次郎の采配(さいはい)は大上家を()()()()()()()


眞子も、伝七も、九曜も、仁左衛門も……そして晃一も、多くの痛みを目撃することにはなったのだが、それもまた、別の物語。




時は流れた。


晃一の身体はなかなか癒えず、床に()したまま動けない日も多くなった。

奇しくも、その姿は晃一がかつて再起不能にしたアランの父・アルフォンスによく似ていた。


何も出来ない。

身体はろくに動かないのに、意識は動いている。

次第に言葉を操るのも難しくなった。

苦痛に苛まれながら、目まぐるしく動く情勢をただただ見ていることしか出来ない……。


何度陽が沈み、何度昇っただろう。

もう、晃一が痛みを感じなくなった頃。

声が、聞こえた。


「晃一さん」


懐かしい声だった。

穏やかで、優しくて、どこか控えめな……


「ここに、いたんですね」


かつて。

男と、少女の恋は終わりを告げた。

……けれど──


「ただいま」

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