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有栖川煌斗

有栖川煌斗(ありすがわきらと)



この物語の主人公の名前である。


まずはこの人物の紹介から始めるのが妥当なのだろう。

ゆでたまごを食べるにはまず殻を剥かなくてはならない。ソフトウエアを使うにはインストールしなくてはならない。それと同じくすべての物語には登場人物の紹介という作業が必要になる。その中でも最重要とされる主人公の紹介というものをまず冒頭に―



唐突に―


前振りなく―


飾り聞けなく―


事務的に。


消化してしまおうと思う。




有栖川煌斗。

性別、男。

年齢、16歳。高校2年生。

成績、下の上。

運動神経、下の中。

ビジュアル、下の下。

視力が悪く、顔の半分以上を覆うような大きな黒ぶちの眼鏡を愛用している。

髪の毛はいつもボサボサ。

携帯電話のアドレス帳。登録1件。

友人、特になし。

以上。

…。


飾り気もなにもあったものではない。

今までの学校生活において、そのほぼ全てのステータスが最下層の域を脱する事のない、どこにでもいそうな生徒。

どこにでもいそうで、どこにもいない劣等生。

それがこの物語の主人公有栖川煌斗である。


…多分ね。






さて、さすがにこれだけでは有栖川煌斗という人間がただ能力の低いだけの、別段あげつらうべき事柄のない、おおよそ主人公らしからぬ人物だと誤解されてしまうかもしれないので、これからちゃんと補足していこう。

だからといって、実は異能の力が使えたり、幽霊が見えたり、彼の元に魔法使いが会いに来たりなんて事は残念ながら起こらない。彼の通う高校はそんな異色な性質をもっていたりはしない。

 ただ彼の中に異質な性質を見出すとするならばそれは、影の薄さだろうか。

 小中高を通して彼の認知度は極端に低い。

 友人がいないというのはなかなか彼の存在が周りに知られないことに起因している。

 そしてこれまた残念がら、影が薄いからといってそれをつかってスポーツで活躍したりなんて事はできない。(実証済み)

そんな残念だらけの主人公なのだが、今現在、この高校内に起きているセンセーショナルな事件の中心人物であったりするのが何を隠そう主人公の有栖川煌斗だったりするのだ。

ほらほら、事件の中心人物だなんていかにも主人公っぽいでしょう。



一つ問題があるとすれば、誰も彼が中心人物と気付いていないだけで―。

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