ブクマが怖い(なろう版まんじゅう怖い)
ブクマや評価欲しいって思ってた時に、饅頭こわいを思い出して、さらっと書きましたw( ´ ω`)
小説家になろうにて、投稿した作品について話し合う筆者たちが居た。
その中である時一人の男が言う。
「なぁ、皆。俺は毎日投稿が怖いよ。あの執筆に追われ、締切が近付く感覚と言ったら……ひゅう……」
その言葉に横の男も続け、
「オレは良く分からないアクセスが怖いぜ。PVが得体の知れない何かによって、一気に増加するんだぜ。UUは一向に増えないのに、恐ろしいや……」
と言う。
また別の男も、
「俺は感想が怖い。好評を見れば、次話へのプレッシャー。不評を見れば、へこむ。アドバイスを見れば、ネタ被り。おっそろしい……」
と言った。
それぞれの怖い物を上げられていった。
ふと、最初に怖い物を上げた男が、一言も喋らない男――マホロンに声をかけた。
「お前は何が怖いんだ?」
マホロンは躊躇いながらも、小さく声を出す。
「俺は……いや、やっぱりやめておく。きっと馬鹿だと笑われる……」
「そんな事はしねぇさ。俺たちの中だろ? 一人だって今までお前の話を聞いて、馬鹿だと笑ったやつが居たか? ほら、話してみろ」
男の答えに意を決して、マホロンが再び口を開く。
「俺は、ブクマが……怖い……」
「は? なんだって? もう一回、しっかり聞こえるように言ってみな」
「俺は、ブクマが怖い!」
「はぁ!? あんなもの、ブクマされただけで特に気にする必要もないし、ポイントも増えて嬉しいだけだろうが!」
「いや、見るだけで鼓動が早くなる! 特にブクマ0件から1件になる時なんざ、とても耐えきれねぇ! 増えたら増えたで、二桁になる時なんざ、心臓が口から飛び出そうだ!」
マホロンの言葉を聞いて大笑いする男たち。
大笑いをされて顔をかぁっと赤くして立ち上がるマホロン。
「やっぱり笑って馬鹿にしたじゃないか! 今日はもう帰らせてもらう!」
ズンズンと歩いて大笑いする男たちのいる家屋から出ていったマホロン。
それを見て大笑いする男たちは、いたずらを思い付く。
「今夜、アイツが寝てる隙にブクマを付けてやろうじゃないか。驚いたアイツの顔が楽しみだ!」
男たちはマホロンが就寝し、小説家になろうを見ていない時を見計らい、ブクマを付けて行きます。
男たちのブクマの影響で日間ランキングに乗り、それまで付いていなかったブクマが、どんどんと山積みにされていく。
何も知らないマホロンはすやすやと眠り続けていました。
そして、男たちはいつマホロンが起きて小説家になろうを確認して驚いても良いように、家の前で張り込みを続けます。
夜が明けて人が起き始める頃、マホロンの絶叫が響き渡った。
「おぉおおおお!? これは、これはなんてこったい!? ブクマ、ブクマがぁああ!? いっぱいあるぅううう!? 怖いいいいぃいい!?」
マホロンの絶叫に、夜通し張り込んだ男たちは笑い声を殺して、楽しげに聞き耳を立てる。
「で、でも作品を捨てるのも勿体ねぇしなぁ……続けるしかねぇか……うわぁ、怖っ、うれしい……いや、怖いなぁ。これは怖い」
次々と増えるブクマを眺めて、一つ、また一つと話数を執筆し続けていくマホロン。
「ひぃ~、怖いよー。ブクマ100、怖い〜。ブクマ1000、怖い〜。ブクマ5000なんて恐怖で震えるぅうう!?」
一通り執筆を終えて一息付くマホロンが一言つぶやく。
「はぁ~、怖かった……」
その様子を見ていた男たちは家に押し入り、声荒く言います。
「お前、本当はブクマ好きだろ! だいっきらいだ! ちくしょうめ!」
「いやいや、そんな事はないよ! あ~、でも今度は……評価が怖い……」