第ニ話 空飛ぶ車
「なっなんだと!」
俺は今、驚愕している。なぜなら、目の前にいや、真上に・・・
「空飛ぶ車だとッ」
警備の人と別れた後、俺は街をブラブラしていた。せっかく異世界に来たのだから、この世界特有の何かをしたかったので、探索をしていたわけだ。
「おっありゃご飯か?」
ちょうど、お腹が空いていたとこだ。にしても、この体でも腹は減るんだな。
「なんです? コレ」
「ん、これはね、サラマンダーの尻尾の丸焼きだよ」
サラマンダーってあの、ラノベとかにも良くでるドラゴンか。食えるの?
「貴重なんじゃ」
「尻尾は良く山に引っ掻けて落とすから、貴重じゃないよ」
山に引っ掻けるんだ。そんでもって落とすんだ。意外と、簡単なんだね。
「転生者だろ、君。ちと、安くするよ?」
おっバッチが役立った。
「じゃ一つください」
「あいよ~」
ゴールドが三枚減ったが、問題なし。なぜなら、残りがざっと百枚はあるからね!
「ハイどうぞ」
「あざっす」
異世界に来て、初の食事。自然と喉に来るぜ。
「いただきます・・・うまい! ものすんごく、柔らかいし、肉汁が口に広がるし、何より食感が良い! コレ最高っすよ!」
「ハッハ! なんたって、サラマンダーだからね」
すげぇ、これがサラマンダー
「あっそうだ、この近くで行った方が良いところってあります?」
「どこから来たの?」
「日本っす」
「ん~それなら・・・」
そんな訳で来たみたわけだが、すげぇ。車浮いとる~!
「転生者かな?」
ん? 誰だ?
「私、ここ ❰スカイロード❱ のスタッフです」
スタッフさんか。
「アレ、乗りたいですよね?」
そりゃもちろん!
「乗りたいです!」
「では、こちらへ」
空飛ぶ車に乗れるなんて、夢だな! 最高すぎる!
「あっあの、アレってどういう原理で浮いてるんですか?」
「おや、その前に、なぜ車があるかは聞かないんですか?」
む。確かに、なんであるんだ?
「どこの世界でも考えることは一緒ですよ」
「つまり?」
「世界が違えど、人が考えることは大抵一緒ってことです。この世界にも、漫画やアニメはありますし、なんなら、ゲームだってありますよ。ラノベと呼ばれるものは、外からですがね」
へぇ~あるんだ、この世界にも。読んでみたい、見てみたい、やってみたい!
「では、お乗りください」
話に夢中だったから、一瞬で着いたな。
「見た目は車、中は・・・うん。車だ」
「しっかり捕まってくださいね、浮きますよ~」
おお~浮いてる~
「 ❰浮遊魔法❱ を詰め込んだ ❰魔道具❱ で浮かせてるんです。操作に関しても、こちらのハンドルに似た ❰魔道具❱ で行います。では、空の旅へ~出発~」
結構、速いな! それに、全然揺れもしない。
「今は、このような形でしか、ありませんが、いつかは一般的にも普及したいですね。まっそのためには、時間と、研究と言った物が必要ですが」
コレをみんなが使えたら、そりゃ便利だし、楽しいし、何より、夢が広がるよな~
「・・・俺が居た世界にも、空飛ぶ車はできますかね?」
「・・・そう、ですね。私はそちらの世界に行ったことが無いから、分かりませんが。私たちの世界でもできることは、きっと、そちらの世界でもできますよ。何せ、考えることは一緒ですから」
そっか。そうだよな。考えることは一緒なんだ。時間と、研究さえあればきっと、いつかできる。
「今日は、ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございました」