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黒の空を彩る  作者: Alice
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10人目の思い出{side:オリヴィア}(当主中編後)

【オリヴィア】


わたくしはアスチルベ伯爵の公女、レディ・オリヴィア。伯爵家に生まれたわたくしにとって欲しいものは簡単に手に入り、したいことは何でもできることは当然のこと。

ですから当然、身の回りの縁だって恵まれたものでしたわ。一人娘のわたくしを心から愛してくださるお父様とお母様、幼少期から傍に居るレオ。仲良くしてくださる令嬢の方々もいましたの。

それにとある社交会で「一目惚れをした」とわたくしに婚約を申し込んできた殿方もいらっしゃって。彼は名をフーリと言う、そう、我が国の皇太子殿下ですわ。王族との婚約も決まっていて将来安泰。わたくしの人生はまさに順風満帆と言えますでしょう。


ですがそう簡単にはいきませんでしたの。


王妃になるからと王室からもあらゆる指導を受けましたわ。そんな10年。10年も彼と婚約していましたのよ。それなのに彼はわたくしに「運命を見つけたから婚約を解消しよう」などと申されたの。

婚前交渉はしない主義でしたから身綺麗とはいえ、わたくしの時間を10年も拘束したくせして、何が運命だと思いませんこと?

婚約破棄は気にはしませんわ。約束事を違えてもいいわ、かの聖人も裏切り者を許したので。

ですが。そう、1発くらいは許されますわよね?というわけでわたくしの拳は煌めきましたわ、「悔い改めよパーンチ!」って。常日頃から持つ十字架を握って殴り飛ばしてやりましたの。ふふ、あの時の吹き飛んでいくフーリ殿下の無様な顔ったら。面白くて仕方がないわ。


後悔はしておりませんのよ。いくら将来の王妃としての座を失っても、王族を殴ったことで私の公女としての地位が剥奪されても。だってあれだけわたくしに愛を語っておきながら、あんな平民に心を奪われるような男。此方から願い下げというべきでしょう?


貴族としての立場を失ったわたくしにも両親は甘いですから、家にいるようにと言ってくれましたわ。たった一人娘を失いたくなかったのでしょうね。ですがこれはわたくしの問題、それにお父様とお母様を巻き込むのは違うと思いますの。ですからレオと共に家を出まして。え?レオはわたくしのモノだもの、わたくしと出るのは当然。



……家を出て直ぐにリティの事件を聞きましたの。

リティはわたくしの友なのだから、困っているなら手を差し出すわ。とはいえ本人がいないことには手も貸せませんから、あちこちを回って彼女の住んでいる所を探しましたの。使用人を探していると聞いたのに一向に住んでる場所が見つからず苦労しましたのよ。

リティを見つけた時、こじんまりとした山奥の小屋なんかにいて。貴族が住むような場所には到底見えなかったわ。こんなところに居るくらいだもの、久々に会ったリティは初めてお会いした時のように顔に影が降りていて。わたくしが輝かせてあげなくては、と決意しましてよ。


「探しましたわ、リティ!貴女が働き手を探していると聞きましたの。このルルが貴女の為に働いてあげますわ!」


今は伯爵位を持ち合わせていませんが、わたくしはわたくし。オリヴィアが変わることなんてありえません。


ねえ、リティ。貴女がまた笑えるように手伝わせてくださいまし!

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