7人目の思い出{side:アシル}(当主中編後)
【アシル】
はじめて人を殺したのは両親だ。
物心ついた時から姉を傷つけ続けていた両親。殺さなければ俺たち姉弟が殺されていたかもしれない。
人をはじめて殺したが、不思議と不快感はなかった。
親がいなくなり、親戚に預けられる事となった。親戚が2人を引き取ってくれるとこがなく、姉とはバラバラで引き取られてしまった。
だが、1度人の殺しを覚えた子供を面倒みきれないと教会に預けられることとなった。そこで領主スコルドと出会った。
チェーロの戦闘部隊の見習いになるかと誘われた。教会は嫌い、だから見習いとして連れて行って欲しいと言った。
あの人は、学舎卒業と同等の学びをさせてくれた。戦う力をくれた。
俺はスコルド様を守るために努力した。
戦闘部隊に配備され、前編にではじめた頃だろうか。人を殺すのに快感を感じるようになっていた。散る赤も耳に刺す声も光を失う瞳も、すべてとても
綺麗だ
おじょー様とは俺が隊長になった時に出会った。
それまで何度か見たことはあったが共に戦闘に出ることはなかった。
初めて見た時は苦手だと思った。戦いに向かない華奢な体、小柄な体型、スコルド様とは似ても似つかない。足でまといになるのではと思った。
だが実際に一緒に戦ってみたら要領重視の戦い方で戦鬼とよく似ていた。違うのは、大刀をふるスコルド様と細い刀とクナイを持ち戦うおじょー様。体型の差から使う武器が違うだけだった。あの人の娘なのだと再確認した。
何度も共に戦いにつれて、主人としての威厳を感じていた。部下全員のことを考えている作戦、それを実行する能力。スコルド様が引退し、この人が当主になるのであればついて行きたいと思った。
あの最後の国境戦で、スコルド様におじょー様を預けられた時に考えた。
俺は人を殺すのが好きだ。
おじょー様が偶に見せる楽しそうな顔も好きだ。
だから近くで見守らせてもらおう。
この屋敷に姉さんがいるのは気がついていた。鈍感な姉だから姉さんは気がついてないのだろうが。
姉共々よろしく頼むよ。




