表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/39

第2話

「…………ここから先は?」

「なんか飽きた」

 書きかけの日記から俺に目を向けたミツルはあきれた顔をした。イガウコに来てからこれまでを綴った日記なわけだが、だんだん面倒になり、そのまま放っておいたのをこのギャルが見つけた次第だ。


「だんだん書く量が減っていったから嫌な予感はしたんだ」

「三日坊主は乗り越えたからいいんだよ」

「似たようなもんだろこんなの」


 日記を返された俺は腕を組む。

「しかしな」

「なんかの観察日記でも書けばいいだろ」

「観察日記、ねぇ」


 俺の視線に何を思ったのか、この自意識過剰は自分の体を隠すように腕を回した。

「アーシをエロい目で見るんじゃねえよ」

「冗談キツいわ」


 でもギャルの生態には興味があるな、学術的な意味で。

 縁側で足をぶらぶらさせた俺は、隣で日向ぼっこして横になってるロミーネを見る。

 そしたらば……



【改めて一日目】

 あれから数日たったが、改めて日記をつけていこうと思う。今日からロミーネを観察することにした。このごろはすっかり家に居着いており、観察するのが楽だったからだ。正直楽を選ぶならそもそも日記なんてやらなければいいのでは……そんなことを思いつつも綴っていく。


 ロミーネの朝は朝食により始まる。朝食の時間になると起きる。ちなみに朝飯は当初当番制ということだったが、今ではマオの料理修行の場である。[のざわな]で仕入れた材料の余剰(よじょう)で練習しているのだ。勤務中はウェイトレスが主だから、料理する機会は開店前か閉店後しかない。かといって[のざわな]の女主人にだって仕込みやら仕入れやらがある。自然、復習や予習は自宅で、ということになるわけだ。マオが[のざわな]で働くときは、夜は残り物を持って帰り、朝昼の分はここで作っておくのである。いくら失敗しようが作りすぎようが、最後はロミーネが全部食うのでちょうどよいのである。


 朝飯を食うとロミーネは家の中と外を一周した。どうやらパトロールをしているらしい。それが終わるとまた横になる。お腹いっぱいで眠くなったのかな。

 昼。マオの作り置いた飯を食うためロミーネは起きる。食ったらまた寝た。ちなみに俺はだいたい朝から晩まで古文書の解読作業である。ミツルはだいたい朝飯食ったらどっか行って、昼飯食いに戻って、食ったらまた晩までどっか行く。打ちっぱなしにでも行ってるんだろう。

 夜。マオが帰ってきたらロミーネも起きる。飯食ったら寝る。

 これがロミーネの一日のスケジュールである。


 …………。

 …………。

 …………うーん。

 まあ俺も人のことどうこう言える生き方しちゃいないが、こりゃすげえ。ほとんど寝てる。



【二日目】

 一日目と同じ。

 以下略。



【三日目】

 同じ。

 省略。



【四日目】

 以下同文。

 同時連載である「――――これは勇者が魔王を倒す物語(https://ncode.syosetu.com/n4271hd/)」を読むとより本作品が楽しめます。


 よろしければブックマーク・☆☆☆☆☆で応援していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ