後始末。
花梨とアカメの夫婦の話はもう少し続きます。
「どうでしたか?」
「全く理解してなかった。アカメのこと。」
あー疲れた。花梨はいつの間にか神獣という存在に慣れてしまったのだろう。周りがイエスマンだらけなのだ。勘違いもする。花梨はそれに早く気づいてアカメを開放してあげてほしい。
ハーレム自体が悪いわけではないのだ。ハーレムが大丈夫という人達で構成されればだが…。獣人は種を守るという観点から理解があると聞く。あと、魔人族や悪魔系の種族もだ。
「可哀想に…愛する人が自分を全く受け入れてくれないって辛くないのでしょうか?」
「辛くて悲しくてどうしようもなくて焦りだけで…こんなことになってしまったのかもね…。私が何とかするべきだったわ。そもそも…鬼人族にはハーレムは無理なのよ。私も無理だし。貴族としてなら嫌だけど受け入れるわ。相手と相手の子供とは絶対会わないけどね。里のほとんどが一夫一妻制だったし…。何とか振り向いて貰おうと頑張って従っちゃったのね、きっと。」
「なるほど…確かに僕も無理ですね…。ですが、後継ができなかった場合は受け入れると思います。貴族としてです。で?カリン兄上は?」
「そう。後継ができなかったらでしょ?花梨の場合は後継がもういるんだもん。ムリムリムリ。でも、花梨はアカメを説得できると思ってる。何だかんだで誠実で自分を一番だと言ってくれるアカメが気に入ってるのよ。まぁ、アカメも自分で気づかなきゃね。お互い無理なんだって。ハーレムの要員に必要なのは寛容さや博愛であって誠実さではないと思うもの。アカメに強制しない様に釘は指したわ。」
「お疲れ様でした。鬼人族からは慰謝料等は要らないそうです。ただ、アカメの意向に添ってほしいとのこと。出来れば二人もとは無理でも鬼神族の孫娘の親権は里に譲ってほしいそうです。里長夫婦が今少し見守りたいとのこと。」
「そうですね。そちらの方が助かります。私は嫉妬深いので、神獣であろうとも、他の雌が自分の伴侶の子供を産んでいるのはおもしろくありません。目の届かない場所で育ってほしいです。」
銀狐の麗人は全然、忍ばず、はっきり割り込んできた。
「「はぁ?」」
「勝手に口を挟んでしまい申し訳ありません。ですが自分の伴侶となる男の話となれば我慢できませんでした。」
えっと…この銀狐さんは私の護衛で近衛隊長さんです。カンナさんと言います。近衛隊長は普通国王を護るのでは?という疑問解ります。私もそう言ったけど~自分以外の全ての近衛を国王に付けて貰ってよいから私の護衛は自分で!と返された。何で私の護衛は一癖あるのかな?
「伴侶?」
「はい。」
「カンナはアカメとそういう関係だったのですか?知りませんでした。何時から?」
ポトスは驚いて質問している。
「まだです。神獣様の婿にアプローチなどできませんよ。ですが、手合わせした時に決めました。絶対に落とす。伴侶とし、絶対に離さないと。自分の物にならないなら呪うしかないかなぁ~と思っていたのですが、そうならずに頑張ってアプローチするだけで良さそうなので安心しました。」
「呪う…?」
ポトスくん!ボソッと呟かない。突っ込んではいけないのよ!私はスルーします。
「絶対に離さない?」
「はい。私は彼だけですし、彼も私だけです。ずっと。獣人も色々いましてね。狐や狼は嫉妬深いのですよ。私は一生独身だと思っていたのですが…彼のせいで覆されました。責任はとってもらいませんと。」
「クスクス。いいわ。そこまで言うなら落としてみなさい。落とした暁には諸々の手続きや交渉は私が引き受けましょう。絶対に結婚させてあげます。ただし、強制しないこと。アカメの精神はギリギリなの。慎重にね。期限は設けないわ。」
「ありがとうございます。大丈夫です。3ヶ月ほど山にこもって訓練すれば打ち解けます。アカメにも一度離れるということが必要ではないでしょうか?行って来ても?」
「え?私の護衛は?」
「えっ?陛下に護衛ってそもそもいります?ハギ様もいらっしゃいますよ?ハギ様とは修行仲間なのですが、物凄く楽しいです!物理が全く効かないのです!強いのですよ?カウンターをもう少しで習得するところなのです!私はハギ様のバディとして護衛を隠れ蓑に自由に動けるようにとここを希望しました。」
マジかよ。そんな思惑があるなんて知らなかったよ!
「…。3ヶ月は花梨に時間あげたから待って。その後だったら良いよ。」
「ハギも行く!!ハギも訓練したい!つぐみの護衛はミニが要るから大丈夫!その方がアカメも誘いやすいよ?二人っきりだと警戒されるよ?」
「よい考えですね!ハギ様と一緒に行きましょう。どの山にするか後で話しましょうね。」
「うん!ポトス~また強くなってくるね!マッピングのお土産楽しみにしてて~。」
「はい。フィールドワークの情報は何時も助かっております。山の提供なら私が致しましょう。候補がいくつかございます。今回は隊長だけでなく、総長もならば危険なんて関係ございませんね~。氷に阻まれて入れない山があるのですよ~ありがたいことです。」
楽しそうだね。君たち。
萩ちゃんや君は何になりたいの?読書は??引きこもりさんではなかったの?
アカメファイトー!
いつか幸せになれるから!
がんばれー!