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はぁ? 完結!  作者: 千桜
第二章 カルミア国編
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騎士団の1日

予告どおり別視点です。


今回は長めです。


今までで最長かもしれません…。


最後まで読んで下さると嬉しいです!

パッパッラパラパラパー


「起床時間だ!!起きろ。朝練に遅れるぞ。」


バタンバタバタバタ。ドン。「いてーー。」


いつもの騎士団の風景である。

朝5時起床し、まずは素振りと軽いランニングで筋肉を目覚めさせる。総隊長含めて団長勢揃いの全員で取り組む。

訓練場は全員が並んで素振りができる広さだ。この広さを確保するのに宰相や王太后様とかなり揉めたらしい。近衛隊に稽古をつけないし、警護に口を出さないということを条件に許可が下りたそうだ。


俺達騎士団の掛け声は…

「俺達は強い。」

「俺達は負けない。」

「俺達は折れない。」

「俺達は種族を越える。」だ。


これを素振りをする時、走る時にも唱えている。

だからかものすごい結束力が高く、依然あった異種族への偏見や差別は全くない組織となった。そんなことに費やす時間がないのだ。強くなるために…。


「アカメ総長の素振りの時の覇気が違ったぜー。」


「だよな。元気が戻られて良かったよ。あんなことがあって…思い詰めているようだったもんな。」


「ゆっくりしてると朝めし食いそびれるぞ!!」


「うぉ。そうだったぁー。」


朝練後汗を流したら、食堂へ。

7時から朝食だ。ここの飯は上手いし量も十分。部屋も四人部屋が普通で一人ずつにベッドがあり、個人のスペースもある。階級が上がれば2人部屋、団長クラスになると一人部屋だ。金がない平民や家が継げない三男四男が結構入団してくる。

まだ、そう数が増えていないからと役職は少ないが、多くなれば副団長や小隊長などの役職も増やすと言われている。だから頑張っていれば昇給も夢ではないということだ。しかも、実力主義!!練習にも身が入る。

休日の人間とはここで別れる。え?朝練は仕事じゃないよ。当たり前だよ。


8時半から班に別れてミーティングを行い、城内の巡回や外回り、宮中警護の任務の確認を行う。


今日の俺の場合は9時から就業だ。各自任務につく。3時間交替で俺達は12時まで。1時間昼食を兼ねた休憩をはさみ、交替し3時間任務につく。6時になったら夜勤への引き継ぎを行い、6時半には終了。各チームがシフト制で穴がないように組んである。

このシフト制の導入でも揉めていた。


「休日や休憩など要らない。軟弱になる。」


という騎士団総長と、


「休みは絶対必要。怪我や病気になるような働き方は命を縮める。お前達は自分も守れないのに誰を護るつもりだ?」


という王太后様で揉めたらしいがこればかりは王太后様が正しかった為、シフト制が導入された。

私達騎士団が護衛するのはほとんどが王城の守りだ。大体が外回りだったりする。王宮になると2階まで。

それ以上は客室だったり幹部や側近達の執務室や王族の執務室と国王陛下の住みかにあたるため近衛が守っている。

王太后様の宮は別にある。王城は広いのだ。

ただ、ここでも揉めたらしい。

王太后様の護衛は何時も総長が隠匿を使ってされていたらしい。


「それを止めて騎士団の任務に集中しろ。」


という宰相さまに対して


「王太后様の護衛はどうするのだ」


と総長はごねたらしい。


「警護に口を挟まない約束では?王太后様は女性だ。そもそも男性の護衛騎士が四六時中隠匿で張り付くのが間違いだ。以前は危険があったため仕方なかったが、その様な緊急的な危険は去ったし、ちゃんと隠匿せずとも張り付ける近衛をつけるから大丈夫だ。」


と説明されたそうだ。納得の説明だろう。否が言えない筈だが…何を考えたのか総長は…


「自分は魔王様からも王太后様を護衛を命じられている!」


と反論。だが、魔王様に直ぐに確認され、


「えっ?いまだに隠匿して張り付いてたの?むしろ迷惑だから止めなさい。神子の命を優先しろと命じたのであって四六時中張り付け。何て言っていない。お前は婿に行ったのだから行った先の指示に従わなくてどうする。しっかりしろ。」


だったそうな。


「じゃあ近衛の力を確認させろ。俺より弱いやつは認めん」


宰相がキレた。訓練場の整地取り消しに判を押されそうになったそうだ。

だが、ここまで来ると近衛隊が黙ってはいなかった。そりゃそうだ。俺達だって腹が立つ。

もう少しで整地完了の訓練場に近衛隊長が表れたのだ。9本の尻尾の狐の獣人。しかも銀狐だった。獣人の騎士団員達が息を飲んだのがわかった。かなり珍しく、めちゃくちゃ強いらしい。珍しいのは銀狐だからだけでなく魔力が豊富だということ。獣人は基本魔力が少ないからだ。

それからの数分間は言葉にできない位のバトルだった。ほぼ互角。だが、剣技に関しては総長が一歩上だった。勝負あり。勝ったのは総長だった。

だが…総長は怒った!


「何故魔法を使わなかったのかと。」


相手は

「使っていたさ、身体強化にな。真向勝負だ。使わなくても勝てると思っていたのに…」


と悔しそうだった。

さすがの総長も近衛隊長を認めるしかなかった。

訓練場に現れた一人の女性と美しい獣…あれは白虎だ。物語の中でしか観たことがなかった生き物。それを従えているのだから間違いなく王太后陛下だ。

全ての者達が跪く。


「アカメ気が済みましたか?」


「はい。近衛隊長の実力を認めます。」


「よろしい。ではこれよりアカメの罰を言い渡します。」


「神子としてカリンと子供達への面会を禁じます。期限は…」


「そんな!?私の家族だ。何故貴方に決められなくてはならない。」


「アカメ落ち着きなさい。カリン?」


「アカメ、お前何を勘違いしているのだ?お前は自分の里の次期長かもそれないがそれは鬼人族の話だ。だが、私達一族の長は間違いなく神子だ。お前は婿だ、一族の者の処遇は神子が決める。私は以前は言ったな、神子の事を優先できないのならば、子供共々一族郎党滅ぼすと。そちらを希望するのか?」


「っ…申し訳ありません。一族の長の決定に不服をのべる等もってのほかです。面会禁止甘んじて受けます。」


「はぁ…国王陛下よりの沙汰です。総長は半年間の減俸。その間に訓練場が完成しても騎士団の使用は禁じます。上司の暴走を止めるのも貴方達の仕事でした。今回の事件が起きた原因と対策をレポート3枚にまとめて全員に提出を命じます。不出来なものは再提出させるとのことです。それとアカメの様子を見て決めました。面会禁止は無期限とします。花梨は後で執務室に。」


「御意。」


あの期間は地獄だった。思うように訓練出来ないばかりかレポートの再々提出。頭が爆発するかと思った。総長は自分を見つめ直すため部屋で謹慎していた。


夕食は9時までに食堂が完全に閉まる迄に各自済ませる事になっている。夜勤組には軽食が用意されている。昼勤でも軽食程度で済ます。あまり食べると体が重たくなるし、眠くなるのだ。俺達は常にどの瞬間でも全力を出せるようになっていなければならない。騎士の基本だ。


夕食後は基本自由だが自主訓練するものが殆どだ。朝練に参加できなかった者達が嘆く事から夕練なるものができた。これは打ち合いや木刀による模擬戦や先輩が後輩に指導したり、メニューは様々だ。

これにも総長を始め団長達全員が参加される。これが物凄く盛り上がるのだ。何故なら総長と模擬戦できるかもしれないし、稽古をつけてもらえるかもしれないからだ。


「お前達、弱点を恥ずかしいと思う必要はない。仲間同士で補い合えばいいんだ。1人で強いことは理想だが、折角集団なんだ。皆で強くなろう。私も最近気づいたことなんだがな。」

今日の総長は優しいが…目の輝きはそのままだ。強さを求めては要るが…ガムシャラじゃない。この人に何があったんだ。なにかが変わった気がする。


「「「はい!」」」


皆が一つになり、燃え上がった。その時…


「アカメ夕飯を一緒にどうだ?」


「迎えに来てくれたのか!?嬉しいないいぞ!ちょっと待っててくれ。少しだけだから~。」

ダッシュで執務室に戻る総長…


そこに現れたのは誰でしょうか?

アカメよ…。彼は今混乱しまくっておりますが、


次回説明と花梨にはお話があります。


ちゃんとアカメにも花梨にも納得?がいく終わりとなるようにがんばります!

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