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はぁ? 完結!  作者: 千桜
第二章 カルミア国編
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淑女とは?

ポトスくんのことがやっと落ち着きました!


今回はボトスくんを育てた方とのお話し合いです。

「カラー座って。」


ここは私の執務室だ。既に人払いは住んでいる。


「はい。」


私はこの人から家族を丸ごと奪った人物となった。愛する旦那さまや嫡男さえも…。恨まれても仕方ない。私がしてきたことは後悔はしていないが、この人はその中で一番割りを喰ってしまった。カラーに罪は無いのに…。


「ユーカリとポトスとは話せたか?」


「いえ。既に彼らは当家の人間ではありませんので。必要ありません。」


バッサリと来たな。


「本心か?」


「本心とは?」


そのんなものになんの意味が有るのか?という目で見られた。確かに…カラーが怒り、泣き叫んだとしても彼らは戻ってこない。カラーの意思は無かった。彼等も求めなかったのだから。


「そうだな。意味がないな。だが、カラーは大丈夫なのか?依然あった仲の良かった家族はバラバラだろ?私が現れてからだ。ユーカリは神の意向もあるから仕方ないにしても、ポトスは私の意思もあるぞ?」


私は挑発するようにカラーに話しかけた。カラーにもガス抜きが必要だと思ったからだ。理不尽を飲み込み続ければいつか爆発する。マトが必要だ。その相手がプルメリアになられては困ると言う打算もある。

陛下の乳母が精神的に不安定など有ってはならないのだ。私も大概だな。

だが、私は現在国のトップだ。非道でなくてはならない。優しいだけでは国は納められない。

だが、カラーの顔色は変わること無く。だからなに?的な表情だった。


「そうですわね。ですが、仲が良くても命がなければ家族ですら居られなくなりますが…バラバラの何が悪いのでしょう?失礼ですが、陛下は私から何をお聞きになりたいのですか?」


怖い。これ本心に見える…。


「カラーは私が憎くないのか?ユーカリは教皇となり、そなたの夫ですら無くなった。ポトスは嫡男だったのに、アルメリアから切り離した。息子と呼ぶこともできないだろう?領地からも離れ、生んだばかりの我が子を育てるのではなく、私の子に母としての愛情全てを捧げなくてはならないだろう。」


私ならば、無理だ。絶対に怒る。飲み込めないだろう。


「何故、陛下を憎まなければならないのでしょ?その程度のこと貴族ならば当たり前のことでは?今まで婚約者だった人が一晩で別の人に変わることは当たり前ですし、次の日に夫が自分の子だと別の女性に生ませた子を会わせることなど普通ですわ。私の達淑女はどんな時でも淑女で無くてはなりません。常時、非常時関係ございません。私の元夫も前嫡男も生きており、プルメリア領は平定しており、プルメリア家は栄えており、皆、貴族として職務を全うしております。私は乳母と任命された時、子等には説明しました。これからはそなたらの母では居られないと。私の子はプルメリア国王陛下のみとなったと。」


絶句してしまった。この人は…。

未知の人だ。私はこんな考え知らないし、知りたくなかった…。

だが、これが貴族。

この人が淑女なのだと。背筋が凍った。

日本の教育にはない、平等とは?人権とは?民主主義とは?自由とは?全てを覆す物。


「そうか…私の問いは…侮辱だったな。すまない。カラー、私は貴族に初めて会った。貴方は真の淑女だ。私など、眉唾だ。貴族を模倣しただけのものだ。貴方に敬意を評したい。」


私はソファから立ち上がり、彼女にカテーシーをした。


「身に余る光栄です。」


カラーも立ち上がり、胸に手を当てカテーシーを返してくれた。


「貴方がプルメリアの乳母で良かった。これからもよろしく頼みます。早く、侍女長になって欲しいくらいだ。私にも貴族を教えて欲しいよ。」


私などまだまだだな。思い知らされた。


「くすくす。プルメリア様の乳母はまだ、卒業できそうにありませんわ。陛下には教育係の方がいらっしゃいませんでしたか?」


「あ!」


いたな!ザマス夫人だ!名前…カンパニュラ夫人だ!


「カンパニュラ夫人だったな。」


「まぁ!私の師匠様ですわ。素晴らしい方に師事されていたのですね。確か…旧王家に使えていた自分は相応しくないと、王宮を辞されたと聞きましたが…呼び戻されては?」


「カラーは姉弟子だったのか…。」


なんか納得。あのジークに楯突く夫人だったからな!バタバタしてて王宮を辞したなんて知らなかった…そんな人材が流失していたとは…カルミアの損失だー!!


「陛下、私達のような以前の貴族の考え全てが良いとは言えません。新しいが悪いとも思いませんわ。ただ、貴族とは民に奉仕し、国に使えるものであることは新旧関係ないと思いますの。その中でなら自由な発想も、恋も権利もあって良いと思います。その中でならです。」


「ああ。そうだな。カラーは国母にすらなれた人だな。」


カラー君みたいな人が国母にならなきゃならないんでは…。


「ええ。以前、恥ずかしながらペンタスの国王陛下からアプローチを受けたことがございます。丁寧にお話ししてご辞退しました。若かったですわ~。」


「丁寧??」


「うふふ。気持ち悪かったんですの。」


すっすごそう…。カラーの丁寧ってープライドなど図たぼろになるんじゃー。


「これから、プルメリア等の貴族が通う学校にテコ入れするつもりだ。竜王も通われるからな。カンパニュラ夫人を呼び戻したから3人で話さないか?相談に乗ってくれ。」


「御意。」


次はいよいよ、内政が進みます!

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