見合い本番だ!
体調には気をつけて、くれぐれも気を付けてお過ごしください。
「初めまして。スミレ=フォン=アジュガと申します。今日はよろしくお願いします。」
「初めまして。ポトス=フォン=ノースポールです。こちらこそよろしくお願いします。」
「ーーーーー。」
こちらは見合い会場におります。レポーターのつぐみです。ものすごい緊張感の中でお送りしております。2人の印象を聞いてみたいと思います。
「ポトスさん、こちらのお相手…」
「座れ。」
「はい。済みませんでした。沈黙に耐えられませんでした。ごめんなさい。」
めっちゃくちゃ睨まれました。ポトスくんはしっかり成長しているようです。
「ふふふ。くすくす。王太后様は面白い方だと聞いておりましたが。本当の様ですね。ポトス様とも仲良しの様ですし、安心いたしました。付添人はご両親が多いですけど…私も父ですし…ポトス様は初代であらせられるから王太后様が付き添われたのですか?」
「はい。宰相補佐のユッカが行くと言っていたのですがどうしても気になって…私が…迷惑でしたよね。」
「別に迷惑じゃありません。私が決めたことですから貴方は気にしないでいいのです。でも、大人しくしていて下さい。」
「はい。」
ポトスが厳しいでごじゃる。
「そうですわ。迷惑だなんて仰らないで下さい。
王太后様に会えてとても幸運でしたわ。中々お会いできない方に会えたのですもの。
ポトス様、私との見合いを受けてくださりありがとうございます。少し心配だったのです。宰相であるポトス様の評判は冷静沈着ですもの…。
ですが、ポトス様が愛されている事が良く解りました。私の憂いはなくなりましたわ。
後はポトス様にお任せ致します。」
潔い人だなぉ。まぁポトスの人柄を知れば大丈夫だとは思っていた。流石のスカウト力ですよ。花梨さん、桔梗さん。
「ありがとうございます。私はあまり、隠し事をしたくありません。長く心にを思っていた方がいたのですが、私はノースポールという家名と領地を任されています。初代ですから必ず子がいる。政略結婚しかないなと…失礼にもそう思っていました。
そして、先日失恋しました。気持ち的にはとてもすっきりしています。その方は幸せそうな顔を別の方に向けていました。初めてみた。私ではダメだったのが、はっきり解ったのです。
それもそうです。私はその方を一番には選べなかった。私には大切なものが他にも沢山あったからです。その選択を今でも後悔していません。
貴方は私が他人から愛されている人だと言ってくれました。確かに私には愛する人達が沢山います。貴方を一番には思えない…努力はしますし、愛する人と比べることはしません。
ですが、この人さえいればみたいな愛は私にはできません。というかしたくない。それでも良いですか?」
「ポトス様はとても誠実で優しい人なのですね。
私にも大切な家族がいます。母を幼い頃になくし男手一つで私や弟妹を育ててくれた父です。弟妹は双子なのですよ。とても可愛いのです。
弟は今度獣人国に農業の勉強のための、留学が決まりました。ずっと行きたがっていたのです。農業は生きる根幹だと張り切っております。宰相様の働きかけのお陰です。今度会って下さりませ。
妹は体が弱かったのですが、流通が良くなり魔国を通してエルフの薬を手に入れることが出来るようになりました。とても安価で!!今ではお庭を散策できるまで回復しているのですよ?王太后様のお陰です。
父はこの国が再生されていく所を目の当たりにし、とても感激しておりました。私達一族は感謝しております。だからこの見合いも進んで来たのです。
私が国の為に出来ることがあるのだと解ったからですわ。このカルミア国のため、ノースポール家の奥向きはこの私にお任せ下さりませ。ポトス様を愛するもののために働ける様に整え、背中を護りますわ。
それともう一つ、あなた様の愛は間違っていません。そんな寂しい事を仰らないで。」
涙がでた。とても嬉しかった。自信が持てなかった自分。その背中を護ると言ってくれた。この女性を私の家族にしたいと思った。私の愛するものの一人にしたいと。私は跪いて請うた。
「スミレ=フォン=アジュカ嬢。私、ポトス=フォン=ノースポールは貴方を私の家族に迎え入れたい。貴方を愛するものにしたいのです。私と結婚して下さい。」
「はい。喜んで!!」
2人は手を取り合って喜んだ。
残りの二人…王太后とスミレの父アジュガ卿の心は同じであった。
「私達いる?」
愛は人それぞれですよね。




