サイド魔国
予告通り、ブルー視点です。
「お帰りなさいませ。陛下。戴冠式はどうでしたか?」
「今戻った。無事に済んだ。やっと人族の国も落ち着いたな。代わりないか?」
帰ってきたくは無かったがな。鶫の側に出きるならずっと居たいが…。今は仕方ない。どちらも国を背負う身だ。
「それはようございました。特に代わりはありませぬが…」
「どうした?」
「エルフ国から再三連絡が来ております。」
「はぁ…またか。」
あいつらも大概だな。諦めるということを知らないのか?
「いって聞くタイプじゃないでしょう。で?プロポーズはしてこられたのですか?」
こいつはこいつで…出きるわけ無いだろうが!今、プロポーズしても断られるのが目に見えてる!鶫は恋愛よりも国や我が子を取るだろう。自分の国でも無いのにな…。
「するわけないだろう?まだ、五歳の娘の戴冠式だぞ。断られるに決まっているではないか!」
「しかし…それでは何時までも陛下の後継者が出来ないではないですか!彼女なのでしょ?貴方の半身は。」
「あぁ。だが、家族からはオッケイを貰ってきた。俺が婿になる前提だがな。義父にも挨拶してきた。」
そう。初めて会った時にわかった。彼女はやっと現れた自分の半身だと。喜びと同時に叫びたかった「何故だ!」とな。他の男の子供を宿していたから…。今となっては宿していて良かったと思う。でなければ殺していただろう。ジークを。
「魔王陛下をですか!?」
「ついでにあいつの義弟は竜王の番だ。竜王にも結納品を贈るって言ってたぞ?」
「はぁ!?竜王様までですか?恐ろしや神の一族。婿はハンパなく強くないとダメなのですかね?」
「冗談抜きで…そのつもりだろうな。神は俺たちに守らせたいんだろう。自分の孫を。損なえば神業は秤知れんぞ。」
俺は待った。力ずくで得ようとすれば、きっとできただろう。それでは彼女は笑ってくれない。魂を預けはくれないだろう。目をみれば解ったから…。彼女の力になった。見返りなく頼ってくれる存在になれるよう努力した。甘やかしたし…甘えてくれるようになった。私の可愛い半身。後一歩だ。
「絶対逃さないで下さいね。彼女が頑張ってくれたからやっと周りの環境が安定して魔素も循環するようになったんですから。ドラゴン国も彼女が介入したなら環境がグッと代わり、魔素も安定するでしょう。」
「最初はぶつぶつ言っていたくせに~。あっ!アカメやっぱり無理みたいだぞ。」
「それはそれ。能力が高いだけの女性だったらごまんと居ます。ですが、魔素を安定させる女性は神子様だけです。その価値をどれだけの者達が理解しているのでしょうねぇ。やっぱりダメかぁ…。アカメお気の毒に。そうなると神子様一族との関係は陛下に託されましたな。」
そう。彼女は魔力を取り込んで消費してくれるのだ。本来ならば強い種族のドラゴンやエルフ、魔族の役目だが、魔力を大量に消費できるはずのドラゴンやエルフは引きこもりなため、魔力を使うことをしなくなった。俺たち魔族だけでは世界の魔力を消費するとができない。
結果変な魔素だまりができ、不安定になっていたのだ。
もう1つ本来の神子の価値はそこにある。彼女すら知らない能力。あのギデオンですら出来ない。異世界から来た身体だからこその能力だ。
四獣は気付いているようだが…。本人の危険を考えて伝えてはいないようだった。四獣の主は鶫だ。たとえ敵が神であったとしても牙を剥くだろう。だからこそ安心して側を離れられる。
「はいはい。で?ジークは?」
一瞬で顔が曇る。
「昨日はずっと眠ったままでなにも食べていません。何度か声をかけたのですが…今日は何とかお昼には起きてスープを食べられた様です。眠っている時間が長くなりつつあります。」
最初は世話を嫌がっていたコイツもジークの人柄か生来心根が優しい者だったのだろう。今は絆されて。心配までするようになった。
「そうか。これをみれば元気になるだろう。」
「ぜひ。もう、彼は許されても良いと思うのです。家族を思うくらいは。」
「そうだな。行こう。」
ジークが…。悲しい。
次回は本編に戻ります!




