戴冠式 前夜 3
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ありがとうございます!
「さすが神子だな。容赦がない。これ、成人しているように見えるがまだ幼い。幼体ではないか?」
「はあ??」
「ドラゴン族の寿命は世界一だ。エルフより長い。数千年生きるものさえいると聞く、その中でもこやつ500歳位と見えるな。まだ、ひよっこであろう?」
「何でそんなのが竜王なのよ?長生きなら他にいるでしょ。成人しているのが!」
「興味がないからではないか?番が一番なのであろう?なら、誰もやりたがらぬであろう。皆あの馬鹿と同じ者ばかりなのではないか?その中であいつが一番強かったから竜王なだけであろう。」
「まじ?」
「マジだ。」
「ダメじゃん。」
「ダメなのは王族だけだ。後は割りと普通だし、番が現れない者も多いと聞く。じゃないと国が成り立たん。民として生きた方が楽じゃないか?」
「確かに…。でも…番狂いなのは王族だけ?次代は竜王のみってこと?」
ガチャ
「その通りです。お召しにより参りました。即位以来ですね。竜王カタクリ殿。」
「うっうー。う?教皇ユーカリ?」
まだ泣いてたのか。
「ここからは私がご説明致します。ドラゴン国に対して神からは国事態の考えを変えなければ次代が産まれないようにすることと、番事態を失くす神業が行われています。なので王族に子供が産まれないだけでなく、王族や国民に番事態がいない状態が続いています。私は再三ドラゴン国の教会を改革し、教会を通じて教えを広めていますし、王族にも通告しています。ドラゴン族が上位ではないと、神が頂点であり、ドラゴン族が強いのは上位だからではない、弱いものを天変地異から救うためであると。調停者として力を与えていたに過ぎないそうです。それに胡座をかき、優位と思い込み、唯番に狂うだけとは…要らなくない?と思っているそうです。」
「なっ!確かにユーカリからは最後のチャンスです。世界に目を向け自分を見詰めなおしなさい。王族とは何なのか。何を成すべきなのか。自分には何故番がいないのか…。前竜王は何故あんなことになったのか。真実を聞き、自分の目で見て確かめなさいとは言われた。だから、自分で、叔父上に会いに言ったし、側近達に話を聞いたし、この戴冠式にも反対されたが参列しに来たのだ…。世界を知らねばと思って…。済まなかった。私は意見を聞く側を間違えたのだな。失礼してしまいました。取り乱してしまい…すみません。」
やっとスタートか。
「自分の足で歩き、見聞きすることは悪いことではない。むしろ幼いながらも感心する。だが、相手も嘘をつくし、事実とは一つではない。人によって違うのだ。そなたの叔父上には話したことが真実だったのであろう。間違いだらけのな。だから、あの扱いなのだ。救いのない一人の人生が長く続く。そなたはこちら側の真実を知ったな。で?どうする?」
「ユーカリと共に国に戻り、民に真実を公表します。現在の王族は国に残っても良いが、王族の身分を剥奪し、民となって夫婦のあり方を学んで貰いたいと思います。僕は誓います。番狂いになど絶対にならないと。王であることを忘れたり致しません。神子様、魔王様僕に王とは何か教えてください。今までドラゴン国には王がいなかったのです。一度国に戻り、体裁を整えて参りますので留学させてください。」
「神子、我が国は今はちと忙しい。私が教えに出向くからお願いできないか?ユーカリもここの方が通いやすいだろうし、プルメリアの良い競い相手となるのではないか?。」
「竜王様の留学お受け致します。側近達もお連れくださいませ。磨き上げてあげましょう。プルメリアのご学友となることは許可致しますが…嫁にはやらぬから惚れるなよ!?」
「おい!大人げないぞ。」
「誠か!?留学を受けてくださり。感謝する。心配せずとも私は幼体だ。ご息女に不埒な真似はできぬ。学友とは楽しみだぁ。」
カタクリ君はピュアです。眩しいです。
連続投稿です!
次回は短めです!




