戴冠式 前夜2
やっと名付けの作業が終わりかな??
ホットしておりますー。
やっとカルミアらしくなってきたかなー。
王者の風格とはこの事をいうのだろう。ブルーにもグランダルにも有るが…それとはまったく違う。孤高の絶対的な王者と言う感じだ。しかも、私を警戒しているのか、ちょっと臨戦態勢だ。竜王としてどうなの?こいつの教育大丈夫?招待客がホストに喧嘩売ってることになるんだけど…。
はぁー。
「お初にお目にかかります。竜王様。この度のご臨席ありがとうございます。私が王女の母アビゲイル=カルミアです。」
「お前が神子か?私がドラゴン国の竜王カチャクリ=モンステラた。違う。もう一回だ。私がドラゴン国竜王カタクリ=モンステラだ。人族になど下げる頭はないが仲良くしてくれると嬉しい。違う、丁重に持て成せ。」
誰だよ!王者の風格とか言ったやつ…。私だ。何だろう。この残念な感じ懐かしいなぁ。一生懸命威張れと言われたんだろうなぁ。可哀想に…。
「陛下?そんなに威嚇せずとも大丈夫です。人族が貴方の同胞にしてきたこと。申し訳なく思っております。既に裁きは済んでおりますし、同じ悲劇がおこらぬ様に例の魔法は禁術に指定しております。賠償をと仰るならば、こちらも準備はできております。」
そう、あれから何も言って来なかったのはそっちの方だ。
「ならば何故。番に迄手を出したのだ。叔父上は今も手がつけられない状態なのだ。前竜王なのに…。」
「それとこれとは話が別です。このような場所で話すことではありませんね。場所を移しましょう。竜王様。到着したばかりでお疲れとは思いますが、応接室にご案内致します。」
これ…全然解ってないじゃん。ドラゴン国の教会何してんの?私はリンドウに話しかける。
「魔王様にも声掛けを。立ち会って貰いたいと。」
「畏まりました。」
現在、応接室には私、ポトス、リンドウに代わりセバス、ブルー、アカメ、竜王に竜王側の側近達だ。
「別ではない。我々にとって番は一番だ。代わりが効かない。叔父上は変わってしまわれた。ずっと泣き叫んで要るのだ。見ていられぬ。」
「生きてさえいれば番本人がどうであろうとも構わないと仰いますか?ずっと泣き叫んでいると仰いましたが、高々5年ですよね?亡くなったエルフが数百年ずっと泣き叫んでいたのは御存じですか?心が壊れる位に。心が壊れていても番の側にいれば癒せると本気でお思いですか?全てを奪い自分以外を排除した生活など、隷属とどう違うのです?しかも、彼は竜王でした。王なのです。番を誘拐同然に両親から離し、番に現を抜かして国を出て他国に捕まり、王であることを放棄したばかりか、今も国に迷惑をかけているのに死すら選ばぬ腰抜けではありませんか?」
「なっ!そのような話しは聞いておらぬ。叔父上がそんな…番に対してそんなことをしていたとは…だが…そなた我々ドラゴン族を愚弄するのか!?」
「はい。貴方は何を勘違いしているのか知りませんが、国同士とは対等なのです。上下など存在しません。王同士で親愛や尊敬の念が芽生えることはあっても身分に差はないのです。だから、ドラゴン国竜王が持て成しを人族の国に上から求めること事態間違っていますし、人族が国を豊かにするために前竜王を嵌めたとしても褒められることではないにしても策略として間違ってはいません。事実人族国はそれで他国からの侵略を防げていました。自国の利益の為に策略を張り巡らせるのはどの国でもやることです。貴方は何を持って自分達は上位だと思っているのですか?」
ブルーも頷いている。どうやらブルーも思うところがあったのだろう。
「我々は強い!!誰にも負けぬ。魔王やエルフの王でさえもな。」
チラリと魔王様の方を竜王が見ている。
「人族の罠に簡単に嵌まり数百年も成す術がなかったのに?」
「それは…人族が卑怯ものだからだ。我々の際ではない。うっうわーーん。」
「竜王様泣いてはなりません。貴方は王なのですよ!」
「このような卑怯者の話しなど聞く必要はありません。」
何か側近達が慰めているが…。
「泣いちゃった。これ本当に竜王なの?ユーカリ呼んできて。」
ジークのような人が中々見つかりません。
ジークロスが続いております。




