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はぁ? 完結!  作者: 千桜
第二章 カルミア国編
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閑話 セバスの一日にして成らず

第2章が始まり、一週間が過ぎました!


楽しんで読んでいただけていれば嬉しいです。


雨の酷さが全国的になっています。


不安な夜を過ごされる方もいらっしゃるかと…。


慰めになればと一話投稿いたします!


セバスの朝は早い。

アルメリア領主城の3倍の広さの王城をまとめ、一週間後には新王城への引っ越し…。

目まぐるしく変わる日々に追い付く為、

セバスは目覚めに緑よりみどろみどろしている特製野菜ジュースを一気に飲み干す。

健康と若さを保つ為だというが…ユーカリが何やらかす度に罰…コホン、この若さの秘訣を飲まさせていたらしい。今ではセバスが緑を運んでくるだけでユーカリは裸足で逃げ出すとか…。


「よし!行来ますか。」


『うん!』


可愛らしいミニハギ6号を肩に載せセバスは食堂に足を運ぶ。

食堂で朝食を取りがてら侍従長、女官長、料理長、主任侍女の幹部でミーティング。

侍女長が居ないのはカラーが乳母を卒業するのを待っているためである。

特に四獣様達のおやつについては日夜料理長と舌戦を繰り広げている。


「だめです。カリン様はお腹が弱い。余りフトウジュースばかりあげないで下さい。1日一回までです。キキョウ様は風邪を引きやすいので、野菜ジュースを出して下さい。果物多めでいいですから。ハギ様はお好きなものを何でも食べて良いですが、量に注意してください。」


「でもよう。あまーいフトウが手に入ったんだ。あんなつぶらな瞳でもう1杯って言われたら出しちゃうだろう?めちゃくちゃ可愛いんだ。もうダメって言ったときの寂しそうな顔ときたら…。お前さんも横にいるんだから、お前が断れよ!」


「無理に決まってるでしょ?最高2杯迄で手を打ちましょう。」


「解った。野菜ジュースはお前さんのと一緒じゃなくていいのか?」


「あれは私と罰…コホン若さの秘訣が必要な方専用ですので。キキョウ様には絶対出さないで下さい。」


「解った。じゃあおやつは10時と3時にってことで。」


「次の議題は…。」

セバスに取って可愛い子供達のおやつは第一議題だ。妃殿下や姫君は2番手である。本来は侍従長失格だが、カルミア国では誰も咎めない。

ミーティングが終わると各自の幹部達は指示を出しに向かう。セバスも指示を出しつつ城の見回りをする。

もうそろそろ部屋に行かねば。とセバスは執務室に戻る。

部屋の一番日当たりの良い場所に大きなクッションを用意すると…。


「ただいま。」


「おかえりなさいませ。」


「セバス…フトウのジュースなるべく我慢するからあまり怒らないでくれ…。」


「ふふ。怒ってはいませんよ。2杯までなら良いでしょう。カリン様はお腹が弱いのですから…。」


「本当か!?解った我慢する。」


ふふ。いつ頃からか用事がある時以外カリンは私の部屋で休む様になり、ただいまと言ってくれるようになり、10時のおやつはセバスの部屋で四獣皆で集まって食べている。生涯子供を持つ気がなかったセバスに予想外の幸せをもたらしてくれた神子様と、四獣様は自分の命より重い存在だ。ちなみに神子様とは3時のおやつを姫様も一緒に食べている。

所定の位置についたカリンは昼(?)寝を始めた。


「遷都迄で後一週間か…。」

大体の主要な荷物はまとめつつある。人員も半分はここへ残す事が決まっていて、選抜も済んだ。ポトス様ら政治関係は既に移動を完了し、ここに残っているのは補佐のユッカ殿のみである。


「あっユッカ殿のおやつも用意しておかなければ…。」


獣人達にも大人気のセバスである。

遷都を大々的に示しつつ移動をするために妃殿下と姫は華々しい大行列で進むのだ。ギデオン殿下は、これには加わらない。血統を守る為の措置なのだ。二年前…この問題ではかなり神子様が荒れ狂われた。誰も説得できず…ただ待つのみ。四獣達にはセバスは何もしちゃダメ。誰の味方もダメと言われた。中立でいろと…。

今なら良く解る。中立だからこそ変わらない。ずっと同じ。それがこのような場所でどれほど大変な事か神子様やユーカリを見ていると思うのだ。だからか、神子様もユーカリもセバスが変わらないでいてくれるから安心すると言われた。


なら守ろう。不変を。


「この前魔王に会ってきた。」


「そうですか…。お元気でしたか?」

誰かは聞かない。


「体が動かないようだった。5年だ。持った方だろう。神子にどう話すべきか悩んでる。」


「ありのままをただ淡々と事実だけ話せば良いかと。感情は御本人にお任せすれば宜しいでしょう。泣くも喚くも神子様の聖心次第です。」


「そうだな神子はそれが許される立場だ。妃殿下ではないときに話すことにする。それと…妃殿下から聞いた話だが…遷都が済み、戴冠式が終わったらギデオン殿下は旅に出られる。旅は1年間。それでも無理なら婚約者を宛がうと。良いのがいたら見繕っておいて欲しいそうだ。僕とキキョウが頼まれている。セバスが取り纏めをして欲しい。」


「楽しみですねぇ。ポトス様に合いそうな方がいたら持っていっていいですか?」


「良いぞ。確かにポトスもいたな。好みを書いといてくれたら僕もキキョウも協力しよう。」


「はい。」


「アカメがそろそろ次の子が欲しいらしいのだが…。僕は別の種族がいいんだ。どうしたらいい?」


この予想外の相談に焦るセバス。こんなに答えに困ったことは…ない。何故ならセバスは人族だからだ。獣人に大人気だから勘違いされるがセバスは人族なのである。

…父としてどう答えるべきか。カリンは神獣でも白虎で獣の習性が強いと聞く。全滅を防ぐ観点から同じ種の雄の子ではなく。別の強さを持つ種の雄の子が欲しいのだろう。


「アカメにはその…最初にその事は言ってあったのですか?」


「あぁ。今一緒に過ごしているのは子等の為でしかない。娘が育つのにいささか時間がかかってな。踏み込んだ態度はしていないのだが…年月で勘違いをしてしまったらしい。」


アカメよ。強く生きろ。お前の気持ちは全く通っていない。種族的に無理なのだ。早よ気づけ。

「では、もう一度話して、婿探しにギデオン殿下についていったらいかがですか?護衛的にもキキョウ様の子供達だけでは心もとないでしょう?」


「いい考えだな!!そうする!流石は我らの父だな。」


「最高の褒め言葉ですよ。」

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