表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はぁ? 完結!  作者: 千桜
第二章 カルミア国編
72/154

親子問題

連続投稿です。

よろしくお願いします!


時は2年前に遡る。



私の姫は産まれが複雑だった。

私は神の一族で神子だ。伴侶を人族の王族としただけで、神の子であることに変わりなく神聖視されている。っていうかされないといけないのだ。

方や王女は神子から産まれた者の人族でしかなく、父親は王族の身分を剥奪された犯罪者で直系の長子でもそれは旧王族の系譜であると思われている。


必ず旧王族の復興をとしてくる貴族達が現れるだろうと兄上を囮にまでしたのになしのつぶて。なんというか旧王族が平民達に取ってどうでもよく、むしろ他国と関係を悪化させる嫌な存在だと思われていると発覚。ギデオン殿下は魔道具で有名だったが、王族とは認識されていなかったにすぎなかった…。


なので、王女の国王即位があまり喜ばれておらず、むしろ神子様に初代国王になって貰った方が…みたいな雰囲気なのだ。


優先して解決するには問題が多すぎた。多種族からの登用や遷都に関する諸々、東側領地の平定。獣人国への土地の返還。どれも待ったなし…王女もまだ幼く遷都するまで戴冠式は無いのだから今は保留で!となったのだか…。


私という存在は娘の自信を根こそぎ奪ってしまった様だった。

なるべく時間を共に過ごしたくても夜しか会えず大概が寝てしまっている。ならば朝だ!と朝食をしつつ娘とお話するようにした。

だか、それだけではカラーやセバスに懐くだけだった。私が話しかけると強ばるし、怯えて逃げる。


3歳になった頃、アカメと花梨の子を王女の護衛兼友達としてつけた。遊び相手ができた点は良かったが人族と神獣の血をひく者達では実力差が激しく自信には繋がらなかったらしい。

むしろ神獣様の子を人族につけるなんてと王女に聞こえる様に呟く馬鹿がいてハギがセバスに報告し、そいつは解雇された。


兄上がいうには王女は優秀だとの事。3歳児では難しい礼儀も必死で覚えようとしているし、王族としての責を認識している。だからお前は褒めろ褒め続けろと言われた。

朝食時に頑張って褒めている。褒めるってこんなに大変なのね。と思った。褒めるところを見つけるのが難しかったため、姫の髪と目の色は私とお揃いね。でも、姫の方が栗がかって綺麗だわと褒めたらギャン泣きされた。


嫌だったのかしらと執務室でウジウジしていたらセバスが報告してきた。

「泣かれた理由が解りました。姫君は今まで周りの大人に顔立ちが犯罪者の父親にそっくりだ。妃殿下に似ているのは髪と目の色だけ。しかもくすんでいると言われいたのを影から聞いていたそうです。ハギは神獣の件がありましたので、告げ口したらダメだと忠告されていたようで…。綺麗だと言われて嬉しかったのと嫌われていないのだと解って安心したのとで混乱してしまわれたようです。」


「はぁ??私の姫を何だと思っているのかな?」



私、大人しくし過ぎたらしい。

気づいたときには姫を抱えて教会に来ていた。

「今すぐに、国の名前の選定と私の姫の洗礼を行え、王女の名はプルメリアだ、日だまりという意味だ。洗礼と同時に次期国王への指名を承認せよ。」


「えっ?いくら神子様といえ、そんな権利はございません。あなた様のが産んだとはいえ娘は人族であり、犯罪者の…」


「解った。教会は潰す。お前達は旧王族と同じだ。神子が産んだ王女を蔑ろにした。お前達はそれ程偉いのか?高々教会の聖職者ごときが付け上がるな!神はどの人にもどの種族にも優劣をつけておらぬ。年端もいかぬ、罪もおかしていない子を犯罪者の娘というだけで正当なる王女を排斥するなど…聖職者の風上にもおけぬ。思い通りにならぬ私への当て付けであろう?未だ解らないのなら神官など無意味だ。なくなってしまえ。」


プルメリアからは得たいの知れない怪物を見たような目で見られた。えっ?あなたをこんな風に叱ったりしないよ?




次の日、神官達の魔法がなくなったらしい。


それから一年間教会からの要請を無視し続けた。

民達からも嘆願書が来たが無視した。

宰相からもそろそろと言われたが聞こえないふりをした。


「私の姫を蔑ろにする奴らの為に何故私が働かなければならぬ。」

絶対やだね。ノーモアブラック!


「だが、これ以上神官達の能力がなくなったままでは死人が出るぞ。それも国だけでなく世界中でた。」


「だから?様子見を選択したのはお前だろ?そもそも解決する気があったのか?お前達は私の姫を傷つけたのだ。自分達が犯した罪であるにも関わらず、幼いあの王女に!責を負わせようとしただろうが!お前は何時も私より教会を優先させてきたな?今回もそのつもりか?」


「…っ。申し訳ありませんでした。」


「その謝罪に何の意味があるのかしらぬが、私が本当の意味で許さぬ限り、神官達の能力は戻らぬぞ。私が意図してやったことではないからな?神の神業だ。」

親子の問題は大なり小なり何処にでもありますよねー。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ