sideレオンハルト
よろしくお願いします。
僕は3番目の王子だ。
3番目なのにレオンハルトとか王太子が名乗るような名前なのは特に意味はない。王妃の子供でもなく、側妃である伯爵令嬢の母から生まれた。身分的にも真ん中だ。
この国の王子の名前は1歳の時に名前の書かれた札数枚を目の前に置き王子に選ばせる方法を取っている。何代か前の王が決めたことらしい。理由はなんだったかな…まぁいいか。
だから、名前に意味はないし、一番上の兄上はジークハルトだし、二番目の兄上はギデオンだ。
2人とも優しい兄上達だ!文武両道に優れていて頼もしい方達だ。僕にはいつも難しいことや苦手なことはしなくていいと言ってくれる。いずれ臣下に下るのだからと…。
今回、異世界からの方この国を救って下さる方を召喚する儀式に立ち会うよう父上からお達しがあった。あまり重要でもない儀式だが、王族も参加しなければならないらしい。東側の奴らは煩わしいが特に困っていないこの国の何を救って貰うのだ?と疑問が浮かんだが父上からの命令だし、立ち会うこととなった。
「この度は王子殿下のご臨席誠にありがとうございます。」
「うむ。そなたは魔術師団副団長だったか?大義である。団長はどうした?」
「団長は東側に昨今調達にも妨害があり、団長自ら赴いております。」
「なるほど、大人しく差し出せば良いものを…。煩わしい事だ。」
「この召喚の儀式が成功すれば、その調達の新たな道しるべになるかと…」
「ほう。詳しく説明せよ。」
「はい。この召喚は異世界より新たな人材を引き寄せるものでございます。遥か昔には後に救世主、勇者、聖女と呼ばれた方を呼び出したものだとか。これは、呼び寄せるだけで帰す機能も無いため人材が居なくなる心配もありません。恒久化すれば魔力も豊富な人材を常に簡単にを確保できる優れものなのです。」
「ほう、確かに有用な物の様だが、何故今まで行っていないのだ?」
「はい。有用な物の一面もあるのですが…1度の儀式に1人しか召喚できないことと、1度この魔方陣で召喚すると50年は召喚できないこととなっているのです。」
「なっ…それはリスクが高いな。どんな人材が召喚されるかも解らないのに…。」
「そうなのです!なので今まで捨て置かれていましたが、何度も申請し、やっとこの度許可が降りまして。昨今調達も儘ならない状態ですし、召喚してみて有用であれば魔方陣の研究、改良に予算を回して頂けることになっております。」
「ほう。確かに魔方陣を改良し、1度に何人も回数が無制限となれば、調達は簡単よな。」
「仰るとおりかと。」
「であるならば、速やかに儀式を執り行わなければな。今回、首輪は?」
「未だ不確定要素が多いため、準備はしておりますが、使用は止めておいたほうが良いかと…まずは、様子見です。今のところ50年に1度の人材ですので慎重に事を運ばねばなりません。」
「相分かった。では始めよ!」
「御意。」
僕はその日運命の人に出会った。僕のものにしたいと初めての心から思ったんだ。
なんか書いててこの王子に愛着湧いてきたな。