再会
ブクマ、評価ありがとうございます。
つぐみさんのラブは遠そうです。
「お姉ちゃん大丈夫?」
「うん。少し、頭が痛いけど…68年分の記憶だもん仕方ないよ。」
「お姉ちゃん、ごめんなさい。こんなことに巻き込んで…。しかも…性別が…。」
「何で鶫が謝るの?悪いこと一つもしてないじゃない!!むしろこんなところに一人で飛ばされて…心細かったでしょ?遅くなってごめんね。」
「お姉ちゃん~。お姉ちゃんだぁ~会いたかったよぉ。お父さんとお母さんの面倒見れなくてごめんなさい…。最後看取ってくれたんでしょ?」
「看取ったけど…ほとんど手がかからなかったのよ?神様にお願いしたから~とかでボケもなく、眠るように二人で一緒にね。ちゃんと永代供養もしてきたわ。心配しないで。でも、鶫若返ったのね~今何歳?」
「19歳。こっちで一年は経ったから。」
「え?まだ、そんななの?あっちとこっちでは時間の流れが違うのねぇ。まぁ。私も38歳迄無自覚で生きてたから~訳が解らなくなってるのかしら?でも、無事に会えて良かったわ。」
「あのね、お姉ちゃん、言いずらいんだけど…」
「鶫?大丈夫よ。お祖父様が夢でちゃんと説明してくれたわ。私からもお話させて貰ったから…鶫も四獣達も許して上げて。私も無自覚とはいえ38年もこの身体で生きていたからあまり違和感無いのよ。ただ、女の子とはお友達になってしまうってぐらいで。」
「本当に?大丈夫?」
「えぇ。それにここで許しといて貸しにしといた方がお得よ?お祖父様にはこれからもたくさん働いて貰わなくっちゃ!!」
「ソウデスネ。ホタルサンニハサカライマセン。」
じいちゃんや世の中には踏んではならない物があるのだよ。例え神様でもね。
「あら?何でカタコトなのかしら?うふふ。で?扉の前に控えている人達はどうするの?」
「入れてもいい?私の側近達なの。四獣達には後で会わせるね。お姉ちゃんのお師匠様も心配してるよ?」
「いいわ。ねぇ鶫。私は王族よ。罪もしっかり理解してる。ちゃんと償うわ。だから隠し事はなしよ。」
「うん。解った。入れ。」
「失礼致します。」
「謁見の際の失礼、お詫び致します。改めまして。宰相の任に就きました。ユーカリ=フォン=アルメリアです。後ろに控えますは、侍従長のセバスチャン=フォン=ヒイラギ、宰相候補で私の長男のポトス=フォン=アルメリアです。以後お見知りおきを。」
「よろしく。私はギデオン=フォン=ペンタスである。これまでペンタス王族が犯して来た罪は理解してるつもりだ。どんな罰でも甘んじて受けよう。私の事情は知っている様だが手心は必要ない。妹のことは私が抑えよう。君達の意見を聞かせてくれ。」
「お姉ちゃん!!」
殺されちゃったらどうするの…!
「失礼ながら、勘違いをされては困ります。私達はアビゲイル=ペンタス様の臣であり、あなたが姉君であらせられましても関係ございません。我々は神子様の意思にしか従いませんし、臣下としての意見や諫言も御本人に行います。」
「くすくすくす。よく言った。ちゃんとした臣下を神子様は見つけられているのですね。安心致しました。申し訳ありません宰相様、少し、試させて頂きました。神子様に対し家族の親愛はありますが臣下として私も尽くす所存です。よろしくお願いします。」
「いえ、お互い様でございますれば。お気に為さらず。では、説明をさせて頂きます。ポトス。」
何この狸と狐の化かし合いみたいな感じ…入れないんだけど…。
「はい。ーーーというわけで、3人の王子殿下は処刑はなしとなりました。ギデオン殿下は所領と王位継承権剥奪となりますが受け入れられますか?」
「あぁ。特に問題はない。酌量して頂いているのだ。こちらに否はない。罰を受け入れる。サインするものがあるなら持ってきてくれ、この場でサインするよ。印章もあるから大丈夫だ。」
「畏まりまして。」
「レオンと兄上が…。あまり関わらない様にしていたとはいえ、幼い頃は一緒に遊んでいた。二人が旅立つ前に少し、会わせては貰えないか?」
「お薦めできません。殿下は旧王族達と関係が無いと証明されているから新王族としても遇されるのです。今会いに行かれれば前提が覆されます。」
「そうか…そうだな。私が新しい王族として大切にすべきは妃殿下と次期国王陛下の姫君だけだ。すまない。許しておくれ。」
「私も厳しいことを申しました。すみません。」
「気にするな。君は若いのに立派だ。一言だけ伝言を頼めるか?レオンには安らかな眠りを願っていると兄上には貴方の旅路が悪路でないことを祈ると。」
「畏まりました。必ず。」
「ありがとう。君は優しいな。」
えっえっえ?なんか飛んでる。ハートがいっぱい飛んでるように見えるよ!?
これから先はほのぼのが続きます。
しょんぼりなのは神様だけです。




