密談
皆様、台風や豪雨にはお気をつけ下さい。
私はユーカリの…宰相の部屋へ飛んだ。
「うぉ!びっくりしたぁー何でいきなりここに飛ぶんだよ。」
「説明してって言ったじゃない。」
色々説明が必要だからここに飛んだんだよ。
「だからってこんなに夜遅くに…執務室にいるか解んないだろう?」
「セバスとポトスも呼んで。起きてるでしょ?」
明日の相談もしなきゃだから時間がない!!
「解ったよ。」
「ってことは、ギデオン殿下の前世はつぐみ様の姉上ということですか?」
「そう。まだ、覚醒して間もないしステータスが確定するまでは時間はかかるけど、確実に神族になると思う。だから、処刑は出来ないし、粛正の対象じゃない。日の当たる場所で堂々と生きてもらわないと困る。でも、皇統を継いでいるのも事実。難しい問題だわ。」
「「「マジか…。」」」
「もう、ここは開き直って、ジーク様世代の3人は処刑しないことにしませんか?」
「ポトス…それで?」
「レオンハルト様は今日解ったことですが、長くないそうです。処刑に間に合うかわからないとのこと。ジークハルト様は隷属魔法をお持ちですし、覚悟を決められておりますので、魔法の封印後、王位継承権と王籍剥奪の上で国外退去とします。あっちこっち行かれては困るので送る国はこちらで決めます。ギデオン殿下は一番王族と関係なく過ごされていて、魔道具の功績もありますし、王位継承権と所領の剥奪。名ばかりの大公として臣下ヘ下る事とするのは如何でしようか?」
「送る国は決まっているの?」
「魔国が身柄を希望しています。襲撃に対する賠償として…ジークハルト様をくれれば他に何も求めないそうです。」
ブルー。私のためだね。私が死ぬところを見たくないって言ったから…。
「そう。解った。魔国ならいいよ。ポトスの言う通りにする。」
「承知致しました。」
「レオンが長くないのは何故?確かに久々に見た本人、老けてたし、髪の毛まっ真白だったけど…」
「俺もびっくりしたし、看守から様子がおかしいと報告があってな…処刑前に何かあっては困るからと医者を遣ったんだ。その医者が言うには老化が早く、もうすぐ寿命が尽きるそうだ。」
「は?レオンってまだ、未成年位若くなかった?」
「こからは私が。侍女や侍従に確認したところ、レオン様は自室に籠られてずっと隷属魔法の練習をされていたそうです。身を削る程に。妃殿下は仰られていましたよね?隷属魔法は忌むべき魔法だと。私の推測ですが、神の怒りに触れたため、寿命が尽きたのでは無いかと…。」
「なるほど…。隷属魔法に手を出せば寿命を縮め、種が残せなくなる。まさに神の神業か。妃殿下、宰相として、国全体に流布し、新たな国では禁術に指定したいと思います。」
「うん。許可する。ユーカリ、セバス、ポトスありがとう。」
「「「妃殿下の聖心のままに。」」」
「妃殿下、処罰が済みしだい、姫君の戴冠式がございます。姫君の御名はいかが致しますか?」
「そうか名前ね。名前は歴代の王の名前は継がせないわ。私が決める。後、国の名前も戴冠に合わせて変えるわよ。ペンタス時代の悪縁は切る。」
「御意。」
「獣人国への賠償ですが、昔の資料を確認したところ、人族が獣人国から奪い取った土地が多々ありましたので、砦を含め元々獣人国土地だった場所に色を付けて還すことで賠償にならないか確認したところ、地下トンネルをそのままにしていて貰えるなら色は要らないと返事が来ました。」
「防衛の観点からいえばノーだったのですが…。」
「遷都の案が出ちゃったからな…」
「って言うか、何で皆お金を請求してこないの?お金が一番簡単じゃない!教会に…。」
「だからだよ!教会の金といえど自分達が寄付した金だ。それを賠償で戻されてもな…。」
「資金洗浄でいえば最高じゃない?後ろ暗い金がない国ってあるのかな?」
「「「確かに…。」」」
「いちお、打診してみよう。」
「元王都にトンネルよりはましか?」
「うちにもないかな?隠し金。王妃の部屋とか、王の部屋とか~。セバス!!後で探しに行きましょう。」
「はい!楽しみですね!」
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