城が…
ほのぼの~。
よろしくお願いいたします。
「城が直りません。」
うん、解っているよ。あのゴミが開けた穴ね!穴って言うか屋根無くなっていたもんね?
ゴミはブルーにお願いして、元の国に還してもらったけど…。
ブルーは言っていた。
「あの男もまた間違えたのだと…。」
自分とは違う人と共に生きるというだけで、その間にはたくさんの差が出る。価値観、性別、性格、趣味、味覚、種族。年齢、身分。あげていたらきりがないが、その一つ一つを埋めて初めて真の番となれる。道半ばで別れたり、埋まらないままでも何とかやり過ごす人たちのいるなかで…。
あのドラゴンはずっと理解せず、自分を嘆くだけで終わってしまった。せっかく性別という大きな差が埋まった状態でのスタートだったのに…。
あっ…。そんなイケオジ二人でシュンってしないでぇ~こっちがいたたまれなくなるから~。
「いっそのこと、遷都しちゃう?」
「遷都ですか??」
おっ結構よい反応。
「うん。東側って人材的にもろくなものないし…結局西側から連れて来ないといけないでしょ?活気があるのも西側だし、西側に飛び地あったじゃない!そこに、遷都するならドワーフが呼べるからドワーフにお城作ってもらえるでしょ?」
「確かによい案です。王族の飛び地はアルメリアの隣ですし、確かギデオン殿下の所領で種族差別もなく、良く統治されておりますし、アルメリアとも交流がございます。」
「ギデオン殿下って何者?」
「私達も良く解らないのです。成人後、王位争いを厭われ、王太子は兄上だけだと言葉を残されて城を出られ、所領に籠られていたかと思ったらいきなりドワーフ国に留学されてしまわれました。自分で留学の算段もつけられていたため、王家も止めようがなかった様です。」
「すっごいバイタリティー。本当にペンタスの王族?」
ペンタスの王族はどこか内向きだ。皇統を守るから伝統的なのかもしれないか…。
「それは俺も思ったが…ちゃんと後宮に出生証明書があった。」
調べたのか…確かに良い人材だ。本来ならこちら側に引き込みたいだろう…でも、皇統がしっかりあるなら…うん?待てよ…花梨さんが…
「花梨の意見?」
「あぁ…キキョウ様は反対では無いぐらいだが…カリン様は再利用した方が良いと…俺も殺すにはおしいと思う。」
じゃあ会ってみるしかないじゃん。
「ギデオン殿下を呼び戻せ。私が直接鑑定し、見極める。拒否するなら再利用はなしだ。」
「御意。だが…遷都するにも金がいるぞ?どうする?獣人国にも賠償がいるだろ?」
ここは神子の権力ちゅドーンだね
「教会からむしり取る。じいちゃんに神託させるから心配するな。獣人国には土地を切り売りしろ。東側はどちらにしろ手付かずになる。扱えないならやってしまえ。」
「教会に神様から脅しとは気の毒な事だな。」
「何いってんの?今まで神の威光を笠に着て寄付金で贅沢三昧。なのに神の意向も汲み取れない無能なのに生かしてあげてるのは金蔓だからだよ?じゃなかったら全滅させるに決まってるじゃない。世界中の教会全部。」
「エルフもドラゴンもドワーフも魔国もか!?」
にっこり笑って頷く。この世界は一神教だ。種族の違いはあっても宗教に違いはない。簡単で助かる。
あら?どうしたの?二人揃って顔色悪いよ?
「おいセバス。急いで王城に戻って、遷都の計画を進めるぞ。城を建てるのに幾らかかるか計算早めてくれ!教会全部潰される前に!」
二人は脱兎のごとく去っていった。
やっとほのぼのなのに…すみません。
次またシリアスです。
レオン視点。
中々にペンタスの闇が深かった。




