side???
名前のない、あの方の視点です。
シリアスです。
苦手な方はスルーしてください。
もう何時の頃か覚えていない。
僕がまだ、ママパパと両親を呼んでいる時にあいつに大きな木の処から連れ出された。
数日は泣いてお願いした。両親の元に戻してくれと。
あいつは言った。
「我達は番だ。番は一緒にいるのだ。私の側にいれば幸せのはず、両親の事等忘れよ。私の事だけ考えて早く大きくなれ。」
それから数年両親のことを話すこともできず、ただ、あいつの側にいた。僕は弱っていった。
流石に焦ったのか。エルフの国に戻ることは無かったが、色々な町に連れて行ってくれるようになった。
ドラゴンがいけば、どの国も歓迎してくれた。
それは人族の国に来たときに起こった。
僕が眠くなり、うとうとしていると部屋で休む様に進められた。僕は先に一人で休むとドラゴンに伝え
部屋で休んだ。
眠っている時の気持ち悪い物に包まれる感覚は今でも忘れられない。
起きた時には終わっていた。
僕はただ、座る人形の様な存在になっていた。
ドラゴンは怒り狂っていたが、僕を盾にされ、しぶしぶ首輪をつけていた。
でも、それは僕の望んだことではなかった。喋ることは出来ない口で叫んだ。
助けて。僕はこんな奴らに奴隷にされたくなど無い!!いっそのこと殺してくれと。人形は嫌だと。番だと言うのなら伝わってくれるだろうと思っていたが…それは叶わなかった。
それから僕はずっと叫び続けている。何度も何度も…。どれくらいたっただろう。
大気が揺れ僕を包んでいた気持ち悪い物が無くなった。
視界が開け、僕は美しくやさしい人に抱かれてささやかれた。
嬉しかった。僕は見捨てられた訳ではないのだとその人は教えてくれた。
でも僕は限界だった。彼女は解っていたのだろう。僕を見送ってくれた。
僕は今、神様の元にいる。
「愛しい子。そなたがここに来てくれて良かった。つぐみが間に合って良かった。すまなんだ。すぐに救ってやれず…ずっとずっと。お前の声は聞こえていたよ。愛しい子よ。あの世界はお前に優しくなかったな…わしの至らぬせいじゃ。全てを忘れ、魂を休ませなさい。輪廻に戻らずともよい。ここにずっといてよいのだ。」
「この魂は俺が面倒をみる。つぐみが送ってくれた魂だろ。俺が守る。俺の炎は邪気を寄せ付けない。神の愛し子よ。俺の翼の中でも眠れ。ゆっくり眠れ。」
「朱雀よ。ありがとう。」
「しっかりしろよジジイ。何が大切か今は解ってるから心配するな。」
僕は数百年ぶりに温かな炎に包まれて眠った。
朱雀は兄弟の中で一番下ですが、
一番アニキはだです。
次は本編に戻ります。




