悪夢の終わり。
予告どおりシリアス回です。
頑張ります。
残酷な表現があります。
出血や亡くなる表現があります。
苦手な方はスルーしてください。
応援よろしくお願いします。
全力の解呪はキツかったが、上手くいったようだ。
数分の静寂の後それは、訪れた。
「ギャオオオオオー。」
爆音と共にドラゴンの叫び声。
「ポトス参るぞ。謁見室だ。」
「妃殿下!御待ちください。殿下どうされたのですか!?」
ジークハルトは顔色が悪いな。何があったか瞬時に理解したらしい。まぁ、理解したとしても遅いけどね。
転移魔法で移動。今回は関係者全員ね。
そこには、血だらけの国王と、既に食いちぎられた痕のある宰相、幼い緑の髪のエルフとドラゴンがいた。
近衛兵達の息は無いな。
「父上!?」「キャア!」「陛下!!」「イヤァ!!」
「うるさい。少し黙れ。
で?暴れて、少しは気が張れたか?古龍よ。」
お前、自分の番は放置で復讐か?ごみだな。
あの子だ。神がずっと助けたいと願い、手立てがないか探していたのは…ああ…でも。もう…。
『お前はだれだ。何故邪魔をする!?この者達は我が番を何百年も隷属させていたのだぞ!!私を従属させるためのエサとしてな。絶対に許さぬ。』
「そうか。じゃあお前が死ねば良かったのに。はぁ、その番殿が不憫であったな。だが、隷属させられていたのはお前の番だけではない。他にたくさん居たのだ。だから、その血だらけの王は処刑しなければならない。皆の前でな、私怨で殺されては困る。こちらへ渡せ。」
『なっ!!人間風情がドラゴンである私に意見等と片腹痛いわ。下等生物ごときが付け上がりおって、死ねぇ。』
パン。シーン。
「その程度か?人間風情だのなんだのと御託を並べた割には大したことないな。ドラゴンごときが私に歯向かうとは何様のつもりだ?ドラゴンがいつ、世界の頂点になったのだ。この世界の頂きに立つのは神だ。お前達ではない!!付け上がるな!」
私はドラゴンに雷を放つ。
ドドーン。
『ぐわぁ。っ…。』
私は歩いて、幼いエルフの前にたった。抱き締めて話を始めた。この子は…もたない。
「辛かったね。キツかったね。遅くなってごめんなさい。貴方の声は神に聞こえていたよ。ずっと助けられずごめんなさい。」
『我が番に触るな!』
「キツかったね。神が待ってるよ。あの人の処で全てを忘れ魂を休めなさい。哀れな子よ。ただ、忘れるのだ。自分のこと、番のことも、この世界の仕打ちも。赦す必要はない。ただ、忘れ、ゆっくり休みなさい。この子に魂の救済を。永遠に眠れ。」
幼いエルフは健やかに大気に溶けて逝った。
『ああああああ…。私の番が。ああああ…』
チッ。ごみがうるさいんだよ。喚くな。お前が番を守れず、隷属されてしまった時点で終わりにしなければならなかったんだよ。それを…ただ、座して待つだけで何もしないとは…あの首輪だって簡単に外せただろうに。例え死ぬことになっても解放を選び、最後を共にする覚悟もない番など呪いでしかない。隷属されたあのエルフはずっと助けてと生きていたくないと死にたいと泣き叫び続けた。その叫びは神に届いた。数百年の叫びだ。想像を絶する。
『何故だ!やっと私と共に生きられると思ったのに!』
「そうだな。私は正しくない。正しいとも思っていない。必要だっただけだ。」
生と死は表裏一体。喜びであり裏を返せば地獄だ。幸せとなる時と不幸せになる時がある。救いになる時あれば罰になる時もある。前者が死で後者が生の時もあるのだ。あのエルフには死が必要だったのだ。
「ポトス、王を回収しろ。魔力封じの手錠を忘れるなよ。ユーカリ!兵達の入室を許可する。」
「待ちくたびれましたよ。神子様。王を捕縛せよ。」
「仕方あるまい。あのエルフの魂はぎりぎりだったのだ。あの時ああしなければ神の下へは送れなかっただろう。」
「なっ!!やめよ!そなた等父上をどうするつもりだ。この国の王なのだぞ!それを捕縛するなど、誰が許すか!!」
あれ?レオンじゃん。見ない内に老けたな。
「貴様のせいか!私から聖女を奪っただけでなく、王位まで…絶対に許さん。死ねぇ!!」
はぁ?
レオン再登場ー。
次回もシリアス回です。
魔法の表現が乏しくってごめんなさい。
魔法チートにしてるけどあんまり役に立たないな…。




