出産。
50話目になりました。
2話連続投稿2話目です。
出産シーンがあります。
苦手な方はスルーしてください。
それは明け方にやってきた。
ベッドが水浸しだったのだ。破水だ。
ダリアが直ぐに動いた。
「侍医を直ぐに呼べ。殿下にも伝令を。今日からお産まれになるまで面会は控える様にと。辺境伯夫人へ伝令を乳母の任務が始まりますと。妃殿下。これは悪いことではありません。破水といいまして、御子がお産まれになる前兆でございます。安心して、気持ちをゆっくり持ちましょう。」
軽く湯浴みをすませ、軽めの朝食をとっていると…カラーがやってきた。
「妃殿下、おはようございます。ご気分はいかがですか?ご不安かと思い。早いですが参内させて頂きました。」
「ありがとう。カラー。」
確かに不安です。2回目とはいえ、全然違うんだもん…ふーふー。気持ちはゆっくりと…焦っちゃダメ。
「妃殿下。ベッドは支度致しましたので、横になりたくなりましたら仰ってくださいませ。」
「ありがとう。ダリア。」
「カラー準備は?」
「滞りなく。」
エピネ。皆に連絡して。もうすぐだと。
『解った。』
ありがとう。もうすぐで貴方に会えるのね。
それは10時間の闘いだった。
安産などという言葉は何も危険な事がなかった出産をいう。
決して陣痛が軽い、時間が短いからではない。それぞれに激痛を伴い苦しみはあるのだ。
その後に訪れる出会いで全てがチャラになるとは言わないが。疲れはふっ飛ぶ。
あぁ産んで良かった。貴方に会いたかった。元気に産まれてきてくれてありがとう。
産まれたばかりの我が子にかけるお母さんの「あー」や泣き声にはたくさんの意味や言葉が詰まっている。
「妃殿下、おめでとうございます。姫君でございます。」
「「「ご誕生おめでとうございます。」」」
返事は出来なかった。頷いた。
胸に抱く小さい女の子。とても可愛い女の子だった。
次回からはしばらくシリアスに入っていきます。
頑張ります!
皆様応援お願いします。




