辺境伯一家
本編へ戻ります。
これからもよろしくお願いします。
「じゃあ、ビィー?一人で寂しいだろうけど、視察行ってくるね…。」
「はい。殿下民の生活を知る良い機会ですわ、行ってらっしゃいませ。後、これを。」
「これは銅貨と銀貨?このお金どうしたの?」
「妻から夫へのお小遣いですわ。これで、私に街のお土産物を買ってきて下さいませ。この領地は不思議な魔道具がたくさんあるとのこと。高価な物でなくて良いのです。楽しそうなものを選んで来てくださりませ。」
「ビィー!なんて可愛いおねだりなんだ!解ったよ。夫としてお土産物を買ってくる!!行くぞ。」
こら。クロードにルイ、こっちを見んな!私は人間だ!!
「妃殿下はこれからどうなさいますか?」
「今日はお庭を散歩位にして、昼食後はお昼寝します。殿下が帰って来るまではゆっくりするから、貴方達も最低限の人員を残したら街に買い物に行ってきても良いわよ。」
「妃殿下はご配慮ありがたく。侍女達にそう伝えましょう。恥ずかしながら…そわそわしてる子達がおりまして…。」
「旅行ですもの。大目に見てあげて。じゃあよろしくね。」
「お待ち申し上げておりました。妃殿下。」
おぉ!アルメリア一家勢揃…い。って多いな。1、2
…11人!今、妊娠中だから12人になるんだな。すごいな。ってか幼い子ばかりじゃん。はぁ…知らなかった。悪いことしたな。
「堅苦しい挨拶はなしだ。先日は世話になったな。ユーカリ。忠告が効いたようで良かった。殿下の警戒も少し薄れていたぞ。済まないな。幼子までおるとは考えが及ばなかった。長時間はキツかろう。帰らせてやってくれ…。」
「ご指摘ありがとうございました。その…私の不忠を咎めないのですか?」
「誰に忠誠を誓うべきか間違えなければよい。」
「畏まりました。隣が私の妻のカラー。そして、嫡男のポトスです。」
「先日の晩餐会へのご出席ありがとうございました。辺境伯夫人カラー=フォン=アルメリアです。」
「お初に御目にかかります。嫡男ポトス=フォン=アルメリアです。」
あっこれ怒ってるな。人質にされるとか勘違いしてるな。どうしようかなぁ~。断られたらそれまでだな。
あっ。二人残した。次男と長女だな。流石切れ者。
「次男のストックと長女のアイビーです。」
「次男のストック=フォン=アルメリアです。」
「長女のアイビー=フォン=アルメリアです。」
さて、始めるか。
「挨拶ありがとう。そなた達に集まって貰ったのは他でもない。国の未来のためだ。私は聖女ではない。神子である。人族は神に対して赦されざる罪を犯した。このまま見過ごすことはできない。粛正は既に始まっていたが…人族に悔い改めが見られないため、私が遣わされた。そなた達に残された選択は協力するか、死ぬかだ。」
「「「「「っつ…。」」」」」
「妃殿下…イエ。神子様質問しても?」
セバスチャン!!流石優秀ね。
「良い。」
「この国が犯してきた赦されざる罪とは…奴隷の事でしょうか。このところ貴族の出生率がかなり低く、そのどれもが奴隷を所有する貴族と聞き及んでおります。」
エピネ、鑑定されても正規のステータス見える様になってる?
『うん!鑑定されたらつぐみにもわかるようにしておくよ。つぐみも久々でしょ?自分のステータス。楽しみに!』
えっ!?エピネさん?どうしたの?
「そうだ。人族は神が創造された種族達を何百年も食いものにしてきた。生きるために協力し合うのではなく、使い捨てる為にだ。隷属など…おぞましき事、その様なことを誰が許したのだ?何故自分達が上位だと思えたのか理解に苦しむ。たが、その様な愚かな人族であっても等しく神の愛でる者なのだ。全滅は簡単だが…なるべく残してやりたい。罪を認識し悔い改めた者、荷担していない者はな。で?どうする?私はどちらでも構わぬ。私が神子だと証明するものは何もないしな。私の鑑定をしてもよいが。私は神子であることを王家に隠しておるしな?私が信じられず、王家に与すると言うのならば止めぬ。暗殺でも、何でもしてみれば良い出来るならな。」
ユーカリが厳しい顔をしつつも聞いてきた。
「本当に鑑定しても?ここにいる全員が鑑定を使えますよ。」
マジ!?全員とは未来が明るいな。この子にも…
「良い。」
「では、鑑定。」「「「「「鑑定。」」」」」
ステータス
種族 神族
19歳
HP/MP 999/999
鑑定(特)、生活魔法(特)、回復魔法(特)、結界魔法(特)、転移魔法(特)、索敵(特)、
属性 全属性 無属性
スキル 祈り、ガイド、隠匿、多産、安産、魔力生成
称号
神の孫子
解放者
秘匿する者
万物の守護者
種を選ばない者
ギフト 言語フリー、インベントリ、解呪
呆然…自失。
「返事は2日後。色好い返事を待っている。」
私は人間ではなくなったらしい。
ジーク君は復活した。




