公式初(?)外出
ブクマ、評価よろしくお願いします。
パカッパカパカ~
私は今馬車の中だ。初めての馬車だ。妊婦にも優しい仕様となっている。何故か。それは視察を兼ねたドワーフ国に面した辺境に旅行に来ているのだ!
久々の面会は圧迫面接かってくらい近かったが…何とか耐えた。そこでプレゼンされたのがこの旅行。お仕事もあるけれど、それは主に殿下で私は基本的に自由にして良いらしい。
今回の旅行には視察ということもあり、私はダリアといつもの侍女達。ハルはクロードに加えてルイという宰相候補の側近も連れて行っている。
旅行の日程を説明に一人で来てくれた時に自己紹介された。
「お初に御目にかかります。ルイス=フォン=フリージアです。妃殿下には殿下での事でいつもご迷惑をお掛けし、申し訳ありません。殿下も説明に来たがっていたのですが、邪魔コホン…私で十分だと判断し、執務をしていただくようにお薦めしておきました。」
ルイのファインプレーであった。ダリアが頼もしくなったと褒めていた。
「くすくす。殿下にこのように堅実な側近がいて嬉しく思います。これからも殿下に忠実であってくださいませ。」
「はい。女神に誓いまして。」
「はい?」
私は何時から神になったんだ。しかも何で真顔で言うんだ。怖いじゃないか。ダリアさん頷かないで!
「妃殿下は我々の女神であらせられますので。」
突っ込んではいけないと心に決めた。殿下のちょっとウザイけど、長い説明でも良かったかもしれないと思った。
「ビィーどうしたの?キツイ?休む?もう少しで牧場があるんだけど…。」
「大丈夫ですわ。ハル様ありがとうざいます。気遣って下さって。ちょくちょく休みを挟んで下さるので、きつくありません。牧場ですか?」
「うん!ビィーが動物が好きだって言っていたでしょ?そこは色々な種類の家畜を育てているらしくてね。ウサギもいるらしいんだ。」
「まぁ!楽しみですわ。」
「良かった。喜んでくれて。ビィーには沢山色んな所を観て貰いたいんだ。これから君が暮らしていく国と民達を。愛し慈しんで欲しいんだ。君は国母になるのだから。」
っつ。カッコいい。私の旦那様は。こんなにも国を民を大切にできる人なのだ。賢王となれる人なのだろう。皆もその未来を望んでいる。儚く消える未来を…。
「はい。心に刻みますわ。」
貴方がこんなに素敵な人だったのだと。いつか成長した子供に語ろう。傍らに貴方が居なくても…。
そんなこんなで5日をかけながらちょくちょく視察しつつやって来ました!ドワーフ国に隣接する領地アルメリア。
『ここ、キキョウ兄上が言ってた辺境伯が居るとこ?』
そう!子沢山の領地。ってエピネさん久しぶりだね。
『うん。だってつぐみキツそうにしてたから。』
ふふ。ありがとう。心配してくれたのね。
『辺境伯にはどう繋ぎを付けるの?キキョウ兄上は獣人国との交渉を任せていてこっち居ないんでしょう?』
繋ぎはいらない。私が直接出向く。信頼を得る必要があるし、私の存在を初めての知る人間だからね。反応も気になるし、私が直接見極めたい。
私と共犯者になれるのか。
ジークはちょっとずつ復活中。




