sideジークハルト
めり込んだジーク君視点です。
足が痛い。痺れてる。王子の僕を正座させるなんて、できるのはダリアとクロード位だ。
私を何だと思っているのだ?
1日中侍医とダリアから説教と授業を受け、僕はビィーに対してどれだけ迷惑をかけていたのか理解した。穴があったら入りたい位空回りしていた。
謝罪をと動こうとしたら、説教がさらに長くなり、側近達に睨まれた。初めてだ。
その日から散々だった。ビィーには会えなくなり、様子を聞くだけ。少しでも、ビィーの名前を出そうとしただけで側近達に睨まれる。クロードは庇う処か書類を山積みにしていく。
「クロード多くないか?」
「殿下には妃殿下のことを考える暇が無いくらいに執務をして頂きます。もう、甘やかしません。サボるなよ。」
酷い。側近達よ何故頷く。ビィーが恋しい。
「殿下?先程の資料は読まれましたか?もうじき王太子殿下となられるのです。明日から実務も始まります。朝議にも参加されるのですよ?私が側に付くとはいえ、殿下も内容を理解されておきませんと。芽はなくなったとはいえ、レオン殿下側に付け入る隙を与えてはなりません。」
ルイはグレープフルーツの件で説教があり、諫言はもっと厳しくと教育されていた。そういえば、最近レオンを見かけないが…まぁいいか。
「解っている。しかし、また、奴隷の件か?」
「はい。魔国での調達に失敗したようで、死人も出たとのことです。」
「はぁ…獣人国からの調達も儘ならないというのに…。しかし、死人が出るほどに魔国から抵抗があったのなら引くしかあるまい。魔国と戦争になったとてこちらは負けぬが…痛手はあるからな。貴族の子供の出生率がかなり悪い。貴族をこれ以上減らすわけにはいかぬ。魔国からは?何か来ているのか。」
「抗議とこれからも徹底抗戦のかまえで有ることとこれ以上やるならやるよっ的な文章の書状が来ていたみたいだが…陛下は無視するように言ったみたいで、宰相が握り潰したらしいぞ。」
「クロード…そんな情報何処から…。しかも他国からの書状を潰すなんて…はぁ。ルイは?知っていたか?」
「いえ。こちらには上がってきていませんので…。握り潰したのならもう、どうしようもありません。魔国はとりあえず様子見しましょう。しかし、上が理解できるかどうか…獣人国からの調達に再度力を注ぐにしても、砦付近には獣人がいません。獣人が居るところまで行くとなると…かなり国に進行しなくてはいけませんし…。獣人側からのかなり強い抵抗があるでしょう。」
「現行では今いる奴隷が死なぬように休憩時間と食料を与え、減らさないようにするしかあるまい。文官達の騒ぐ姿が目に浮かぶな。」
「まぁ奴隷は使い潰すものって思っている連中ですからね。」
「従順で何も考えないから使い勝手が良いのは解るが死なせては意味があるまいに。朝議では休憩と食料を与えるように進言しよう。」
「御意。」
「はぁ…ビィーに会いたいなぁ。」
私の呟きは側近達の睨みに寄って消えた。
教育と洗脳は紙一重。そこにあるものに疑問をいだかない。
ジークは復活に向けて訓練した。




