閑話 指輪の決定裏側2
こんばんわ。
ひどい雨が続いています。明日も雷雨となるところがあるとか…皆様お気をつけ下さい。
ブクマありがとうございます!
ジークのように舞い上がりました。
嬉しかったです。
タイトル通りです。
ただ、少しネタバレ?人物が先に出てきちゃうだけでストーリーのネタバレではありません。
土日の楽しみにお読み下さい。
ここは、鍛冶職人バイモが親方を勤める工房である。
トントントン。カンカンカン。ボン。
何時も通りの様だ。バイモは今日も絶好調である。
そんな何時も通りの工房にそれはやって来た。
「親方ぁ~いるかい?わたしだよ!入るよ!」
誰だよ。と突っ込んではいけない。自分が誰かわからない人が要るとは思いもしないやんごとなき、お坊ちゃんなのだ。
「おう。来たのかジーク。この前研いだばかりだろ?今日はどうした。」
「親方元気そうで良かった。いや?剣は万全だよ。今日は別件で来たのさ。」
「別件?」
新たな剣の作成か?
「バイモ親方見てくれ。」
その一枚の紙に描いてあったのは…
「指輪??」
「そうなんだ。わたしがデザインした指輪で結婚指輪というらしい。」
「何で指輪??」
「あぁ、結婚指輪とは婚姻をした男女がお互いのくすり…。」
「いやいや何の指輪とは聞いちゃいねぇ。意味ならなんとなく解るしな。何で俺にその指輪をみせるんだ?」
解る解るよバイモ。何で見せてるのか嫌な予感するんだよね?できれば勘違いであって欲しいんだよね?
「それは当たり前じゃないか!親方に作って貰うためだよー!?」
何にあたり前がかかるのか!?と後ろの侍従に目配せするバイモ。首を振る侍従。既に説得するために一通り話しはしたのだ…無駄だったが。
「嫌、オレ鍛冶職人…。」
いちおう否定を試みるバイモ。そう、普通は宝石職人に頼むのだ!普通の人に失礼だって?そうだな!ジークだけだ。
「それは解っているよ。でも、バイモなら宝石を柄とかに組み入れたりするから扱うだろう?上質なエメラルドと黒曜石とサファイアでこれを仕上げて欲しいんだ。親方の手で作られた指輪を妻に贈りたんだ。初めてのおねだりだったからね。」
「あー解ったよ。本来なら引き受けないが…大事な奥さんに贈るんだろ?作ってやる!期間は?」
「1ヶ月!!」
「なっ!1ヶ月!?」
「お金に糸目は付けないよ。急がせるんだからその分も請求してね。」
「わーったよ。まったく…ぶんどるからな!引き受けてやる。できたら連絡するから取りに来てくれ。そしてもう帰れ!!」
「うん!ありがとう。任せたよ!バイモ。」
嵐は去った。はぁー厄日だ。こういう日は早く閉めるに限る!!
自室に戻ったバイモは兄に手紙を書く。上質な宝石を贈って欲しい旨と第一王子が結婚したらしいことを記す。その奥方を気に入っているようだとも。
バイモは思う…奥方お気の毒に…と。
後日、その気の毒な奥方に会い、度肝を抜かれることになるのはまだ先のことだ。
ジークはどんな時にもジークでした。
明日の予約投稿もジークさんがメインかも…