ついに…
いつも読んで下さってありがとうございます。
ジーク君復活です。
「本当に?」
「はい。侍医に診てもらい、間違いないと。」
「ビィーもう一回言って?」
「ハル様の子を授かりました!喜んでは頂けないのですか?」
「まさか!!とても嬉しいよ。夢みたいだ。こんなに早く授かるなんて。ありがとうビィー。」
「ふふふ。侍医によれば懐妊して間もないそうです。これから安定期に入るまでは無理は禁物とのこと…公務も始めたばかりですのに…申し訳ありません。」
「なに言っているの!?公務なんて気にしないでいいよ。王子妃にとって後継者を産むことが一番の公務じゃないか。無理しちゃダメだよビィー。」
「ありがとうございます。ハル様に喜んで貰えるのが一番嬉しいですわ。」
「クロード、ビィーの公務はしばらく中止だ。私に回してくれ。女官長ビィーの体調管理を一番に食事にも注意をしてくれ。」
「「畏まりました。」」
あれから3ヶ月後。無事に第一子を授かりました。2週間私を寝室から出さないだけでなく、三日毎に共寝をしていて子供ができないと思ってたとは…。おじいちゃんの神業は凄いな。
「ビィー?大丈夫?」
「申し訳ありません、ボーッとしておりました。」
「やっぱり、心配だからここで執務を…」
「大丈夫です。とっても元気です。病気ではないのですから殿下は気にせず執務をしていらして?」
「殿下、あまり王子妃様にご迷惑をかけてはなりません。執務に戻りましょう。」
「えー。」
「王子妃様?」
え?私?デジャブ?君の仕事じゃ…でも…はい。
「私も初めての懐妊で不安ですから…ハル様と共にいると安心致しますわ…ですが、王子妃としての立場もございます。ハル様には執務をして頂きませんと…。」
「じゃあここで…。」
「それは、なりません。機密の書類もございますでしょう?」
「うーー。じゃあ。安定期に入るまでは私も休んで…」
「王子妃様?」
だから何で私にプレッシャーかけんだよ。この侍従は!!
「ハル様。お願いがございます。聞いて下さいますか?」
「何でも言って!!」
「私のお茶の時間にフルーツが欲しいのです。私が無事に出産するまで毎日一種類。違う種類の。執務をお休みするハル様には集められないかしら…」
「そんなことはないよ。ちゃんと執務をしてフルーツを集めさせるよ~。全領主に命令できるかな?頑張ってみるね。」
「はい。楽しみにしておりますわ。フルーツはハル様が持ってきて下さいますか?私も晩餐だけでは寂しゅうございます。お茶会に参加してくださりませ。」
これでお茶会までは面会にこないだろう。
「そうだよねぇ。妊娠中妻のケアは夫の勤めだ。此れからはお茶会に参加させて貰うよ。では行ってくるね~。」
クロードは良い笑顔だった。
ジークは空を旋回しすぎて目が回っている。