面会(魔国編)
今日は七夕ですね。
と云うわけで皆様の願いが叶います様に。
2話連続投稿です。
「薄暗い空に、カラスやコウモリが飛び交う真っ黒な城。その頂に座しているそれが…」
「何だ?」
「魔王よ!魔王が住む城よ!」
「はぁ?何で真っ黒じゃないといけないんだよ。まぁかっこいいけど…どんな素材で建てるんだよ。それとも黒く塗るのか?金かかるだろ。」
「イメージよ!イメージ!」
「どんなイメージだよ。何で暗くないといけないんだよ!俺の国を勝手にネクラにすんな。」
「ごめんなさい。」
「神子~魔王~会ったことがあんのか?」
「「いや。初めて。」」
「はあ?どうみても初めてのノリじゃなかっただろう!?」
「「そういうこともある。」」
「……。」
あらヤダ。花梨さんのジト目可愛い。
「お初にお目にかかります。魔国王陛下。私、異世界より召喚された神子のアビゲイル=ペンタスと申します。この度は謁見を受けて下さりありがとうございます。」
「初めまして。神子殿。私は魔王のブルースター=ドラセナだ。君のような可憐な女性に会えるとは光栄だ。それに、君とは気が合いそうだしな。」
「まぁ~お上手ですこと。私も陛下とは気が通ずるものを感じましたわ。」
「あはははは。」「おほほほほ。」
「もう良いか?」 「だね。」
「で?ペンタスは魔国にどう賠償する?」
「今は無理。獣人国で手一杯。とりあえず、屑たちをすげ替えて断罪したら、正式に使者を立てて謝罪に行くわ。こちらから恭しくね。その時に話し合いましょう。何かペンタスから貰いたい物があれば考えといて。」
「まぁ良いだろう。子供に手を出そうとした奴らこちらに渡せないのか?」
「実際に動いた奴ら?指示した奴ら?」
「どっちも。」
「実際に動いた奴らならいいけど、隷属魔法は根絶やしだからダメよ。」
「隷属魔法の件はカリンから聞いている…首輪もな。だが…どっちも貰えぬなら…解った。引き渡しは断念するから、処刑の時に立ち合いを求める。」
「立ち合い?うーん。大人しくできる?」
「睨みはするが大人しくするように努めよう。」
「「交渉成立ね。だな。」」
「ペンタスから貰えるものは何でも良いのか?」
「挙げられるものならね?国をとか馬鹿なお願いじゃない限り、聞くつもりよ?」
「そんな馬鹿なことは言わないさ。楽しみだ。」
「???じゃあ帰るわよ。」
「あぁ。1つ忠告だ。歪みを正すとき、かなり反発を食らう。つぐみは強いかもしれない。四獣もな。だからこそ、隙を狙われる。弱い所をな。油断するなよ。何かあったら頼れ。1人でやろうとするなよ。解ったか?」
「うん。」
「良い子だ。気をつけて帰れよ。」
「ありがとう。じゃあね!」
何だろう。何か何か…あー。ヤバイ。ヤバイよ。早く帰らなきゃ。
「魔王ーどういうつもりんなんだよ?」
「何がだ。」
「チッ。とぼけやがって。」
「アカメ」
「はっ。」
「これよりは神子との繋ぎとなれ。いざという時は彼女を守れ。これは王命だ。」
「しかし、陛下私は…」
「お前のためでもあるぞ?」
「えっ?」
「神子に危険が迫った時、彼女ではなく白虎を優先したら…お前だけでなく自分の赤子であろうとも始末されるだろう。すべがらく一族郎等…白虎自身の手でな。」
「なに言ってんだ!当たり前だろ。」
「…っつ。」
「アカメお前、それ程の存在だと思っていなかっただろう?」
「申し訳ありません。」
「だから王命とした。お前のせいで魔国を滅ぼされるわけにはいかんからな。もう一度命ずる。アカメよ神子を守れ。何よりも優先させよ。彼女は神子。神の子なのだ。身に刻め。」
「王命受けたまりました。」
「白虎よ。私も注意はするが…つぐみが動く前に教えてくれるか?神子のベストがつぐみのベストとは限らぬぞ。」
「解った。う?ってかなまえー!!」
次回はジークくんが復活します。