side ペンタス
連続投稿です。
誤字脱字があったらすみません。
7/25読みにくかったので加筆しております。
ここは国の中枢。
国王シオン=ペンタスの執務室である。
一人の魔術師がやって来た。
「陛下ご報告に参りました。」
「入れ。」
「はっ。召喚儀式が無事に終わり、召喚されました。」
王の頭には?がいっぱい。
「召喚された?」
「はい。」
「誰が?」
「異世界からのお方で可愛らしい少女です。」
そう言えば…成功するかもわからない眉唾物の儀式をやるって言ってたな…。
「マジ?成功したの?」「陛下自が出ています。」
「あぁ、すまんすまん。で、どうする?」
自が出てしまい、宰相に叱られた。幼なじみな為気安いのだ。
「それを含めご相談致したく存じます。」
バタン!
ドアを開く音がした。何の先触れもなく王の執務室のドアを開けるとは…。誰だ!と睨むと…。
「父上!異世界からの方が召喚されました。救世主です!
私が代表してお話しましたが、可愛らしい方で黒目に黒髪なのです!
珍しい!お声を聞く前に倒れられまして…客室にご案内し、侍医に見せております。どうしたら…」
息子であった。しかも鼻息荒い…ちょっと鬱陶しい…。
周りが全く見えていない。
「待て…待て待て!救世主とはなんだ?まだ何も決まっておらぬ。勝手に呼ぶでない。執務室に許可なく入るな!」
「申し訳ありません。ですが…」
「もう良い。少し黙っておれ、宰相と話しておる。」
これは早急に対応しなければ…だが何でも手放しで与える訳にはいかない。利用価値がなければ…。どうするか…。
「宰相、召喚されたとはいえまだどんなものか解らぬ。神官長を呼び、悪しきものではないか確認させよ。
意識もないのであろう?ちょうど良い。鑑定ができる魔術師団長は今は城か?」
「いえ、調達に国境の砦に出ております。」
調達は国に取って優先事項だ!だが…。
「東側か?」
「はい。」
「では時間がかかるが、呼び戻せ。」
「御意。」
後は…。
この息子でも幼子であるなら御せるだろう。任せられる者も今は居ないしな。
「レオン。」
「はい。父上。」
「神官長の確認が終わり、安全だと確認されたら、異世界からの方を丁重にもてなせ。右も左も解らぬだろう。また、少女とのこと。不安だろう。侍医の意見も聞いて優しくしてやれ。」
「はい。父上。お任せください。では。」
「うむ。」
息子が去ったことを確認すると、宰相に話しかけた。
「宰相?どう思う?」
「まだ、解りません…相手にもよりますが、使い方次第では莫大な利益を得ることができるかと…。
例えば、救世主や勇者だとすると攻撃力が高いと思われます。
であれば、目の上のたんこぶである東側をぶっ潰すことができますし、聖女であれば治癒力が高く結界魔法が使えるでしょう。強兵と防衛に役立ちます。」
「なるほど。少女だと聞いたが…御しやすければよいがな。レオンも気に入っているようだし…なぁ。」
「まずは様子見ですね。王子殿下は見目麗しい方。甘い言葉で陥落するかもしれませんし…。」
「砦からは1週間か…レオンのお手並み拝見だな!」
「御意。」
成功すると思ってなかったから、主だった役職の者たちは参加していないという事実。