指輪の決定
さて、今日もジークは舞い上がるのか!?
「じゃあこのデザインの指輪で決定でいいかな?」
「はい。とっても楽しみですわ。」
めっちゃ嬉しそうだなジーク。まぁ。私もワクワクしているが…。
あの後、それはもう、ジークとクロード、果てはダリアに私の侍女含めて弁明していた。関係があったのは2年前で子供が生まれて無いのはしっかり確認後、関係は清算済み。賠償もしているとのこと。見初めたわけでもなく、清算後は会ってもないし、これからも会うつもりはないと何か嬉しそうにジークに至っては話していた。クロードは聖女を不安にさせたということで、減俸3ヶ月の処分を受けたが、特に気にした様子は無かった。
指輪の素材やお互いの瞳の色の石を入れることなど、ジークの説明を受け…今更ですがジークの瞳の色は翡翠です。上質のエメラルドと黒曜石を用意すると張り切っています。
私からの要望は小さくて良いからサファイアを入れること。サムシングブルーだ。花嫁の幸せを願うサムシング4の1つ青いもの。こちらの伝統もあるだろうから1つだけお願いした。ジークは自分のにもいれようかなぁ?と張り切っていた。花嫁になるの?
まぁ幸そうだからいいかと頷いた。
この人を全力で愛し、愛しい人の子を産もう。子供を愛し育もう。ずっと一緒には要られなくても。悲しむが後悔はしない。そう決めた。エピネが真実を求めてくれたから…。
『エピネは聞いただけ。』
起きてたの?
『起きてる。本読んでた。』
2ヶ月が過ぎたが授業は順調だ。レイズには太鼓判を押され、3ヶ月後の鑑定が楽しみだと言われた。魔力量も十分で今は回復や結界魔法を念入りに練習している。発動も早くなった。魔法の授業はガッツリ減らされたが…
1ヶ月半が過ぎ、魔力量が同量になった(様にみえる)時にジークはゴネタ。もう、夫婦になっても良いのでは?と。
だが、ザマスは強かった。
「蜜月に入ればお妃様を離さず、妃教育などさせてくれないのだから約束通り3ヶ月待て、短縮は許さない。」
「ならば魔法の授業を減らして妃教育を重点的にすれば良いのでは?」
「1日に何回も訪問して授業を中断させるな。面会は晩餐の時のみにして、茶会にまで入って来ないならば短縮を考える。私が太鼓判を押すまでは短縮などしない。」
この応酬時私は貝になった。
妃教育はカテーシーなどの挨拶は及第点を貰っているが、貴族名鑑で躓いている。名前と階級、爵位が面倒。特徴を聞きつつ頑張って覚えるしかない。暗記は努力だ。
歴史も楽しい。建国の所から最盛期にかけて学んでいる。転換期が聴きたいのに情報がかなり少ない。意図的に排除したのだろう。詳しくは時間がない為また今度と言われさらっと流されている。歴代の王の名前だけ完璧に覚えろと言われた。また暗記だ。替え歌を作り中。
短縮の意見が通らず、面会の時間まで減らされ見るからにしょんぼりのジークをクロードからどうにかして下さいと頼まれた。
嫌、だから私一生懸命に勉強頑張って…忙し…はい。
目が怖かった。
私は全力で媚びた。
「ジーク様。そろそろ、聖女ではなく名前で呼んで頂けませんか?夫婦になるのですもの。ジーク様だけが呼ぶ愛称を付けて下さりませ。それに、面会時間が少くて寂しゅうございます。晩餐後サロンでお話しませんか?貴族名鑑で覚えるのが大変なのですコツを教えてくださりませ。」
「いい考えだね!。妻の名前を呼ばないなんて夫として不敬なことをしてよね。ごめんね。私があなたに相応しい良い愛称を考えよう、それにレオンにアビィ呼びも止めさせないと。愛称呼びは夫の特権だよね。クロード書状をだせ。後、貴族名鑑も持ってきてくれ。妻に勉強を教えるのも夫の役目だ。時間短縮にもなる!!」
「ふふふ。折角ですから、私もジーク様の愛称を考えますわ。一週間後発表しあいましょ?」
これで一週間もつ。
クロードが笑顔で親指を立てていた。
ジークは崖を落ちずにすんだ。小躍りを始めた。
次回久々のシリアスです。