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はぁ? 完結!  作者: 千桜
第三章 外遊編
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番及び半身対策法 前編

おはようございます!

今回は長めです。最長かも?

切るところがなかなか難しかったので…すみません。

シリアスではありませんが虐待の表現がございます。ご注意下さい。


3日後


「邪魔するぜー。」


ドワーフ国王のマンサクと王妃様がやってきた。


「ようこそ…は可笑しいですね。本来ならば国を上げてルピィの歓迎をしたかったのですが…一別以来ですね。両陛下。挨拶は省いても?」


「ああ。俺は無視かよ。いいけど…。」


「はい。私もアビィとの再会を楽しみにしていたのですが…民の安全が第一ですわ。」


ドワーフ国王は戴冠式時に王妃には外遊時に会っている。私の初のお友達でミニマムだがとてもしっかりした巻き髪がお似合いの方なのだ!今日は違うが…。


「では、早速。ドワーフの方の素性と家族お分かりになりましたか?」


「ああ。見つかった。ドラゴンから連れ去られたと国に届け出が出ていてな。何とか出来ないか国からもドラゴン国へ打診していたのだが、国王不在の連絡ばかりで何も出来ず…だが、幸いにも兄弟が生きていた。ドワーフも魔族程ではないがそれなりには生きるからな。兄弟も引き取りたいといっておる。名前も両親が候補の書類を残して居たようで直ぐに教会に行けるそうだ。」


「良かった…。」


私もポトスもカンパニュラ夫人も息を付く。


「僭越ながら私発言しても?」


カンパニュラ夫人が手を上げる。私はドワーフ国王夫妻に目を向けた。


「良い。」


「ありがとうございます。お初にお目にかかります。王宮顧問をしております。スパティフィラム=フォン=カンパニュラと申します。以後お見知りおきを。国として兄弟に預けた後そのままということではないですよね?」


「私がお答え致しますわ。ドワーフ国王妃ルピナス=フォン=イキシアです。今は私達だけです。忌憚無い意見をお願いしますわ。そして、勿論です。定期的に面会し、生活の支援も行っていくつもりですわ。私自ら準備を整えておくつもりです。兄弟達と一緒に住みたくなければ、住宅の支援も行うつもりでもございますが…一人暮らし出来そうですか?」


「無理かと。赤子のころに誘拐されずっと監禁されて居たため、学ぶ機会が一切なかった様です。お金の概念もありませんし、食べ物も料理する。衣服も洗濯する。部屋を清潔にするなどの概念もございません。全てドラゴンがやっていたようですね。出来ることは朝起きる、ご飯を食べる。排せつする。椅子に座る。夜に寝る。ですわ。しつけられたのか食事姿はきれいでした。」


「なんてことを…。」


「むごいな。」


ダン!とドワーフ国王が机を叩きつけた。


ドワーフの方は規則正しい。所作に問題は無かった。だが、すぐに侍女が異変を知らせてきた。椅子に座ったらずっと座ったままなのだと…。なにもしない。本を読むやおしゃべりや刺繍。それらを薦めてみたが頭を傾げるだけで手にとらない。聞くと本とは何かも知らず、何をお話するかも解らないとのことだった。刺繍に関すれば針とは?それが何になるのかも解らないとこと。


「陛下、落ち着かれませ。当たり散らしてもどうにも出来ません。大切なのは彼女をどう支援していくのかなのです。一秒も無駄には出来ませんから。」


ルピィは冷静だった。揺るがないと決めてきたのであろう。カンパニュラ夫人は口を開く。


「ご兄弟には女性はいらっしゃいませんの?それかお身内にご高齢の女性は?」


ルピィは書類をペラペラとめくり、首を横に振る。


「では、一緒に住むことは断念した方がよろしいかと…。」


「なんでだ?男兄弟ではダメだと言いたいのか!?愛情に男女差はないぞ!」


男女差別の話じゃないのよ。愛情に差わないだろうけど…。全く。ルピィの話をちゃんと聞いてたかい?


「ここは私が説明致します。イキシア国王殿?解っておりますが、この場合は別です。一番大切なのは彼女の事。我慢強く、強要せず、寄り添い、見守ることですわ。男性には出来ます無い。男女差別しているのではございません。出来る出来ないの問題ですわ。ですからカンパニュラ夫人もご高齢の女性と申したのです。お若いかたにも難しいでしょう。」


まだ、この世界のどの国にも精神的なケアの考えは薄い。プロのカウンセラーなど居ないのだ。この世界に要る条件に合うかたを付けるしかない。消去でいうと気の長い、酸いも甘いも知っている、落ち着いた何でも対処の出来る人となると高齢の女性なのだ。


「俺の範囲を越えたな。すまん。感情に流された俺が悪い。全面的に王妃に任そう。カンパニュラ夫人怒鳴ってすまなかったな。俺はマンサク=イキシアだ。何か有れば言ってくれ。協力は惜しまない。」


「滅相もございません。民のために怒ることのできる権力者は貴重ですわ。お気になさらず。ただ、出来るだけ良い環境での静養が彼女には必要です。家族の愛も必要ですが…彼女は自分を取り戻すのでは無いのです。これから自分を作っていかねばならない。かなりの精神的ストレスを抱えます。焦りなどもっての他ですわ。」


「そうか…。分かった。王太后殿。良い部下を持ったな。微調整は王妃と頼む。では、俺たちで話せる事を話そう。2国間の番及び半身対策法の制定の件だ。」


長くなりそうだ…。


カンパニュラ夫人には退出して貰った。これからは国同士の問題だからだ。


「イキシア国王殿で大丈夫なのですか?」


私には法律にも詳しい宰相のポトスがいるが…確か、この国王鉱石掘り名人だったよね?法律詳しかったけ?しかもさっきぶちギレてたし…。人情味溢れる人だけど…ね?


「懸念もっともですわ。ですが、この一報が入った時、ものすごく後悔したそうなのです。国王としてもっと出来ることがあったのではないかと。政治を無視してはいけないと思ったそうなのですわ。陛下は別に政治を無視しているわけではないのです。外交に疎くはありますが…ですが、これから国同士の交流が増えていけばそうは言っていられないと思うのです。ですのでアビィ、どうかお付き合い下さいませ。悪いところがあれば指摘していただいて結構ですので…。何とか宰相ともこの法案について話し合って参りましたから…。」


「よろしくたのむ!!俺のことはマンサクってよんでくれ!」


おーい!マンサク殿ー。そこはいい笑顔じゃダメでしょ。私は練習台かよ。まぁ。いいけどね!


「そろそろよろしいですか?私が話を薦めても?」


ポトスバッサリ切ったね。3人は頷いた。


「ありがとうございます。今回2国間としましたのは。どちらの国にも番や半身の概念がないからです。本来ならばエルフ国もですが、今はその様な状態ではありませんのでエルフ国は保留です。ドワーフ族や人族、エルフ族が一方的に求めることはない。求められる側だからです。他国からじゃなくても人を誘拐して伴侶にするはどちらでもどの国でも犯罪です。裁く法律がありますが、何故か番、半身となると適応されません。概念が無い側にも関わらず意思の確認もされない。しかも、対抗する種族が強すぎます。個人で対処できるレベルではない。離婚も無理です。被害者の払う代償は計り知れない。ですので、2国間で対処できるように法律を定め、内外に周知し、国民の身を守る為のすべを少しでも上げていきます。」


「いいだろう。うちの宰相もこの件については賛成している。どこから始める?」


「主に4つですが、。1つ目の国民の把握は各々。ここからが2国間で共有したい案件です。防衛システムの構築、法律の制定、罰則への対処の連携ですね。」


「防衛システムとは?砦の強化か?」


「そうですね。強化だけでなく関所をもうけます。どの国から誰が国に入ったか、国民の誰が出たかを把握します。国からの証明書がなければ出れませんし、入れません。また、空からの飛行物体にも国への連絡義務を科します。連絡なく通る場合は最悪攻撃もあり得るとします。」


私が提案したのはパスポート制度だ。どの国の誰さんですという証明さえあれば出入国できるとした。持たないものは保証金がかかる上に国に確認してからの入国となるためものすごく時間がかかる。保証金もある程度高めに設定する予定だ。


「確かに…怪しいものはまず、入れないということですわね。しかも、証明書がなければ出られないのであれば誘拐は難しい。脅して証明書を取れば出来なくは無いがその間にバレる可能性が高まる。被害者も助けを求めやすいと言うことですわね。」


流石ルピィ。理解が早いわ。


「だが、国を持たない者も要るだろう。流浪の民っていうのか?そいつらは保証金など出せない…貧しいからって悪いことをしてるわけではないだろう。旅一座だっているだろし…。そいつらどうするんだ?」


3人が目を見開きマンサク殿を見る!!


「なんだよ!俺だって色々…口を挟んですみません。」


「いや?良い着眼点ですよ。ドワーフ国王陛下は視野を広く持っておられる。素晴らしい事です。大切になさいませ。その者達はギルドからは証明書を発行して貰います。ドワーフ国王陛下ならば様々なギルドがあることもご存知ですよね?旅一座は商業ギルドには登録はしていませんか?」


「ああ!そうだな。行商は商業ギルドだ。旅一座も商業ギルドに登録してあると思う。なるほどなぁー。ポトスすげぇなぁー。」


うん。ポトスを褒めてくれてありがとう。マンサクさんや雰囲気が良くなったのは良いけどあまり、国同士のお話し合いがのほほんとするのはダメなのよ?ピリッとした緊張感も大切なの。ミスするわけにはいかないからね。


「うふふ。陛下。それぐらいで。」


「はひ。」


おっふ。ルピィ。眼光するどいですねー。


「それだけ証明書を発行できる部署があればほぼカバー出来ると思いますわ。まぁ。導入には時間がかかるでしょうが…。証明書への記入方法など、書式はどうされるのですか?」


「すでにギデオン大公とレンギョウ親方に依頼済みです。どちらも張り切っておられますよ。」


「ほう。魔石が必要であればすぐに言ってくれ!レアでもなんでも掘ってくるぞ。」


マンサクさんや?嬉しそうですな。そのやる気はトロッコや鉄道にお願いしたい。え?もう取ってきた?仕事早いね。

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