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はぁ? 完結!  作者: 千桜
第三章 外遊編
148/154

カタクリの国治め 4

おはようございます!


ドラゴン国編最後になります。

カタクリの視点も終わりです。

最後までシリアスだったかも…。

すみません。

「あははははは。あは。ちょーうける。その姿!ザマァみろ!やっとだ。あんた。それ、そのトカゲこっちに頂戴よ。あたしの番なんでしょ。その、虫籠くれなくていいからさ。トカゲのままでこっちに頂戴。」


その人の顔は今でも忘れられない。僕は危ないからと護衛に囲まれた。外に出されそうになったが、責任者だから最後まで見届けると言い張ると部屋から出なくて済んだが角に寄せられ見てるだけだと約束させられた。


ザマス夫人とユーカリで説得しているが全く伝わらない。その人はペンタス時代の人族でドラゴン国側に近い海沿いの小さな村に住んでいたらしい。


「そのトカゲが、私をここに勝手に連れてきたの!私は違うって何度も何度も言ったのに!聞いてない、私は番なんかじゃないし、そのトカゲを好きでもましてや愛してもいないから一緒にいられないって。はっきり言ったのに!」


「ここに連れて来られたのですね。」


「そうよ!大丈夫だ。必ず俺を愛すようになるから、関係ないって。お前さえ居てくれれば良い。の繰り返し。私にはー」


キッと虫籠のドラゴンを憎しみをもって睨んでいる。


「私には?何があったのですか?」


なるべく話をさせて落ち着かせようとザマス夫人が声をかけている。


「夫が居たの!結婚してたのよ!子供も居て…まだ、三歳と五歳で…あーあーあーー。」


絶句。


「もう、何年経ったか解らないー子供達の目の前で拐われて…何度も逃げようとしたけどその度に捕まって。何故逃げるんだ!なぜ解らないんだ!って責められて!何度目かには歩けなくされたわ!!解るわけ無いでしょ!今でも解らないわよ!私が何をしたっていうのよ!」


「何も…何も悪く無いですわ。貴方は間違っていません。貴方は強いかたです。今の今まで家族を忘れず帰ろうとなされた。助けが来なくても諦めなかった。貴方は立派な母であり、妻です。このトカゲの番などではありません。確かに何年経っているのか解りません。何百年かもしれない。でも、諦めなかった貴方のその姿を私は見ています。今、このトカゲを殺せば命が繋がっている貴方の命も失われる。もう少しだけで良いのです。諦めずに祖国に戻り家族を探して見ませんか?私が全力を持ってお手伝いさせていただきますから。」


「家族は生きていないかもしれないのよ!何の意味があるのよ!」


「解りません。ただ貴方の人生がここで終わるよりは意味があると思います。少なくともこのトカゲの側で死ぬ事は無くなりますから。」


彼女の目が見開いた。一緒に死ぬのはお嫌でしょ?私でも嫌ですわ。と笑顔でザマス夫人は伝えている。死ぬ事を止めもせず、満足に死ねる死に様を薦めるとは…。


「私も教皇として全面的にご協力致します。教会には全ての国から婚姻、出産、訃報の知らせが入ります。どんなに小さな村でもです。ですから戻りましょう。故郷へ。」


今まで沈黙を貫いてきたユーカリが話しかけた。僕もと声を出そうとしたが…二人から顔を横に振られた。

彼女はザマス夫人に付き添われてカルミア国へ戻って行った。


「お前は戻らなくて良いのか?」


僕は王宮に戻り、書類に追われた。事への後始末である。一件目と十件目はどちらも拉致監禁だ。片方は乳児誘拐監禁犯で片方は誘拐監禁犯だけでなく、番の足を歩けないように潰している。


「あの、屑トカゲ二人をどの様に裁くのか見届けねばなりませんから。」


「3人だろ。はぁ…ドワーフ国王も、カルミア国王も怒るだろうなぁ。」


頭が痛い。いっそ処刑するか?とも思うが、それでは番である彼女達まで死んでしまう…。牢に閉じ込めるしか何も無いのだ。ドラゴンにとって一番の罰は番の側に要られないことなのだから。


「あぁ。前竜王ですか?彼はそのままで良いのですよ。死んで貰う方が困ります。神もそれがお望みです。輪廻にまで付いてこられてはあの、エルフの方が安心して生まれ変われないので。かの方が生まれ変わると決められるまでは、この現世で生きていて頂きませんと。ドワーフ側は解りませんが、カルミア国側は貴方を責める事はありませんよ。貴方が動いたからそこの現状ですから。ですが、賠償金は求められるでしょう。」


一見平等に見える寿命を繋げる魔法だが、全く違う。死ぬのは番のみなのだ。番が死んでも繋げた側は死なない。前竜王がピンピンしていることが証拠だ。番を道連れにするが自分はならないようになっている。自己ちゅーが編み出した自己ちゅーの為の自己チューな魔法なのだ。吐き気がする。


「なるほど。ではそのままで。残り二人も牢行きのみで、命は保留。被害者側の方々が望めばその時点で処刑する。賠償金は当たり前だな。腐っても王族だったもの達だ。かなり溜め込んでいるはず。国からも補填させて貰うつもりだ。」


僕の意見にユーカリは笑顔で頷いていた。


「もう、心配無さそうですね。貴方は立派な竜王にお成りですよ。」


「嬉しくない。」

ドラゴン国編終了です。

すみません。最後までシリアスでした。

次回からカルミア国、鶫の視点に戻ります。

でも、シリアスかも…。

うー。シリアスが続くとギャグをいれたくなるー。


それと

ブクマありがとうございます!嬉しいです!


終わりが見えて参りました。最後までお付き合いくださると嬉しいです。


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