閑話 ポトスとゼラニウムの事情聴取
これから2話程閑話をはさみます。
月曜日は本編ではなくて閑話となりますので、
よろしくお願いします。
「行きたくないーー。」
「何を言っているのですか。事実確認は必要でしょう。カルミア国側だけの聴取では要らぬ疑いをかけられるかもしれないのですから貴方も立ち会ってく下さい。」
へぇ。あの神子様至上主義な臣下なのだと思っていたけど…彼女の言葉を鵜呑みにせず、事実を確認することを怠ったりしないのか。意外ー。
「何ですか?その意外そうな目は?」
失礼だな。と堂々と私めにも意見する。明らかに私めの方が年齢的にも実力的にも上だと解っているだろうに。同じ宰相と地位同士として対等だと言いたいのだろうな。カルミアが下に見られないように。
「これは失礼した。貴女方に取って魔王妃様の話はすべて真実になるのかと思っておりましたのでー。」
「まだ、魔王妃にはなっておられません!王太后陛下のご意見は確かに貴重ですが、間違いを犯さないとは言えません。誰しも間違いは起こるもの。私はそう学びましたから。」
カルミア国王陛下もだが…魔王妃様のことを好きすぎない??結婚本当に出きるのでしょうか??うちの魔王陛下は。
「素晴らしい心掛けです。ぜひ私の事はモモとお呼びくださいませ。自立され、自分の目で確認されているのですねー。ぜひ魔王妃様の事も自立されてよいのですよ~?」
「はあ?何で貴方の名前…しかもそんな名前じゃなかったでしょうが!?」
あっ。青筋ー。これ以上は止めておきましょう。魔王妃さまを出禁にされては困ります。
「恥ずかしがらずに…是非にでも!愛称とでも言っておきます。あ!あいつですよー。エルフ国の族長。確か…タンポポだったかな?エルフが一番崇高な種族と思ってるアホですー。」
左の結界にぎちぎちに入れられているタンポポを見つけた。
「お前は!魔国の宰相ではないか!早くここを出せ。あの女はこのエルフ国を滅ぼそうとしているのだ!エルフに手を出して世界樹が枯れたらどうするつもりだ!しかも、神子まで連れていきおって!ドラゴンに続き、他の種族は本当にろくなことをしないな!」
「「……。」」
何処から突っ込んでいいのかー。だから話したくなかったのにー。
「これ、話す必要あるのでしょうか?」
「悩む…がダメです。宰相は一方を聞いて沙汰するなと言われているのでね…。誰であっても。別に悪いところを指摘するとか改善させる必要はないので、ただ、どこで、何を、どうしてしたのかが解ればよいのですよ。」
「成る程。」
カルミア国になり、本当に変わったのだなと私めは思いましたぁー。人族とはひ弱な割に団結力と発想力が有るものだから力で押さえつけても要らぬところから反撃を喰らうのです。例を挙げればあの前竜王のドラゴンですね。あれの番を隷属させる等誰も出来ないし、思わないですよねぇ。エルフ族でさえ、見て見ぬふりをしたのですから。
「タンポポ殿でしたか?貴方は女性に閉じ込められたとおっしゃいましたが、何故閉じ込められたかはご存知ですか?」
「何故人族のそなたに答えねばならぬ。あのような野蛮な女と同じ種族であろうが!話しにならぬ。おい!魔国の宰相!そなたも上司があのような女を妃としたこと遺憾ともしたがたいだろう。私が手を貸す。そなたが魔王となり、我がエルフ族の神子と契るのだ!さすれば世界樹は息を吹き返し世界は安定するだろう。」
「「……。」」
殺ってしまいたい。
「魔国の宰相殿!殺気が凄い!他の者達まで怯えてるから!その殺気しまって下さい!!宰相殿!ぜ…ゼラニウム殿!モモ!」
「はいーー!ふふ。やっと名前を呼んで下さいましたねぇ。ですが、魔王陛下と魔王妃様の悪口を言われたのでー。すみません。」
「はぁー。まぁ、解ります。が、まだ魔王妃ではありません!世界樹を枯らしたことも理解しておらず、未成年に性的強要も事実と。ハギ兄上記録バッチリですか?」
四獣の一人玄武のハギ様がポトス殿の肩で丸を作っている。エルフに背を向けた状態でスライムだから透けてるのですが?。意味があるのでしょうかねぇー。
「大丈夫!心配しないで!一言一句たがわず記録しているから。だから、そいつ封印してもいい?」
「ですよねー。私めも同じですー。」
「まだ、だめです。」
もう、いいんじゃねぇ?と思うがまだ、ダメらしい。
「貴女方は世界樹の守り人と言われていますが、世界樹が枯れるまで何をなさっていたのですか?」
「はあ?これだから人族は…世界樹が日々健やかになるように見守るに決まっておるであろうが。」
「具体的には?」
「清潔を保ち、雑草等が世界樹を脅かさないように排除する。また、不埒なものが世界樹に近づかない様に見張るのだ。」
「不埒なものとは?」
「あの野蛮な女もそうだが、魔獣やら妖精やらが世界樹に近づかない様にするのだ。世界樹に近づけるのは選ばれたエルフと精霊のみだ。」
アホだーー!!アホに失礼だな。魔力供給が全くなっていない。しかも、妖精まで排除するなど…精霊の一種でもあるだろうに…正気か?
「世界樹が枯れるようになったのはいつからですか?」
「先代のエルフの神子が忌々しいドラゴンに連れ去られてからだ!」
「異変が見られて何百年も経っていると…。神子を探さなかったのですか?」
「ドラゴン何ぞに汚されたエルフが神子に等戻れるわけがなかろう。何故探さなければならぬ。」
「連れ去られる時に抵抗さなかったのですか?」
「神子の両親らは抵抗しておったぞ。ドラゴンに殺られてしまったがな。番と認定した者をドラゴンから取り戻せるわけがなかろう。一族が全滅するよりましじゃ。」
「引き際は見事ですね。粗方聞き終わりました。魔国宰相殿は何か無いですか?」
「つーん。」
「モモ殿は?何か無いですか?」
うふ。ちゃんと呼んでくださりませんとー。私めはもう、振り向きませんよ?
「殿も要りませんが今は良しとします。新な神子は魔王と契ったらどうなるのですか?」
「世界樹が回復した事が確認できたら魔国に嫁いで頂く。孕みでもしたら大変じゃからな。エルフに混血は要らぬ。」
「あはー道理でダークエルフが魔国のみに存在している訳ですねぇ。魔族と契ったエルフはお払い箱ですかー。もう、殺っちゃっていいですか?」
「だめです。全世界の国家元首にお知らせしてから罰を決めて頂きます。でも、もう、聴くことはないので余計なことを吐かれても謀られても困ります。眠って頂きますか?」
あら?意外に冷静。私めは恥ずかしい。ポトス殿は家族が関わらないと平等なのですねぇー。うふふ。美味しそう。あら?玄武様?何でスナギツネの目を私めに?
「君?そのハンター見たいな目をポトスに向けるの止めてね。魔国の宰相はだったかな?ダメだよ。ポトスはハギ達兄弟の可愛い末っ子なの!。」
「玄武様ー。失敬なー。とても本気な目を向けているのですよ?とてもとても魅力的でみずみずしいではありませんか。こんなに滾ったのは久々です!」
「生々しいし、卑猥すぎる!ダメ!ポトスは純粋培養なの!もう少しでお父さんにもなるんだからそっとしておいて!君みたいなのに喰われたらポトスなんか一溜りも無いよ!」
「一皮剥ける良い機会ではないですかぁー。」
「いらない機会!!もう!君出禁!ポトスに近寄っちゃダメ!」
魔王陛下達の元に戻った私はハギ様より報告を受けた魔王妃様からカルミア国への出禁をくらった。
せっかく仲良くなれると思ったのにー。
魔王陛下より呆れた目を向けられた。
よいのです~よいのです~よ。これで。
寿命は先ほど名前を呼んで頂いた時に繋げましたからー。
ポトスは今は幸せなようですから。見守ります。
いずれ私めの元に戻ってきてもらいます。
その時は覚悟しておいてくださいね。
私の半身。
絶対に逃がしませんから。
最後がホラーに…。ポストは厄介な人に好かれるタイプです。
本編はまだ続きますし、ストックも大丈夫なのですが…閑話が…なくなりました…。
ごめんなさい。
第3章もそろそろまとめに入って行きますので、そちらになるかもしれません。