エルフ国にて 5
よろしくお願いします!
「流石カリン兄上。神子の扱いが上手いですね。目が全然違いますよ?目にハリネズミが浮かんでるな。あれ。」
「自分の伴侶や娘の応援より効くってのはどうかとハギはおもうー。」
外野!うるさいよ!花梨の応援とモフモフへの出会いはプライスレスなの!尊いの!ブルーとプルメリアは蹲ってぶつぶつとすねているようだ。ポトスがフォローしている。末っ子がんばれ!私は最後の追い込みとばかりに全力で魔力を流すと…。
バっバリン!!
大きな音と共に
「やったぁー!!お姉さま!解けました!!そのままゆっくり今までの半分の量で良いので魔力を流し続けて下さりませ!どれほど世界樹が戻るのかを確認したします。」
「喜んでぇー。」
手の感覚がもうそろそろ無くなりそうだけどねぇー。もう、ここまで来れば何でもござれですよ。
う?なんか影が出来だしたな。あっ!?ちがう。私は上を向いた。世界樹の葉が揺れてる!風もないのに!
「お姉さま!?やりましたぁ!全部はやはり無理でしたが、半分以上は戻りました!これなら挿し木が出来ます!上手く行けば株を増やせます!」
これを聞いた私を含め皆がかけより大喜び!ブルーと私は抱きしめ合った。プルメリアは泣いてイチゴさんと喜びあっている。四獣達とポトスはハイタッチしていた。ゼラニウムを中に入りたそうにしていたがポトスに握手で返されていた。
しばらく世界樹の様子を確認して安心した私達は私の手の治療とこれからのエルフ国をどうするのかを話し合う為イチゴさんを連れてカルミアへ戻る事となった。
一般のエルフの人たちには世界樹の件は保留とし、世界樹のことを何も知らないまま一帯の立ち入りを禁止して解放した。お家残ってないんじゃ…?ってうん!だろうね!でも、森の管理者で森の人何でしょ?それにここまで世界樹を放置したことの責任の一端はあるだろうしー。少し野宿するぐらい大丈夫じゃね?何の抵抗もなく去っていったし。
真っ黒でグレーな方々はそのまま結界の中で待機してもらう。解放なんかしてまた世界樹を枯らされてはかなわないし、責任は取って貰わないといけないからだ。
カルミアに戻った私はセバスに泣かれ、カラーとリンドウに静かに怒られた。まぁ…私を堂々と怒れるかたは一人だけだ。
「どうしてこんなことになるっているでザマス!あなた様が前に出なくてはならない問題であったことは解っておりますが、本来高貴な貴婦人とは前に出て戦うことはあってはなりません。その前に片付けてしまわねば。それができなかった我々臣下の失態でもありますが、戦うのであればトップは怪我を負ってはなりません。臣下が傷一つ無く王太后陛下のみこの様なことになるとは…。」
ギン!っと臣下達皆に目を向けるザマス夫人。夫人?その人魔王だよ?臣下じゃないよ?ブルー何で大人しく一緒に整列してるの?
伴侶を名乗るのであれば守れなくてどうします!?とザマス夫人に迫られているブルー。
その後ザマス夫人の私やブルーを含めた臣下達への有難い熱血指導は30分続いた。
私の手は全治1ヶ月。自分で治せたら速かったが、魔法が使えない為神官にお願いすることになった。
動かないのは手だけだしーでは、エルフ国の復興の話し合いを!と張り切ろうとしたがザマス夫人は強かった。
「陛下は私の話を聞いていらしたのでザマスカ?臣下に仕事をさせなければなりません。この様な事態になるまで気づけなかった宰相初め、文官達の情報収集能力の低さと、王太后陛下への怪我を防ぐことができなかった武官達の護衛力の低さが問題なのです。貴方一人が神がかった強さをお持ちでもそれは国に取って良いことばかりではありません。あなた様がいつ何時どうなるか等解らないのですよ?それでは国は立ち行きません。その強さを国王陛下もおつぎであるならばまだしもそうでないのでしょう?あなた様が出向かざるを得ず、怪我まで負うことになったことの総括と責任はエルフどもは当たり前ですが、臣下にも取らせねば。」
「はい。ごめんなさい。」
「よろしいデザマス。今日からあなた様には罰として淑女教育のやり直しを致します。今回は刺繍や詩集や絵画とうの習い事も抜け目無く行います!」
「ひぃ!!」
私はそれから3ヶ月間淑女教育の為と称して自分の宮から出ることができなかった。私の怪我は1ヶ月…刺繍等の習い事は手が治らなければ出来ませんことよ?と言われて何も言えず…。せめて誰かと!一人でだと挫けそう!と訴え、私の隣では可愛らしい学友が居る。イチゴさんだ!私も教育を受けたいと手を上げてくれたのだ。天寿を全うしてからの転生なだけあってものすごく大人だ。話していても安心感がある。素敵な方だ。有難い。
エルフの復興はどうしたって時間がかかることだ。臣下と魔国に任せることにして私はイチゴさんをフォローしつつ、世界樹の安定と淑女教育を頑張ることとした。
何とかエルフ国を押さえることができましたぁ。