魔国でブルーとお話
今回は糖度高めです。
R15程度の表現がございます。
お気をつけくださいませ。
「ブルー!」
ブルーは紫の目を見開き驚いていたが、それは、一瞬で私を見て直ぐに優しい目に戻った。何か嬉しそうだ。
「どうした?こんな時間に…。夜這いか?嬉しいなぁ。大歓迎だ。」
私をこっちへおいでと手招きして引き寄せる。
ここは寝室のようだ。
だって大きなベットがあるし、ブルーはソファでお酒を飲んでいたみたい。ガウンを着てるけど…。はだけているところから肌が見えた。
顔に熱が上がってきた。熱いよー。うわぁーん。
私…。ヤバイところに飛んでしまったようだ。
「お前なぁ。可愛すぎるだろ。たくっ。こっちはどれだけ我慢させられて来たと思うんだ。はぁー。それなのに寝所に忍び込んで来るとは…。」
「っ…これは、そうじゃなくて…その。ブルーが困ってるって聞いて、私そんなこと聞いてなかったから何でって思って…。話してもらえなくて寂しくて…。」
「寂しい?」
私は頷いて手をギュット握りしめた。最初は怒りだった…でも、ブルーの顔を見ると寂しいと思った。
この人の一番は私で有りたいと思った。
「楽しさも怒りも悲しさも嬉しさも全てブルーと一番に共有したい。だから、話してもらえなくて寂しかった。私には一番に頼れって言うくせに!」
何で?何で?そんなに嬉しそうなんだよー!
「私!怒ってるのに!何でそんなに目がキラキラしてるのよ!」
「すまん、すまん。そんなに怒るな。つぐみがあまりに可愛くてな。ずっと見てていたくなってしまったんだよ。だってずっと求めていた半身からの愛の告白だぞ?堪能したいだろ?」
「なっ!?もう知らない!」
あっ愛の告白なんて…!!してして…しるぅ。なんて恥ずかしいことを…。顔をあげなれなくなった私にブルーが近づいて来た。
私の目の前に立つと、私の顔に両手を添えて挙げさせ、額にキスした。
「お前、俺に告白する前に先に言うことがあるだろ?」
「先に?」
「お前の本当の名前。」
「?鑑定で見て、もう知ってるでしょ?」
「あぁ。だが、お前に真名を捧げてもらった訳ではない。呼び方を知っているだけだ。どのような文字かも知らない。つぐみ?名前とは呼び方だけでは縛りは緩い。その名前の成り立ち、書き方、呼び方。揃って初めて真名となるのだ。俺はつぐみと真名の交換がしたい。つぐみは困っているのを助けたいって言ってくれたな?頼れと。交換ができれば大半が片付く。」
ブルーの紫の目が真剣だった。私の頬に濃紺の髪がかかる。お互いの息がかかる程の距離。ブルーが頼ってくれたのだ。答えたい。私は頷いた。でも、私は先に確かめたいことがある。
「私のことブルーはどう思ってるの?ちゃんと聞いてなかった。」
「思う?位ではすまないな。求めてるんだよ。つぐみ。よく聞いておいてくれ。」
ブルーは私の手を取ったて、口付ける。
「私はにずっと半身が現れなかった。魔族にとって半身とはどう言ったものか解らないだろうな。半身とは文字通り自分の半分。片割れ。もう一人の自分。もう、数えるのも億劫でな、うる覚えだが…これでも700年は生きている。その永い年月を半分で生きていくのは辛かったが、お前が現れた。何においても手に入れたいと求めていたが、つぐみには伴侶がいた。お腹には子供もだ。いっそ殺すかと思ったが…。つぐみの目と態度を見て踏みとどまった。そんなことをすれば永遠にお前は手に入らない。俺がどれだけ縛ろうとも世界を破滅させてでもお前は頷かないだろうとな。今は良かったと思っている。ジークを許す機会をお前に与えられたから。」
涙がこぼれた。私達は指を絡ませ、握りしめた。額を合わせて、唱えた。
「私の名はブルースター=ナズナ=ドラセナ。」
「私の名は鶫。神孫子 鶫。」
光ったのは一瞬。だけど、繋がったとはっきりわかった。
ブルーは私の唇に噛みつくようなキスを一つ…二つ……。
唇を合わせるものだけじゃなく舌を絡ませるのも一つした。久々はなんかヤバかった。
「ありがとう。鶫。俺の半身。これからはずっと一緒だ。」
「うん!これからもよろしくね!」
う?この手は何かな?ブルーの手が私の腰に回ってきた。
「おめでとうごさいまーす!!魔王さま、魔王妃さま!」
ドアがバン!と開き、クラッカーがぱんぱんぱん!と鳴らされる。
「はあ?魔王妃??」
なんで!?
やっとです…。
ここまで長かったぁ。
ですが、物語はまだまだ続きます。
しばらくカルミアで話が続きます。