閑話 グラジオラスの災難
予告ていたようなしていなかったようなー。
グラジオラス閑話です!
お楽しみ下さいませ。
俺様の災難はここから始まった。
「試合終了―!インキュバスの勝利だー!勝者には名乗りが許されるぞ!」
俺様は負けた。負けたことすら最初は気づかなかった。意識が朦朧としていたのだ。たが、視界がはっきりしてくると理解した。負けたのだと。理解はしたが納得がいかなかった。何故俺様が敗者になるのだ。俺様はいずれ父上の後を継いで王者に。この国の絶対的な支配者にならなければならない。負けるなどあってはならないのだ。
だから俺様は魅了がかかったままのふりをしてやり過ごす事にした。そうすれば俺様の臣下が助けに来てくれると思ったのだ。
だが、そう簡単にはいかなかった。魅力が解けていることがバレて父上には謹慎を申し付けられ、嫡男ではなくなった。側近達からは白い目でみられ、周りからは腫れ物のように扱われる。
俺様以外後継者となれる王子はいないと言うのに!!弟達はまだ、幼いのだから。なんだ!父上でさえも…あの軟弱な叔父上が後継に相応しいと思っておられるのか!?
高々ちょっとした幸運で青龍様の伴侶となっただけだと言うに!!お掛けで俺様も四獣さまの一人である、白虎様の伴侶となるように挑まねばならなくなったのではないか!
一人部屋でベッドの上で枕に当たりながら日々を過ごして何日が経ったある日。
俺様は草むらで目を覚ました。
「おーい。おはよう!いい加減起きてくれる?アカメは直ぐに起きたのに…拐ってきて草の上だってのに全く起きないって図太いねー。あの試合を見てても思ったけど…。君の心臓本当に鋼なの?」
「あれ?毛が生えてるのではなかったですか?おはようございます!ハギの核は見えやすくて良いですね。とても可愛いですよ。」
スライムからはツンツンされ、銀狐からは枝でつつかれていた。大きな鬼のような男が二人に話しかける。
「止めてやってくれ。おはよう!それと、そいつと一緒にしないで欲しい。拐われた事に気づかなかったのも恥ずかしいのに…こいつは起こされるまでだぞ!危機管理がなっていないだろう。本当に嫡男なのか?」
「うん!グランダルが言ってた。いまは違うよ?第一王子に戻った。」
「なっ!?なんだ!貴様らは!俺様をこんなところに拐うなどどうかしているぞ!?早く戻せ。いまならば、罪は軽くしてやる!」
「「「はあ?」」」
「はあ?とはなんだ!俺様は獣人国の王子だぞ!しかも後継者だ!早く解放しろ!」
俺様はちょっとパニックになっていて俺様を拉致した奴らがどんなメンバーなのか気づいていなかった。
「あはははは。面白いね?嫡男の地位は落とされたでしょ?ただの一番目の王子に過ぎないくせに。嘘はだめだよ?王族は誘拐されることもあるなら普通ならばどう対応するべきか習っている筈だよね?プルメリアでさえも知ってるよ?誘拐犯には嘘は付かず、答えたくないことは黙秘するように教わらなかった?助けが来るまでいかに犯人を刺激せず生き残るかが大切なんだよ!そんなことも知らないなんて…ハギは君の父上から君のことを頼まれたんだよ?この獣人国の好きなところで修行をする代わりに一緒に鍛えてやってくれって。これは鍛え概がありそう!!」
「そうだな。それでは直ぐに殺されてしまうぞ。近衛は誘拐されること事態がまず失態だが、守るべき主人がこれではねぇ。守られる本人にもルールはあるのはずだ。教わらなかったのか?護衛対象者が自由に出きるのはその方が神がかった強さを持っておられればの話だ。護衛がいる方が邪魔になりかねないからね。」
「まぁ。だからって何でも自由に出きるわけでは無いがな。お前は論外だ。王族のなんたるかも知らず、民の前で魔族の上級者とはいえインキュバスにボコボコで負けるなど弱いと証明された様なものだ。只でさえ獣人は強さを重要視するのに。」
俺様はスライムと銀狐と鬼人の誘拐犯に正座で小一時間説教されることとなった。
ハギやカンナやアカメはスッゴクいいことをしてるように見えますが…職場放棄している感覚が全くありません。
本気でグラジオラスを指導しています。
自分探しが大好き隊?自分を探して上げ隊?と言ってもいいかもー。