ドワーフ国へ 4
この回でドワーフ国外遊は終了です!
鶫は何をしていたでしょうか?
ほのぼの回です!安心してお読みくださいませ。
一方ドワーフ国の王宮では。
「お初にお目にかかりますわ。カルミア国王太后陛下。私はドワーフ国王妃ルピナス=フォン=イキシアです。女性の王族のお友達は少ないのです。仲良くしてくださりませ。」
「初めまして。カルミア国王太后のアビゲイル=フォン=カルミアですわ。こちらこそ。お友達になって下さると嬉しいわ。」
とても可愛らしくかつドリルな髪型の女性とお茶会をしていた。生ドリルである。鶫がときめいたことは言うまでもない。
また、鶫にとってお友達とのお茶会は初めてであった。カラーは部下だ。何気に失敗できないこの空間に今だかつて無いほどの緊張感で挑んでいた。
「王妃様は素敵な髪型をされているのね。とても可愛らしいわ。いつもセットはどうされているの?私もできるかしら?」
やってみたい。出きるならばドリルにしてみたい。長さ足るかな?
「お褒めいただき嬉しいですわ。お友達になるのですものルピナスとお呼び下さりませ。それと、この髪型に出きる魔道具がございますのよ!国賓をお迎えする時はこの髪型にする時と決めておりますの!」
名前呼び!マジか!嬉しいー!!それと、魔道具があったとは…。それはいいな。是非とも買って帰りたい。
「私もアビィと呼んで下さりませ。出きるならば。その…ルピィと呼んではダメでしょうか?」
愛称呼びをぜひ!!うふふ。図に乗るなって?すみません。
「まぁ!素敵!ええ。是非とも!よろしくお願い致しますわ。アビィ様。髪型がお気に召されたのならば、魔道具をプレゼントさせて下さりませ。私が趣味で作ったものですからどの工房にも置いていないのです。ですから、お友達の記念に作らせて下さりませ。」
おっふ。流石ドワーフ国。趣味が魔道具作りとは。ドリルな魔道具!欲しい!ならば、私も何かぷりーぜんと致さねば!!
「嬉しいわ。私は手作業が苦手なので、作れないのだけれど、ルピィをイメージした杯をプレゼントさせて。お酒がおいしく飲める様に作らせて貰うわ。もちろんペアでね!」
刺繍?絵画?貴婦人のたしなみ?何それ美味しいの?と言わんばかりに私は逃げた為それ系の手作業は全滅である。こればかりは時間がかかるからとザマス夫人からは逃げられたのだ。懐かしいな。元気かな?カンパニュラ夫人。デザインだけはできたので、グラスや器を作るときはこんな感じーと書いて工房に渡している。
「嬉しいですわ。この国ではお酒はジョッキで飲むことが通例で…。おしゃれな杯が欲しかったのです!ドワーフ国へ来てくださって本当に良かったですわ。それと改めて謝罪させて下さりませ。国王陛下が不在で申し訳ありませんでした。止めたのですが…その…トロッコの為の魔石となると…臣下を含めて、一秒でも早く!!としか言わなくて…。」
いやいや。気にしなくて良いですよー。あの宰相さんの感じみたら誰も止められなかっただろう。炎が見えたもん。
「いえいえ。そんな。お気になさらないで。それに悪いことばかりではなかったですわ。お陰でトロッコは早く引けるようになるし、ルピィと仲良くなれたのですもの。謝罪など必要ありませんわ。」
国王が居れば私の相手は国王がしていただろう。女性と言えど国賓であり、私は執政をしている立場なのだから事実上カルミア国のトップだ。王妃はサポート程度にしか会うことはなかったに違いない。マンサク君が鉱石掘り名人で良かった。是非ともこれからも私の窓口はルピィでお願いします。
「まぁ。アビィ様は嬉しいことを言ってくださるわ。これからも仲良くして下さりませ。それと今度お会いするときは私の息子や娘をご紹介させて下さい。目上の王族は少のうございます。また、賢者と言われる方ならば言うまでも無いですわ。そのような方との会話は何よりも宝となるはずですから。」
私も!プルメリアを会わせたいです!!ルピィとの会話は確かに良い経験となる!
「ええ!是非。私も娘に会っていただきたいわ。隣国ですもの日程は組みやすいはず!また近いうちにお会いしましょうね!それまでは御手紙をお出しして良いかしら?」
「ええ!私もお出ししたいわ!うふふ。こんなに楽しいお茶会はいつ以来かしら…。王妃になるとどうしても利権が関わるから難しくて。」
だろうねぇ。貴族同士だものそんなもの当たり前だ。そもそもまず、同派閥からお友達は選ばれる。利権から始まっているのだ。国同士でも利権は当たり前だが、そうそう難しい利権はない。=戦争になってしまうからだ。平時ならば普通のお友達で要られる。
私はこちらに飛ばされた人間だから、お友達を作る暇がなかった。だってお友達になったら裁けないじゃん。飛ばされた当初は周りが罪人だらけだったし…。
「そうね。解るわ。私だって、ルピィが初めてのお友達ですもの。これから宜しくね。」
末長く。
後にこの友情は筒がなく続く。だが、お互いの伴侶達に取ってみれば仲良すぎじゃないか?と嫉妬してしまう程で…またに伴侶達から妨害が起きるほどだったらしい。